最愛の妻を失ったヤスが周りに助けられながらも男手一つ、息子を育てていく。不器用ながらもただひたすらに我が子を愛した父とその息子の絆を描いた物語。原作：重松清、脚本：森下佳子。（２０１３年１月１３日～３月１７日放送、全１０回）◆第５回。平成元年（１９８９）。ヤス（内野聖陽）が入院している海雲（柄本明）の見舞いに毎日のように病院に通う一方で、アキラ（佐藤健）は高校の野球部でレギュラーを決めるテストを控え、一度も顔を出せずにいた。ある日、ヤスは照雲（野村宏伸）から実は海雲が癌で先が長くないので、アキラに意識のあるうちに会いに来るよう頼まれる。ヤスは見舞いに行くよう頼むのだが、「今は野球の練習が大事だから」と断るアキラ。そんなアキラの一方的な態度にヤスは腹を立ててしまう。悩んだヤスは、アキラを見舞いに連れて行こうと野球部の練習を訪れ、偶然にも後輩・山本（大内田悠平）らの尻をバットで叩くアキラの姿を目撃してしまう。止めようと駆けつけたヤスはアキラと言い争いになり、思わずアキラを殴ってしまう。

現代日本に忍び寄る「超少子高齢化社会」。わずかな「兆し」を独自の視点で捉え、新感覚で日本の未来を考えるドラマ仕立てのバラエティ番組。◆２０１２年夏のある日、小学５年生の賢太郎は校庭で１台のテレビを見つける。叩くと画面に未来明男という人が現れて「君の未来を見せてあげる」と言う。このストーリーテラーに導かれ、賢太郎は「ありそうで！なさそうな？」数十年後の近未来を学ぶことになる。テーマは「結婚」と「高齢化」。そこには成人した賢太郎や将来の妻、年を取った父親の姿があった。そして、一見テキトーに語られる予測には「未来を明るく」生きるヒントが隠されていた。

愛知県設楽町、８３歳の鍛冶屋・安藤義久さん。この道一筋６０年、土日も休むことなく鉄を打ち続けてきた刃物づくりの匠だ。無口で物腰柔らかな安藤さんだが、刃物を打ち始めた途端、険しい表情に変わる。刃物を作り終えても決して満足することなく、ものづくりに情熱を注ぐ姿は、職人の誇りを感じさせる。「死ぬまでここで鍛冶屋をやりたい」と話していた安藤さんが、鍛冶屋の看板を下ろした。自宅と作業場は、４０年前に計画が発表された設楽ダムの水没予定地。周囲では空き地が目立つようになっていた。過疎、高齢化、ダム建設…。８３歳の職人が直面した現実とは。

１９７２年の日中国交正常化から４０年が過ぎた。１９８１年に始まった中国残留孤児の肉親捜しで、約１００人が新潟出身の残留孤児と判明し、７６人が帰国、新潟での新たな生活を選択した。その大半が日本語が話せない上、就労経験も無かった。国は残留孤児の自立を目指し、新たな支援制度を作った。孤児の生活は確かに豊かになったが、“自立”とは程遠い現状が続いている。国はそもそも、孤児の自立を目指しているのだろうか。国が実施した実態調査と、番組で行ったアンケート調査には、大きな乖離が見られた。そのかなりの隔たり、違いの原因は何なのか。そして孤児は国の自立政策をどう考え、どう向き合ってきたのだろうか。新潟に帰国した２人の孤児の姿から探る。

江戸・元禄時代を舞台に、萌えと笑いと盛り込んだバラエティー要素満載のオリジナル・コメディ時代劇。人気アニメーション監督と声優陣が、時代劇とのコラボレーションを果たす。◆平和な文化が花開いた元禄時代には、人々は茶店をサロンに語らい合ったという。そんな中、とある藩のとある城下町に奇妙奇天烈なサービスで人気の店があった。その名も「め江戸かふぇ」。そんなお店に突如現れた旅烏・ヒデ次（市瀬秀和）と浪人・もえ（三森すずこ）。ミニ丈着物のコスプレお茶子に感極まっていると、お城を飛び出した若君とお姫様を探す家老たちや、それらの命を付け狙う暗殺忍者が入り乱れ…。さてさて、この二人の運命はいかに？

富山県黒部市にある丸中水産のサンマ船「恵比須丸」。２０１１年３月１１日、東日本大震災。丸中水産の第６３恵比須丸は津波にのまれて炎上し、宮城・気仙沼港外に沈没した。３か月後、船を海から引き上げることになり、松野社長が現地に向かった。そこで見た無残な船の姿が、社長を突き動かした。◆「もう一度、海へ、漁へ」お世話になった気仙沼のため、被災した乗組員たちの生活を守るため、日本の漁業再生のため…。ところが、船の再出発までには多くの困難が待ち受けていた。被災者たちは明日の見えない暮らしが続いている。建てたばかりの家を津波で失い、その家の借金を抱えながら、アルバイトで家族を養う機関長。親戚９人を亡くし、自宅も津波で流失した乗組員。それでも、海の男たちは失意の底から再び海に出ることを決め、再起を誓う。◆番組では、あの日を境に生活が一変した恵比須丸の船主や乗組員に密着。１年半が経っても変わらぬ被災地の今と、そこに生きる被災者たち、船で結ばれた強い絆。恵比須丸復活までの様々な人間ドラマとともに、再び海に出ようとする海の男たちの生きざまを描く。

１９４４年（昭和１９年）６月２９日。４２００人の兵士を乗せた輸送船・富山丸は、沖縄に向かう途中に鹿児島県徳之島沖で米軍潜水艦の攻撃を受け、３７００人が犠牲となった。その中には、徳島県からの将兵３７４人が含まれていた。２０１３年夏、徳之島で行われた遺族会による「最後の慰霊祭」に、取材カメラが同行した。沈没から６９年、父や夫を奪われた遺族は高齢化し、語り継ぎたい思いを次の世代に託そうとしていた。

余命宣告を受けた母が、幼い娘に向けて残した伝言。そこには、母親の切なく、深い愛情が綴られていた。原作：テレニン晃子、田島安江、脚本：吉澤智子。◆妊娠中にガンが発覚した小山田晃子（常盤貴子）は、子どもを産むか、母体を優先するか、という女性にとっては究極の選択を迫られる。夫・亮太（田辺誠一）が答に悩む中、晃子は自分の命と引き換えに子どもを産むことを決断する。しかし、晃子の母・美津子（十朱幸代）の猛反対にあう。それでも晃子は、美津子のように娘のことを想う母になりたいと、美津子を説得する。無事娘・柚莉亜を出産した晃子だったが、柚莉亜と過ごす時間があまり残されていないことに気付く。そして晃子は柚莉亜への伝言を綴り、本にすることを思いつく。◆メ～テレ５０周年特別ドラマ