人形作家であり、短歌も詠む鹿児島寿蔵。彼の話を交えながらその作品と制作風景を紹介する。◆鹿児島は人形制作とほとんど同時期に短歌に親しみ、その歌集は既に２０冊を数える。人形にも文学的要素がなければいけないと主張し、彼の作品には美術的造形と文学的叙情の見事な融合が見られる。

１９７７年の日本を沸かせた王貞治選手のホームラン世界記録樹立。彼の「一本足打法」の秘密を科学的に解析したスポーツドキュメント。計測は筑波大学体育科学系の学者たちが担当し、王選手との話を交えながら進行する。◆王選手が、打つ・見送る、の判断をするのは投手の手からボールが離れて０．５秒。ホームランか凡打かの差はこの判断の百分の一秒差による。体格では、上半身は普通だが下半身は重量級。集中力が素晴らしく、敏捷性はむしろ劣る…など、世間で言われがちな「超人型」を否定する結果も出る。

昨年（１９７６年）、学校で現金と預金通帳窃盗の疑いをかけられ、教員から詰問された中学３年の少年が「学校がこわい」という遺書を残して自殺した。彼の周辺を取材することにより、関係者や地域住民のエゴ、無責任、閉鎖性などを指摘、教育の根本にまで迫る異色ドキュメンタリー。

タレントたちが「底ぬけチーム」と「脱線チーム」に分かれ、団体戦の勝ち越しをかけて、身体を張った奇想天外な珍ゲームに挑戦する。後楽園ホールでの公開収録。司会は徳光和夫。（１９７４年１０月２日〜１９７７年９月２８日放送）◆最終回は「ホッ！とどく」「難儀さの震動ＢＡＤ」「伸びのフーフー！」「得水かけよ！」「唄入り寒天競」「山先パン」という６つの爆笑ゲームに両チームが挑み、優勝を目指して対決する。

１９５２年（昭和２７）７月、四国放送は四国で初めての民間ラジオ放送局としてスタートし、１９５９年（昭和３４）４月にテレビ放送を開始した。ラジオ録音、テレビ映像、スチール等を再構成し、徳島県の２５年間（１９５２～１９７７年）の歴史の流れを、政治、文化、風俗など多角的に振り返る、開局２５周年記念テレビ特別番組。◆紹介されるおもな事件、事故、世相は、「昭和天皇巡幸」「徳島ラジオ商事件・再審請求」「ベビーコンテスト」「パチンコブーム」「神武景気」「南海丸沈没事件」「テレビ時代の幕開け」「モータリゼーション」「第二室戸台風の被害」「徳島まつり」「小鳴門橋開通」「レジャーブーム」「赤潮被害」「オイルショック」「三木武夫内閣誕生・退陣」「大鳴門橋起工」など。（徳島ラジオ商事件で再審請求を行っていた冨士茂子さんは、死後の再審で１９８５年に無罪が確定した。）

年老いた女性がやっているバーにやってきた老紳士。彼は戦前、彼女がダンサーだったことを知っていた。２人はかつて開かれた秘密のパーティーの記憶を辿り始める。脚本：市川森一◆時は１９４１年１０月、大東亜戦争が激しさを増す中、屋敷では禁制品となった海外のレコードをかける小さなダンスパーティが開かれていた。招かれた客には東京・溜池のダンスホールのダンサー蘭子（栗原小巻）、そして近衛師団の青年士官・須田（渡瀬恒彦）の姿もあった。蘭子を招いたのは須田の友人でもある屋敷の主の息子（山本圭）。「自分はダンサーだから誰とでも踊る。でもラストダンスだけは本当に気に入った人としか踊らない」と言う蘭子。かけるレコードも底をつき、遂に最後の一曲となった。果たして蘭子の「ラスト・ダンス」の相手とは。

友禅訪問着『梅』を製作中の人間国宝・森口華弘さんの仕事場にカメラを据え、その過程を紹介する。「京友禅は本来多彩なものだが、私は単彩な友禅を作りたい」と語る森口さん下絵を生絵に描く前に、彼は既に完成後の着付けのイメージを考えているのだという。「技術は一生勉強。仕事に自信はあるが、安心はしない」。スケッチをしている庭の梅が満開になるころ、彼の作品も完成する。

人間国宝・濱田庄司さんは、２５歳の時に英国人陶芸家バーナード・リーチの誘いで渡英した経験を持つ陶芸家。栃木県益子町の工房を訪ねた。（当時８２歳、昭和５３年没）昭和のはじめに沖縄でサトウキビを見て以来約５０年、濱田さんは好んで作品に唐黍紋を描いた。その作品は素朴で、しかも豪快な迫力に満ちている。益子の土地柄のよさを「木綿みたいに何もないところ。絹でも純毛でもない」と話し、製作にいそしむ濱田さん。工房の庭では、ひしゃくで釉薬をかけて模様を描く流し掛けが始まった。