イヌイットの生活と自然を紹介し、自然と人間の共生・地球の環境保全を考える。◆世界でもっとも“きれい”と言われるカナダ極北部のネツリング湖。この湖の周辺や流れ込む川の流域には全く人間活動がない。その湖には、世界数箇所でしか生息しない淡水に適応した幻のアザラシが住む。北極の先住民イヌイットの伝説にも登場するこのアザラシは地球環境のバロメータとして注目されている。地球の温帯に集中する工業地帯から出される化学物質、環境ホルモンは大気を通じて地球の極地に運ばれる。このため、汚染源が周囲にない極北の野生動物は今までにない環境汚染にさらされている。それは野生動物を食糧としている人間＝イヌイットにも深刻な問題だ。極北の素晴らしい自然と目に見えない汚染。幻のアザラシと日本の研究チームはその実態を明らかにする。

２０００年１月２８日、東京で旅行代理店やプロが選ぶホテル・旅館１００選の表彰式が行われた。栄えある１位に選ばれたのは、石川・和倉温泉の「加賀屋」、しかも２０年連続１位という素晴らしい偉業を達成した瞬間だった。◆大記録をもたらす「もてなしの極意」とは何なのか。女将への密着取材、客室係の接待方法などを通して「日本一の旅館」の素顔に迫る。

昭和初期の東京を舞台に、「あ、うん」の呼吸で神社に佇む狛犬のように固い友情で結ばれた２人の男と、その狭間で揺れる妻のときめきを哀切に描くドラマ。◆昭和１０年（１９３５）春、製薬会社に勤める仙吉は本社の課長に昇進。妻のたみ、一人娘のさと子とともに東京に戻ってきた。新居を世話したのは、仙吉の戦友、門倉。たみも含めた３人は固い絆で結ばれていた。栄転祝の最中にたみの妊娠がわかり、子どものいない門倉は生まれてくる子が女なら養子に欲しいと懇願する。しかし、たみは流産する。門倉は心ひそかにたみに想いを寄せていた。そんな門倉の気持ちを知るたみも、淡いときめきを胸に秘めていた。門倉の妻の紹介でさと子は辻本と見合いをする。仙吉が縁談を断ってしまったにもかかわらず、さと子は親に隠れて辻本と会うようになる。母と娘、それぞれが実らぬ恋に心を揺らす。

徳川家の家紋・三つ葉葵を将軍三代の心になぞらえ、人間の生き方を問いかける。ＮＨＫ大河ドラマ第３９作の総集編。全４回。作：ジェームス三木。◆最終回「葵の絆」。二代将軍秀忠（西田敏行）は、娘・和子の入内を成し遂げる。家光（尾上辰之助）は後水尾天皇の二条城行幸を実現させる。中宮・和子の生んだ女子が即位し、女帝・明正天皇となる。秀忠は家光に治世を託して死去し、家光は諸大名を厳しく取り締まるとともに、朝廷との融和政策を進めて声望を高める。

千葉県佐原市。利根川水運の川港で、江戸時代からの商家の建物が多い。◆佐原で有名なもののひとつは、伊能忠敬。記念館には、１８年かけて測量した日本地図「伊能図」がある。そしてもう一つは、佐原囃子。太鼓とともに笛の響きが、とても近代的な感じがする。「佐原ばやし」という酒もつくられている。◆１０月、諏訪神社の秋の大祭。大きな武者人形を乗せた山車が、佐原囃子にうながされ、ゆっくりと街中を行く。のの字まわしも勇壮だ。夜もまた、提灯が川沿いの水に映って美しい。◆佐原市佐原【重要伝統的建造物群保存地区】、伊能忠敬旧宅【史跡】、佐原の山車行事【重要無形民俗文化財】、サッパ舟

原爆投下直後の極限の状況で、家族や知り合いにあてて焼け跡の校舎の壁面に被爆者が書き残した伝言が、５５年後の２０００年によみがえった。わずかな望みを託し、最後の力を振り絞って書かれた伝言と、家族の記録を伝える。◆爆心地からわずか４５０メートルの地点にある広島市立袋町小学校（当時は国民学校）。鉄筋コンクリートの校舎はかろうじて全壊を免れ、被災者の救護所となっていた。小学校の関係者、収容された被災者、家族を探しに来た人たちが、焼けて真っ黒になった壁に伝言を書き残していった。その伝言は伝わったのか。書いた人・あてられた人、それぞれのその後を追う。

鎌倉街道中道（なかつみち）は、鎌倉から奥州平泉まで続く街道である。源頼朝が１１８９年（文治５）の奥州征伐の際に整備したと言われる。上道の旅に続いて旅人・村松健が中道を歩く。◆光明寺と元八幡を訪れた後、鶴岡八幡宮の大イチョウの下から、中道を辿る旅が始まる。巨福路坂の切通から北鎌倉方面へと向かう街道沿いには、建長寺、東慶寺、円覚寺などがある。水堰（すいせき）橋は「いざ鎌倉」の際に武士たちが勢揃いした場所と言われる。街道はここで上道と中道に分岐する。

時は３０世紀。人類が時間移動装置、所謂タイムマシーンを発明してから１０年が経とうとしていた頃、マフィア、ドルネロ一味が西暦２０世紀の日本に逃亡する。ドルネロ一味を追う４人の新人レンジャー隊員達は、偶然出会った青年とともに未来戦隊タイムレンジャーとなって凶悪犯たちと戦う。スーパー戦隊シリーズ第２４作。（２０００年２月１３日～２００１年２月１１日放送、全５１回）◆第１回。西暦３０００年。不法な時間移動を取締る時間保護局では、レンジャー隊入隊式が行われていた。同じ頃、悪名高きマフィアのボス・ドルネオが脱獄し、西暦２０００年に時間移動をしようとしているとの一報が入る。入隊式を終えたばかりの新人レンジャー隊員のアヤセ（城戸裕次）、ユウリ（勝村美香）、シオン（倉貫匡弘）、ドモン（小泉朋英）らは、ドルネオ一味を追うため、時間移動しようとするが、それはドルネオの罠だった。ドルネオたちの時間移動に利用された４人は時間移動先に偶然居合わせた浅見竜也（永井大）とともにドルネオたちを捕まえるため、未来戦隊タイムレンジャーとなって戦い始める。