第二次世界大戦中、ナチスとソ連によるユダヤ人大虐殺・迫害のなかで、彼らを国外に脱出させるためのビザを発給し続けたリトアニア領事代理・杉原千畝。偉業を検証するとともに、迫害の跡をたどり、歴史が現在の人間に語るものを描く。◆１９３９年（昭和１４）１１月、リトアニア・カウナスの日本領事館に赴任した杉原千畝は、日本政府の反対を押し切って６千人分ものビザを発給する。やがて責任を問われ日本へ帰国するが、脱出に成功して生き延びたユダヤ人たちは杉原を命の恩人と思い、天使のような人だったと語る。

清元の人気舞踊「うかれ坊主」「鳥刺し」の二題を取り上げる。「鳥刺し」は、忠臣蔵の書替狂言の劇中劇、「うかれ坊主」は変化舞踊の一つとして成立したもので、いずれも当時の江戸市中の風俗をよく表現している。京都の若柳流の家元、若柳壽延さんが「鳥刺し」を舞い、紫派藤間流の幹部、藤間勘紫乃さんが「うかれ坊主」を軽妙に踊る。ゲストの漫才師の内海好江さんには、江戸っ子気質の庶民的な日常について、都々逸を交え、ざっくばらんな話を聞く。◆舞踊　清元「鳥刺し」、舞踊　清元「うかれ坊主」、清元清寿太夫【人間国宝】、堅田喜三久【人間国宝】

酒飲みで商売を怠けてばかりいる魚売りのおやじ、今朝は暗いうちに女房に起こされ、芝浜の魚河岸に行く。早いので浜で一服していると、砂浜にお金の入った古い財布を見つけ、夢中で懐に入れて家に帰り、女房と数えると五十両の大金。この金で遊んで暮らせると、おやじは酒を飲みぐっすりと寝込んでしまう。翌朝また、商いに行ってくれと女房に起こされる。おやじが五十両あると言うと、女房は夢でも見たのかと逆に意見する。

さまざまな分野で活躍する第一級の人々が、その人ならではの視点で「いのち」をテーマに語る。◆今回は、俳優の三國連太郎さん。

横浜山手の外国人墓地は良く知られているが、意外に知られていないのが横浜市中区大芝台にある中国人墓地「中華義荘」。華僑たちが眠るその墓地の歴史や、現存する横浜市内最古の近代建造物「地蔵王廟」などを紹介する。

尾道市の千光寺山は、山全体が緑に包まれた広大な公園であり、また、朱塗りの本堂は、尾道市のシンボルといわれている。千光寺公園は尾道きっての桜の名所となっている。尾道の人たちは、明治時代からソメイヨシノをはじめ、様々な種類の桜の苗木を千光寺公園に植えてきた。植樹を重ねてきて、千光寺公園の桜は今や１５０種類、９８００本、目指す１万本はもう目前。千光寺公園は、今では尾道の人たちにとって、大切ないこいの場となっている。

　バブル崩壊を契機に、日本人の父親に見捨てられた子どもたちがアジアに急増している。父親たちは「すでに責任は取った」から「子どもたちには会わない」という。フィリピンではこうした子どもたちが数万人にものぼると見られ、社会問題になってきている。アジアに対する日本の姿勢が問われているこの問題を、経済大国・日本の陰に生きる子どもたちの姿から描く。

若旦那の徳さん、道楽が過ぎて勘当され船宿に居候している。そのうち、船頭になりたいと親方に頼み、許しは出たがまだろくに舟が漕げない。浅草観音の祭りで船頭が出払っているとき、客が来て舟を出してくれと言う。いま船頭がいないのでと断っても客がせがむので、そばにいた徳さん、舟に客を乗せ、大川へと漕ぎ出す。