鳥取県用瀬町江波に伝わる三番叟は、江波神社の秋の例祭で奉納されるもの。江波地区は山林業が主な産業で、江戸時代の中頃、近くを訪れた大阪の紙商人がこの地区の住民に歌舞伎と三番叟を教えたとつたえられている。歌舞伎は、昭和３７年を最後に演じられなくなったが、三番叟はその後も地区の人たちに受け継がれている。三番叟は、能の「式三番」を元にしたもので、歌舞伎の前座に祝儀として舞う他、病気平癒など願立てをして舞われた。拍子木にあわせ幕が開き、舞台中央一段高いところに頭取、後向きに千代が立っている。座元の一人が舞台を清め、口上の後、千代と頭取が舞い、天下泰平、国土安穏の祝祷をする。つづいて二番叟が登場、最後に三番叟が登場し、二番叟とともに口上後、長久延命息災の祈祷をして終わるが、この地区でもこの舞いを継承する若者がいなくなり、後継者育成が急がれている。

“自分にとっての人生の楽園”を見つけた人々の様々なセカンドライフを紹介しながら、新しい生き方を提案する、大人のための「いい人生の歩き方」発見番組。（２０００年１０月７日放送開始）◆今回の楽園の住人は、田中啓子さん（５４歳）と夫の信也さん（５４歳）。舞台は世界一のカルデラを誇る阿蘇。阿蘇五岳と外輪山に囲まれた南阿蘇の久木野村だ。子どもの頃から外国に憧れていた啓子さん。結婚、子育てと、海外旅行の夢を忘れかけていた時、４６歳の誕生日に娘から一冊の本「南仏プロバンスのハーブたち」をプレゼントされた。南仏の風景に魅了された啓子さんは、阿蘇から見える景色にそっくりであることに気づく。そして、ここにプロバンスへの熱い想いを込めたレストランを開く決意を固める。

島根県斐川町で横笛を製作している樋野さんは、２６歳の時津軽三味線奏者の初代・高橋竹山と出会い、竹山さんの吹く笛の音に魅せられた。以来、独自に笛づくりを勉強し、現在では全国から注文が来るようにまでなった。笛づくりの技術は、すべて独学で、地元にある桜の皮の素材に着目し、横笛に用いたのも樋野さん独自の手法。神楽や祭用など用途によって種類が異なり、すべて注文生産。製作過程の中で最も神経を使うのが指口の穴明けで、吹き口と指口の微妙な大きさが音色に影響を与えるとあって、削っては吹き、吹いては削る作業を繰り返し、音色を確かめていく。横笛だけではなく土笛もつくり、子どもたちに作り方を教えている。

被爆者の高齢化が進む中、被爆体験の継承というナガサキの課題に取り組む高校生を描くドキュメンタリー。◆２０００年夏、長崎西高校の一人の生徒が高校生平和大使としてジュネーブの国連欧州本部を訪問し、核兵器の廃絶と平和な世界の実現を訴えた。帰国後、８月９日までに１万人の署名を集め平和のメッセージを国連に届けようと活動を始めた。しかし賛同する高校生は少なく、署名は思うように集まらない。学校側も政治活動に当たると校内での活動を認めない。１万人の署名への道は険しい。

万葉集の歌にちなんだ奈良県内各地を本上まなみが散策するミニ番組。◆この回は奈良県吉野町の吉野川を訪ねる。『いにしへに　恋ふる鳥かも　弓弦葉の　御井の上より　鳴き渡り行く』　弓削皇子

全国的に知られた観光スポットだけでなく、日常生活の中にある信州の風土や文化を紹介する。◆今回は、冬の風物詩・犀川ダム湖の白鳥のおとずれを伝える。

中国地方の最高峰・国立公園大山は、古くは「大神岳」と呼ばれ、人々の信仰を集めてきた。海岸近くの独立峰であり、四季それぞれの姿を見せる。遅い春はブナ林から告げられる。大山のブナ原生林は、西日本最大規模の面積で七合目あたりから山裾へと広がっている。春から夏にかけ新緑に覆われ、ブナ林の中は小鳥たちの楽園となる。夏には多くの登山客が頂上を目指す。秋、山頂から裾野に向かって紅葉が始まり、南壁を一望出来る鍵掛峠の展望台には紅葉狩り客が訪れ、荒々しい岩肌とブナの黄色を中心とした紅葉に見入る。紅葉の進む三の沢はビューポイントの一つ。ブナ、ミズナラ、カエデ類の紅葉は毎年色鮮やかに秋の光景を見せてくれる。

ＮＨＫ連続テレビ小説第６４作「ちゅらさん」（２００１年４月２日～９月２９日放送）の総集編。沖縄の小浜島で天真爛漫に育ったヒロイン・恵里が、故郷の島で東京生れの兄弟と出会ったことをきっかけに上京し、自分の人生を切り開いていく姿を描く。作：岡田惠和。（全３回）◆総集編・第１回「美（ちゅ）ら島の出逢い」。小浜島で民宿「こはぐら荘」を営む古波蔵家は、おばぁ・ハナ、父・恵文、母・勝子、長男の恵尚、長女の恵里、末っ子の恵達の５人家族。ある日、恵里は東京から療養のために島を訪れた和也と文也の上村兄弟に出会い、仲良くなる。そして文也と将来の約束をするが、身体の弱かった和也は短い命を終え、上村一家は東京へ帰っていく。