１７世紀、ルイ１４世は不穏な空気に満ちたパリを離れ、ブルボン王朝の舞台をパリ郊外のひなびた村ヴェルサイユに移し、巨大な宮殿と庭園を建築する。すべての君主が憧れ、後に建築される数々の宮殿のモデルとなったこのヴェルサイユ宮殿と庭園は、１９７９年世界遺産に登録された。◆宮殿の西、３キロ近い直線の軸に沿って左右対称に幾何学文様が描かれ、国王の歩みに合わせて１，４００もの噴水が噴出すフランス式「庭園」は、人工美の極致だった。宮殿内の７３ｍにもおよぶ大回廊「鏡の間」の巨大な１７の鏡は、彼方にまで続く庭園を映し出す。自らを太陽神アポロンになぞらえた王は、３，０００名の貴族をここに住まわせ、儀式ばった生活をさせた。それは王を神格化する舞台だった。太陽王は、起床時間になると数百人が見守る中で、顔を洗い、かつらを選び、排便までした。「王とは国民のものだ」と考え、宮殿には誰でも自由に入れた。権力と美を愛した男は、時に報酬や恩恵よりも「芸術」が、人々の心を強く促えると知っていたのだった。◆大運河、大理石の中庭、太陽王の紋章、王の寝室、王室礼拝堂、アポロンの泉水、ラトナの泉水、グラン・トリアノン、プチ・トリアノン、マリー・アントワネットの文机、蒔絵小箱、犬型蒔絵、マルタン・ワニスの小箱、王妃の村里、王妃の寝室室

架空の小藩・海坂藩を舞台に描く、下級武士の子・牧文四郎の成長譚。悲運や陰謀に翻弄されつつも剣を極め、己の道を真っ直ぐに歩み続ける青年の物語。原作：藤沢周平。（２００３年８月２２日～１０月３日放送、全７回）◆第一回「嵐」。時は江戸時代。東北の小藩の下級武士の子・牧文四郎（内野聖陽）は、剣術に励みながらも、隣家の娘・ふく（水野真紀）と淡い思いを育てる日々を送っていた。１８歳の秋、城下を洪水が襲う。義父の助左衛門（勝野洋）が農民のために働く姿を見て、文四郎は父のようになることと誓う。しかし、助左衛門は世継ぎ争いに加担したとして捕らえられてしまった。

スペイン本土から８０ｋｍの所に浮かぶイビサは、地中海の海の幸、新大陸から持ち込まれ定着したサボテンなど自然の恵み豊かな島である。イビサの支配者は紀元前のフェニキア人から始まり、アラブ人、スペイン人と目まぐるしく変わり続け、それは１６世紀まで続いた。そして集落や要塞、城壁、見張りの塔などそれぞれの民族の遺跡が数多く残されている。地中海の歴史を彩る数々の遺跡と豊かな自然が育まれているイビサは、文化と自然の複合遺産として、１９９９年に世界遺産に登録された。イビサは地中海の島という地理的条件もあって、大陸からの影響を受けない、自由で独特の文化が育まれてきた。近年は若者たちがイビサを自由の象徴として崇め、世界中から人々が訪れている。◆サ・カレタのフェニキア人集落跡、ブッチュ・デス・モリンス、ポシドニア、塩田

聴覚障害を持つ女性の小学校から就職、結婚までの成長と、母との絆を描くドキュメンタリー。◆３歳で娘が重度の難聴と診断されたとき、母は全ての時間をこの子のために使おうと決心した。普通の子により近い生活を、と高校まで普通学校に通学。時には母娘でぶつかることもあったが、明るく積極的な娘は口の動きで言葉を読み取り、クラシックバレエにも挑戦し、障害を乗り越えていった。娘は親元を離れて短大に進学する。そこは日本で唯一聴覚障害者を対象とした大学で、彼女は得意のグラフィックデザインで健聴者と聴覚障害者の架け橋を作るという夢を持つ。

山形放送が開局した１９５３年からの５０年を、「開局と高度成長の時代」「高度成長の光と影」「失われていくもの、受け継がれる心」「災害と闘い」「飽食の時代」の５パートに分けて構成し、この５０年間の山形県民の幸せの行方を検証する。

ヨーロッパとアジア、世界の陸地の４０パーセントを占める広大なユーラシアは、多数の民族や宗教が勃興した歴史の舞台となってきた。２００１年９月の同時多発テロがもたらした緊張のなかで、これらの地域の動きをひとつの潮流としてとらえる。◆アメリカに「悪の枢軸」と名指されたイラク、改革派と保守派の対立が激しさを増すイラン、反米的イスラム政党が躍進し不安定な情勢が続くパキスタンなどのイスラム圏。ＥＵ、ロシア、中国、インドなどの巨大パワーに包囲され、アメリカの軍事圧力もうけて、かつてないほどの緊張状態となっている。

小学校教師と禅宗の修行僧の運命的な恋を描いた連続ドラマのパート３。果たして二人は結ばれるのか。（２００３年９月２９日～１１月２１日放送、全４０回）◆最終回。木里子（小田茜）は担当医の白井（石倉三郎）から病院に呼ばれる。白血病の再再発を恐れる木里子に、白井は「木里子ちゃんが幸せになることで、みんなが幸せになる」と励ます。その帰り、木里子は「かたつむり」に忍を訪ねる。はたして木里子はどんな決断を下すのか。

縄文の太古から変わらずに生き物たちを育み続けている貴重な浦海、長面浦とその周辺の自然、生き物たち、そしてそこに暮らす人々を四季を通して描く。◆この浦海がなぜ貴重なのか、どんな役割を果たしているのかなどについて、専門家の研究、長面浦に魅せられた民俗研究家の意見も紹介する。