終戦直後の１９４５年（昭２０）８月２２日、守山宗一さん（当時２２歳）は両眼失明、両手首切断という重傷を負った。陸軍の予備士官だった守山さんは、爆薬処理中に事故にあったのだ。しかし、彼は障害を乗り越えた。数年かかって唇で点字をマスター。１９５６年（昭３１）から英語塾を開くかたわら、多彩な趣味を自分のものにした。なかでも、深夜２時に起床して行う「音の本」づくりは、守山さんのライフワークとなっている。

病院の哺育器の中で未熟児網膜症となり、姉は手術で失明を免れたが妹は手遅れで全盲となった双子の姉妹。この姉妹の３歳から６歳までの成長を記録する。幼稚園の入園、そして卒園、二人揃って小学校に入学する。姉と妹の間にはっきりとした姉妹の意識が芽生え、いたわりあい、励ましあって生きる姿を追う。

夫に先立たれたあと、姑に仕える一人の女性を主人公に、主婦の幸せ、本当の自由とは何かを問いかけるホーム・ドラマ。水木洋子の書き下ろし。（１９８１年１１月１０日～１９８２年４月２０日放送、全２４回）◆こま子（池内淳子）が福山家を出てから三カ月が過ぎた。姉の深雪（佐々木すみ江）は食料品店の主人と、源吾（高橋悦史）の息子・力也（おりも政夫）もスナックのママ（根岸季衣）と結婚することになり、同じ式場で同時に式を挙げた。こま子は父・佐太郎（金子信雄）と、自分の今後について話し合う。そこへ交番から電話がかかってくる。

生活の周辺にある様々な事象を掘り起こし、調査とデータで追跡する情報ノンフィクション番組。毎回、人々の生活実感に根ざした一つのテーマを選び、分かりやすく伝える。◆この回のテーマは、東京の足元に広がる巨大な地下空間。地下街、地下鉄、下水道など、地下に広がる空間はますます広がっている。前半はそれら地下の世界を徹底取材し、後半は作家・小林久三氏が東京の地下にまつわる謎を推理・検証する。

かつては山岳修業の行場であった神奈川県足柄上郡山北町のお峯入りは、ここに住む人々の素朴な山の祭りで現在も１０種類の歌舞が伝承されている。この中からいくつかの歌舞を紹介する。◆山北のお峯入りは風流踊り（中世芸能の一つ。囃子を伴う歌舞）、山岳信仰、古代儀礼の三つが融合して一つの民俗芸能になる過程を示すものとして貴重な文化財である。祭りは、おかめの面をかぶった女性のこっけいな踊りで始まり、８１人のふん装した男たちが１０種類の歌や踊りを演じる。その素朴な歌や踊りの一つ一つに山の暮らしの喜び、悲しみ、祈りや願いが込められ今に伝えられている。

欽ちゃん（萩本欽一）が編集長という設定でおくる週刊誌に見立てたバラエティー番組。各コーナー・コントが連載記事となる。（１９８２年１０月８日〜１９８５年９月２７日放送）◆第１回・創刊号は以下のラインアップ。欽ちゃんと佐藤Ｂ作、風見慎吾の３人で見せるミュージカル・コミック「ザ・ちなみショー」、根が全く明るい明子（清水由貴子）と根が全く暗い暗子（中原理恵）を主人公にしたコント「明子と暗子」、欽ちゃんがやたらと余計なお世話をやく「親切くん」、視聴者からの情報によるスクープ「わが家のニュース」、清水善三が青春を求めて家出するパターンをコミカルに描く連続家出漫画「善三が行く」。

東京国立博物館の林屋晴三が、百日余り窯をたき続け新しい境地を示す新作数十点を制作した、加藤唐九郎に聞く。◆土を求め飽くことなく歩き続け、今回も１００種類以上の土を試して作ったという茶碗を紹介する。「土の持つ性質が形・色彩となって自然に表れているのが良い作品と思う。今初めて多少の自信がもてるようになった」と８４歳の唐九郎は意欲的に語る。

街の活性化か、小売商業者の保護か。大型店進出に揺れる都市の素顔に迫るドキュメント。富山県内にある地方都市で、大手スーパーの進出計画が明らかになった。売場面積２万平方メートルという巨大な計画に、地元小売業者からは当然のごとく猛反対の声があがった。市当局は、大型店の誘致によって流出する買物客を取り戻したい。混乱の中、この判断は商工会議所の副会頭１人に白紙委任され、注目のうちに決断が下された。