出稼ぎ先で病気になったと連絡があったきり音信不通になった母親を訪ねて、イタリアからアルゼンチンへひとりで旅をする少年マルコの物語。原作：エドモンド・デ・アミーチス「クオレ」。カルピスこども劇場（世界名作劇場）。（１９７６年１月４日〜１２月２６日放送、全５２回）◆マルコはイタリア・ジェノバの開業医の次男坊。病院といっても貧しい人たちのための病院で家計は苦しい。そのためマルコの母アンナはアルゼンチンへと出稼ぎに行くことを決め、旅立つ。

信念を貫く人々の姿や、人間の可能性と限界を探る異色のドキュメントシリーズ。（１９７２年１０月７日～１９７５年３月２９日放送）◆杉山旗雄、７０歳、長良川の鵜匠である。鵜匠は毎朝鵜を籠から出してなでる。これを鵜匠は“なぶる”という。この肌と肌の触れ合いによって、野生の鵜は鵜匠になつき、次第に鵜飼いの為の鵜に仕立て上げられてゆくのである。鵜飼いの鵜は一代限りなので、常に野生の鵜を補充しなければならない。日本には毎年春と秋に海鵜が渡ってくる。その鵜が捕えられ、日本中の鵜匠の手元へ送られる。杉山さんは鵜を待ち焦がれている。

３億年の歴史をもつ秋吉台の全体像を、構造模型やアニメーションによる解説、特殊撮影などを交え、学術的に裏づけされた観点に立って構成する３部作。放送番組センター協賛番組。◆日本最大のカルスト台地「秋吉台」（現・山口県美祢市）。３億年前、秋吉台は海底だった。長い年月を経て隆起し、石灰岩に覆われたこの台地の面積は１３０平方キロメートル。学術的にも貴重で、国の特別天然記念物に指定されている。かつて珊瑚礁だった石灰岩は、今ではほとんど見ることがない動物や貝、植物の化石の宝庫である。この秋吉台の下には、東洋一の鍾乳洞「秋芳洞」があり、洞内には黄金柱、百枚皿などの芸術的な鍾乳石を見ることが出来る。日本列島の誕生、そして生物の進化や発達の謎を解くヒントとなる秋吉台と秋芳洞。秋吉台科学博物館の調査とともにその魅力に迫る。

交通事故に遭い頭部に重傷を負って以来、両親の顔もわからない状態で生きてきた２５歳の男性。しかし、岩手ではじめられた療法を受けて、奇跡的に意識を回復、失明同然だった視力も徐々に回復してきた。彼の闘病生活を描きながら、人間の命の尊さを考える。

古来、茶人たちは茶のこころの表現として、＜茶の空間＞を大切にした。その空間を構成する茶室、茶道具から、＜茶のこころ＞の姿の変遷を追う。華麗な舶来品の茶道具が好まれた初期のころから、落ちついたものが好まれる侘茶の時代。道具類が変化することで、視覚的にも茶のこころの移り変わりを見てとることができる。

明治を見直す気運を背景に、明治時代を日本が国際化していく時代としてとらえ、史実に基づいて再構成した全１０回のドキュメンタリードラマ。◆第七回「陸奥宗光（後篇）」。外務大臣となった陸奥宗光（石坂浩二）は、日清戦争の開戦から講和まで、歴史の中心人物として手腕をふるった。李鴻章との講和会議の成功、そしてその後に起きた三国干渉。病身の陸奥の壮絶な努力が続く。

甲乙丙丁の全４巻から成る鳥獣戯画の各巻を、順を追ってとらえ、詳細に見せる。鳥獣戯画、正式には鳥獣人物戯画は、京都高山寺に伝わる無彩色・墨描のみで、さらに詞書がないという特異な絵巻である。サル、ウサギ、カエルなどを擬人化して描いた甲巻、多数の鳥獣を描いた乙巻の躍動的な筆づかいを拡大などの手法でとらえる。さらに後半２巻でうって変わったように描かれる奇妙にすさんだ人物や鳥獣の様子は、権力とゆ着し、利権争いにあけ暮れる当時の仏教界への皮肉として描かれたものではないかと、描き手の意図に迫る。

　世界中の人々の暮らしぶりや自然を紹介する、海外取材ドキュメンタリーシリーズ。全米写真家協会プロフェッショナル最高賞を受賞し、国際的にも評価された。（１９６６年１０月９日～１９９０年９月１６日、全１０００回）◆オーストラリアの北部熱帯に近い入江には、３月の繁殖期になるとペリカンが集まって来て、卵を産みヒナをかえす島がある。ペリカン島と通称されるこの小島には、灼けつく太陽、鷲や鷹・毒蛇の待ちうけている恐ろしい島でもある。自然の厳しい淘汰の中で逞しく成長していくペリカンの生態記録であり、ユーモラスな姿の内に秘めたペリカンの誇り高い生の記録でもある。