１９８９年７月、フランスは革命２００周年を迎え、パリサミットと機をあわせてさまざまな記念行事が展開された。自由・人権をうたいあげ熱気にあふれるパリの華やかなイベントと次世代へのメッセージを伝える。

小津安二郎監督の映画「東京物語」（１９５３年）を、時代を新しくして描きなおしたドラマ。長崎・五島列島から子供たちの住む東京へ出てきた老夫婦の旅を描く。◆周吉・とみの夫婦は、勤めを退いたのを機に旅を決意した。久しぶりにみる子供や孫たちの暮らしぶりが楽しみだった。東京で一緒に暮らそうと言ってくれる長男夫婦、夫を亡くして３年になるのに再婚しようとしない次男の妻、長女の家では離婚話が出ているという。

私たちの体の神秘を探る科学ドキュメンタリー番組・ＮＨＫスペシャル「驚異の小宇宙・人体」の予告編。◆たった１個の受精卵から６０兆もの細胞を持つ人間が生まれる。生涯休みなく２０兆回以上、鼓動を繰り返す心臓、食物を分子に分解して吸収する消化器。人体にはさまざまな驚異が存在する。その素晴らしい生命の営みの模様を最新の科学で描く“人体内紀行”。その体内を直径１２ミリのファイバースコープや８０万倍の電子顕微鏡で撮影。さらにスコープの入らないところは最新のコンピューター・グラフィックス（ＣＧ）で生命の謎を探る。スウェーデン、イタリア、オーストラリア、フランスとの国際共同制作番組。

琵琶湖の竹生島にある国宝、宝厳寺唐門と都久夫須麻神社本殿を、琵琶湖のほとりで生まれ育ち、近江を主な題材としてきた画家・鈴木靖将さんが訪ねる。◆宝厳寺の唐門も都久夫須麻神社の本殿も、豊臣秀吉を祭った豊国廟の一部を、その子秀頼が移築したものと伝えられている。秀吉が好んだ花、牡丹の浮き彫りで飾られた唐門は、廟の中門「極楽門」、菊や鳳凰、豊臣の紋であった桐で彩られた本殿は秀吉の霊をまつる御霊屋であったとされる。秀吉は最初の領地・近江の長浜に近い竹生島の神に戦勝を祈って、島を保護した。後年天下を統一した秀吉にとって、この島は野望をかなえてくれた神の島であったのだろうか。

豊かな自然や各地に暮らす人々の風景を、美しい映像と人間味豊かな内容で伝える紀行番組。◆奥相模に源を発する渓流沿いに開かれた津久井町は、都心から５０キロ、東京・横浜への通勤圏にある、豊かな水と深い森に囲まれた町である。水を生かし、水に支えられた津久井の人々の暮らしを紹介する。◆津久井湖の水が豊富なことから、明治２０年に横浜水道が創設されたが、その水質は特殊なミネラルを含み「赤道を越えても腐らない水」といわれ、長い航海をする船の飲料水として珍重された。

日本経済新聞紙上で１９５７年３月に始まった「私の履歴書」テレビ版の新シリーズ。一時代を築いた人物が出演し、自らについて語る。（１９８８年１０月５日～１９９１年３月２６日放送、全１２７回）◆遠藤周作：作家。１９２３年東京生まれ。１９５０年カトリック留学生として、戦後日本人として初めて渡仏、リヨン大に学ぶ。１９５４年日本カトリックダイジェスト編集長、１９５８年「批評」創刊に参加。主な著作に「海と毒薬」「沈黙」「イエスの生涯」などがある。日本ペンクラブ会長、芥川賞選考委員なども務めた。

昼は小粋な常盤津の師匠、夜は黒装束に身を包む義賊「ねずみ小僧」。女ねずみ・お凛（大地真央）の活躍を描く痛快娯楽時代劇。原案：菊島隆三、安藤日出男「ねずみ小僧異聞」。（１９８９年４月１２日〜７月５日放送、全１２回）◆第一回「闇夜の屋根から愛のおひねり　」。

八代将軍徳川吉宗が、お忍び姿の徳田新之助に身をやつして江戸の町を歩き、庶民とふれあい、不正を正す連続時代劇。◆「帰って来た炎の男」。町火消し「め組」の頭・辰五郎（北島三郎）が、渡世人風の男に襲われて傷を負った。男は「吉田屋」と書かれた煙草入れを落として逃げ去ったが、辰五郎には全く心当たりがないという。やがて忠相（横内正）の調べで、煙草入れは吉田屋が佐平次という渡世人に渡したものだと判明する。その数日前、吉宗（松平健）が半次郎（佐藤Ｂ作）に誘われて行った飲み屋の主人（山本譲二）も佐平次という名だった。