ピアノ調律師の栄子（中尾幸世）が異国の地・スペインのアンダルシア地方を訪れ、ロマ（ジプシー）のペペやマヌエルたちとふれあう様子を、音と色彩豊かに描く。佐々木昭一郎作・演出。

伝統の技術を生かし、現代の竹の器に新しい美を求め続けている飯塚小かん斎の工房を訪れ、談話や制作の工程、作品などを紹介する。◆竹工芸は無から有を生む工芸であり、竹の性質・素材に対する思いやりを考えて編まないと自然の美しさは出てこない。◆小かん斎は「技術が生きているような作品を作っていかなくては、よりすばらしい技術は生まれてこない」と語る。

学校を存続させる窮余の一策として、３年前から「里親制度」を利用した過疎の村・長野県平谷村。里子としてやって来るのは、登校拒否、非行など、何らかの問題を持つ少年たちだ。この春、中学を卒業し、村を去る２人の少年の３年間を追い、親子関係とは何かを問う。

１９８２年９月４日。スペインのマドリード動物園でパンダの赤ちゃんが生まれた。誕生したときの体重は１１０グラムで、ネズミそっくりの姿をしていた。世界の動物園でパンダの赤ちゃんがいるのは、中国、メキシコ、スペインだけ。このマドリード動物園を８カ月にわたって取材。パンダの赤ちゃんの成長ぶりを紹介する。

洋画家で芸術院会員の森田茂は、「黒川能」を書き続ける画家として知られる。そのアトリエを訪ね、制作風景や作品などを紹介する。◆「黒川能」は山形県の農村に伝えられた農民の能。江戸初期の古い形を多く残した貴重な文化遺産である。森田は１９６５年（昭和４０）に初めて見て感動し、それからずっと通って描き続けている。

木曽の流れが長い旅を終え、海原と交わろうとする尾張平野に水郷がある。愛知県立田村はかつて道らしい道もなく水路でつながれていたが、今は南北に走る一本の水路だけが残る。昔から水害で多くの犠牲を強いられたため、独特の水屋を造りあげた。全村湿地帯で、レンコン栽培が盛ん。極楽浄土に咲くハスの花が夏の葉陰にりんと光る。◆水への感謝を込めた『提灯とぼしの祭』に、水郷の人々の祈りを見る。◆水郷、提灯とぼしの祭〔愛知県〕

１９８３年（昭５８）５月２６日正午、日本海中部地震が発生した。秋田テレビでは、その瞬間の映像をニュース取材中の４台のカメラでとらえた。また、その後も随時報道特別番組を放送して、県民に情報を提供した。「日本海中部地震戦慄の記録」は、それらの取材をもとに地震の被害などを検証したもの。

愛情にすき間風が吹きはじめた中年夫婦の日常生活を淡々と描きながら、夫と妻それぞれの心の中に芽生える不満や欲望を浮き彫りにする。（１９８３年２月２０日終了、全６回）