中国の新彊ウイグル自治区南部に広がる、世界第２位の面積の砂漠タクラマカン。中央部の塔中（ターズォン）地区で現在進められている、大油田の採掘を取材する。◆食料や水の確保もままならない過酷な砂漠の中で、２０００人以上の労働者が生活している。マイナス３０度にもなる厳寒期の採掘現場に長期ロケを敢行し、４０年ぶりの積雪や極限状態での人々の日常を細かに追う。

清和源氏の流れを汲み、十代二百三十年のあいだ続いた武家の名門・今川氏。しかしその姿は徳川三百年の下にうずもれてしまっている。戦乱の渦巻く時代に長く栄えた今川一族の謎を追う。（１０月８日〜１２月２４日放送、全１２回）◆１４６７年からの応仁の乱で京都は荒れ、生活に困った公家達は婚姻関係を頼って地方の有力大名の元へ散っていった。今川氏を頼った山科言継は、生涯５０年の詳細な日記をつけており、１５５６年に５か月滞在した駿府での生活も詳しく綴られていた。九代義元の時代、小京都と呼ばれた駿府は繁栄を極めていた。

ワインとラベンダーで知られる富良野盆地は、北海道のちょうど、真ん中にある。真ん中は中心、中心は「へそ」。ということに因んで「へそ祭り」が誕生したという。「雪のフラノはへその町へそのまち」という唄もでき、「へそ祭り」もできた。◆室内で男性２人が、へそ踊りの顔を描かれている。腰のあたりに腕を付け、黄緑色のハッピ、帯は赤、白足袋に草履、大きな笠で顔をかくした短足スタイル、黒衿の文字は「北海道へそ祭り保存会」。昭和４４年に十数人の参加者で始まった祭りが、２７回を迎えたことしの参加者は６千２百人にもなった。ストレス解消どころか富良野の人たちの連帯感を高めてくれるようだ。

現役で世界最高齢の指揮者で、大阪フィルハーモニー交響楽団音楽総監督の朝比奈隆さん（当時８７歳）の半生を綴るドキュメンタリー。◆朝比奈隆さんは１９０８年、東京生まれ。学生時代はサッカーの名フルバックで、京都帝国大学の法学部を卒業し、阪急電車でサラリーマン生活。その後、クラシック音楽の世界に飛び込んだ。戦時中は上海や旧満州で指揮、終戦直後には大演奏旅行をしていた。一転してどん底の引き揚げ生活、焼け跡の大阪で関西交響楽団を結成。今日までほぼ半世紀にわたって指揮を続け、１９９４年に文化勲章を受賞した。

突然夫が実家の豚カツ屋を継いだ事から始まる妻の奮闘を中心に、夫婦や家族のあり方を問うコメディタッチのホームドラマ。◆信託銀行の常務秘書をする美里は１年前に近所の豚カツ屋、かつ源の長男で幼なじみの健一と結婚。かつ源は次男の洋二が継ぎ、健一は銀行の国際部のエリートとして活躍中。おしゃれなマンションで幸せな結婚生活を送っていた美里だが、洋二が急死、健一は銀行を退職しかつ源を継ぐ事に。猛反対の美里に店を手伝わなくてもいいと健一は説得する。

名もない庶民から天下人に上りつめた豊臣秀吉の波瀾の生涯を描く１２時間ワイド時代劇。◆元禄３年（１５６０）、今川義元上洛の動きを日吉の手柄で知った信長は、桶狭間で今川軍を破り、三河の松平氏と講和した。一方、美濃との関係は、信長の妻・濃姫が離縁された後、再び悪化していた。日吉は美濃攻めの拠点となる墨俣城を三日で築き上げる。その手柄を市に伝えようと清洲へ駆けるが、市は浅井長政に嫁いで行った。失意の日吉を受け止めたのは、ねねだった。

レポーターが山形県内各地の見どころを探訪するシリーズ。◆今回は山形市の歴史と文化を紹介する。復元された山形城二の丸、東大手門のどっしりした作り。山形市郷土館は明治に建てられた市民病院「済生館」の旧本館で、国指定の重要文化財。同じく山形県旧県庁の「文翔館」も重要文化財（現在は修復工事が完了して公開されている）。隔年開催の山形国際ドキュメンタリー映画祭の作品が見られるライブラリー、ルノワール作品が充実した県立美術館など、見どころが多い。

「鐘をつる人落とす人」というテーマで、『道成寺』における鐘をつる仕組みや序盤の舞台の動きを紹介する。◆まず能舞台の仕組みについて解説、次いで能の開始からシテの登場まで、さらに道成寺の鐘供養のいきさつを見る。最初にシテを呼び出す「名ノリ笛」の話、ワキやアイの役目など、初めて能を見る人を意識した分かりやすい構成になっている。◆「道成寺」シテ松井彬、ワキ森茂好（重要無形文化財保持者）、アイ山本東次郎、大鼓河村大、小鼓大倉源次郎。◆副音声は英語