日本各地を訪れ、受け継がれる伝統工芸の技と心を紹介する。◆加藤清正に鉄砲工として仕えていた林又七は、１６３２（寛永９）年に肥後藩主となった細川忠利に鍔師として召抱えられ、刀の鍔を手掛けた。これが肥後象眼の始まりとなった。武具が使われなくなった現在では、装身具などに施されている。番組は象眼師・白木光虎さんの制作過程を追い、その歴史と今を描く。

二人の旅人が平成の眼であらためて古寺を巡礼するシリーズ。◆京都右京区にある真言宗大覚寺派の総本山大覚寺。嵯峨天皇がこの地に離宮を建てたのが始まりで、御所を模して作られた白州を囲む伽藍を舞台に、さまざまな王朝の芸術や文化が花開いた。大覚寺の文化の結晶は門跡の住まいの宸殿であり、信仰の中心は空海がもたらした般若心経であるという。この回の旅人、フルート奏者・山形由美と俳優・渡辺文雄は、五大堂（本堂）で２６３文字の般若心経の写経にも挑戦。そして観月堂に立ち、平安貴族たちの観月の宴を偲ぶ。

日本各地を訪れ、受け継がれる伝統工芸の技と心を紹介する。◆人と馬の関わりで岩手ほど強い絆で結ばれている所はない。日本最大の馬産地として知られる。田植えで疲れた馬たちに休息日を与えようという事から始まったのが、６月１５日の「チャグチャグ馬っこ」である。チャグチャグというのは鈴の音。装束が見事な郷土玩具の愛らしい馬っこを作るのは、木彫りの店主・石井誠朗さんである。みちのくの祭りに木彫りの技が映える。

日本に現在生息する約５５０種の野鳥のうち、大空を飛翔する姿の美しい鳥たち、澄んださえずりを谷間に響かせる鳥たち１００種の、特色豊かな生態を四季折々の美しい日本の原風景の中につづる。◆この回は、愛知県美浜町でカワウの生態を紹介する。

１９９１年登録。◆「王妃の城」という意味。１６世紀に国王ヨハン３世が王妃カタリーナのために建てた。スウェーデン・ストックホルム市の西郊の湖にあり、今は王家が居住。１７世紀に火事で焼け、王妃ヘドビック・エレオノーラが再建。１８世紀にまた火災にあい、王妃ルービッサ・ウルリカが再建した。それらによって変遷した建築様式や装飾を見る。◆ウルリカは宮廷劇場も建てたが、これも火事。その子グスタフ三世が再建、発展させた。現在も、オペラの公演が市民に開放されている。

京都しにせの呉服問屋一家と美しい姉妹の物語。祇園祭まぢかの夏の京都を舞台に人間の情熱情念を描く６回シリーズドラマ。（１１月２０日～１２月２５日、全６回）◆家族の中で浮き気味の陽子だが、東京から来た修造とはうまが合い京都を案内する。その夜、陽子は父の真一郎と口論し、自分は赤の他人だとうっせきしていた思いを吐き出す。そんな折り、陽子の実の母彩子が、娘に会いたいと連絡してくる。一方、貴子は陽子を追ってきた内藤大介に惹かれ始める。

作家・畑山博さんが、宮澤賢治の名作「銀河鉄道の夜」がどのような思いで書かれたのかを推理で描き出す。宮澤賢治が最愛の妹の死という悲嘆のどん底で書いたと言われている「銀河鉄道の夜」に、賢治は何を託したかったのか。賢治がこの作品を書く前に訪れたという樺太を、賢治への手紙を携えた畑山さんが旅する。

太平洋戦争が進行する時代を背景に、晩年を迎えた作家の幸田露伴と娘の文、孫の玉とのつつましい日常生活を丹念に描く。◆文は、離婚して娘の玉を連れて父、幸田露伴の家に落ち着く。露伴の別居中の妻がお手伝いを連れ去り、文と玉は気難しい露伴の世話に手を焼く。家には多くの人が出入りし、年末年始などは猫の手も借りたいほどの忙しさであった。