全国各地の商店街をはじめ、温泉街、学生街、神社参道など身近な町並みや通りの素顔を紹介する。◆名古屋から車で１時間。愛知県北部の足助町。町の真ん中を、かつて三河湾の塩と信州の産物を馬で運んだ「塩の道・中馬街道」が通り、その両側にしっくい壁の家並みが広がっている。今も宿場町の姿をとどめる足助の美しい町並みと、かつては人馬共に泊まっていた旅館、履物屋、定食屋、団子屋などがならぶ新田町通りを訪ね、懐かしい横丁を残す奥三河の風土と温かい人情に触れる。

大気を浄化し、地球の風土を作り、豊かな恵みで人々の暮らしを支える「森」と「水」の不思議を解き明かす。◆大地に根を張って動くことのできない樹木はどうやって分布を広げているのか。トネリコ、マツ、カエデなどの変わった形の種、鳥を利用して運んでもらう種など、植物たちのさまざまな作戦を探る。

日本に現在生息する約５５０種の野鳥のうち、大空を飛翔する姿の美しい鳥たち、澄んださえずりを谷間に響かせる鳥たち１００種の、特色豊かな生態を四季折々の美しい日本の原風景の中につづる。◆この回は、石川県金沢市でクロツグミの生態を紹介する。

日本各地を訪れ、受け継がれる伝統工芸の技と心を紹介する。◆浅草側から見て隅田川を挟んだ川向こうの島が向島。日々変わっていく東京にあって、懐かしい下町の風景が今も残っている。その一角に凧専門の店「唐変木庵」がある。主の神野有二さんは、伝統の家紋凧を作る凧職人である。家紋凧は、江戸時代男子の初節句に揚げられていた縁起物の凧。神野さんは一度途絶えていた家紋凧を様々な角度から研究し江戸の空に復活させた。神野家の凧作りを通して江戸っ子職人の心意気を描く。

長野県小海町の春祭りでは木偶を操る三番叟と鹿舞が奉納されるが、長老、親方、弟子へと作法が伝授されている。どんなことがあってもこれだけはという強い信念で伝えられてきた舞、囃子、木偶の操作は、それぞれの役ごとに親方と弟子が１対１で取り組む。そして仕上げには「おじっつぁ」と称する長老たちが検閲をする。この厳しい取組みが、祭りの芸能を昔のままに息づかせているのである。◆三番叟、鹿舞（春祭り）

１９９７年正月、香港は７月１日の中国への返還を前にしていた。多国籍都市・香港の住民たちを追い、香港が香港である最後の年末年始に密着するドキュメンタリー。

乳幼児の国籍取得裁判で勝訴した長野県在住の宣教師夫妻。夫妻はこれまで、養育者に恵まれない子供たち１１人を海外へ養子縁組してきた。そして、今また、日本に出稼ぎに来たアジア女性が生んだ国籍のない赤ちゃんの養子縁組のために米国へと渡る。望まれない、育てられない、幼い命が”愛の手”を通じて温かな家庭に託されていく過程を丁寧に追う。

地中海の中央、３つの主な島からなるマルタ共和国には、エジプトのピラミッドより古い、紀元前３０００年以前につくられたという世界最古の石の建造物がある。それらは、農作物の豊穣を司る女神に捧げたと考えられる神殿で、そのいくつかを見ていく。マルタのビーナスと呼ばれる、豊満な女性石偶も見る。これらの建造物がどのように作られたかは全くの謎だが、ムナイドラ神殿では、先史時代ながらすぐれた土木技術に加え、天文学の知識までもっていたことに、驚嘆させられる。