法師が文殊菩薩の浄土を拝みたいと思い浄土に架かる石橋を渡ろうとするが、童子が現われ普通の人が渡れる橋ではないと説く。やがて法師は、文殊菩薩の使っている獅子の精が浄土に遊ぶところを見る。◆後世の芸能に大きな影響を与えた曲。浄土で舞う獅子の舞は、能の各流派によってさまざまに舞われる。獅子は江戸時代、女の獅子になるがやがて再び男となり、歌舞伎舞踊の「獅子物」に継がれている。◆「石橋」水上輝和、宝生閑（重要無形文化財保持者）。◆副音声は英語

ラファエロは処女作「聖母子像」から、生涯を通して５０枚もの聖母子像を描いた。その生涯は作品ほどには知られていないが、幼年時代は両親の深い愛情を受け、宮廷画家として天性の才能を開花させ、ルネサンスの頂点を極めた。限りない平和と愛への願いを絵筆にこめ、聖母マリアを一人の女性として対した画家である。鈴木京香が各地に残る作品を追い、代表作「アテネの学堂」で見つけた一つの事実と一つの発見に迫る。

平家物語が素材で、平家打倒の謀反の罪で「鬼界ヶ島」に流された僧・俊寛の悲劇を描く。◆シテ（主役）のふん装は演者の解釈や演出意図で差があり、工夫が凝らされる。ここでは専用の面を付け、頭部は「黒頭」を、腰には海草で作った「海松蓑」を着けて長い流刑の印象を強めている。前半は、島に来た赦免使が名を読み上げるが俊寛の名は無く、俊寛が嘆き悲しむ◆「俊寛」観世寿夫、宝生弥一（重要無形文化財保持者）、浅井文義、永島忠侈。◆副音声は英語

今川義元を討ち、残る美濃の斎藤を破って京に上ろうとする信長だが、斎藤を攻めあぐんでいた。木下藤吉郎、長良川の向こう美濃方の地に、わが城を築いて攻めてはいかが、一万両あれば私が三日で城を普請いたしますと言う。許された藤吉郎、長良川や木曽川周辺の大勢の野武士や職人に大金を与えて城造りを急がせ、約束どおり三日で城をつくり上げ、これが美濃を破る突破口となる。

新潟県山古志村の二十村郷では、江戸時代から伝わる牛の角突き行事が行われている。神事と深く結びついた角突きは、勝負を競うのではなく、牛が互いに全力を出し切ることを競う勇壮な行事である。牛持ちたちは半年にわたって自分の牛を闘わせなければならない。牛の面倒見もわが子のように細かく暖かい。闘牛場で自分の牛の動きに一喜一憂する姿は、人間と牛が一体になっている。二十村郷では、そんな人々の牛との関りが今も受け継がれている。◆牛の角突き〔新潟県〕

日本に現在生息する約５５０種の野鳥のうち、大空を飛翔する姿の美しい鳥たち、澄んださえずりを谷間に響かせる鳥たち１００種の、特色豊かな生態を四季折々の美しい日本の原風景の中につづる。◆この回は千葉県九十九里浜の一宮で、ミユビシギの生態を紹介する。

二人の旅人が平成の眼であらためて古寺を巡礼するシリーズ。◆京都市出身の随筆家・松山猛が、友人の歌舞伎俳優・中村歌六を誘って、鴨川をさかのぼり源流にある真言密教の寺・志明院を訪れる。この志明院は歌舞伎十八番「鳴神」の舞台でもある。谷間の参道を楼門、本堂、根本中院と上った後、鴨川の始まりの岩清水がしたたる鳴神の護摩洞窟で、歌六さんは不動明王に祈りを捧げる。そして山頂の岩場。鴨川を極めた感じを抱きつつ、水への信仰、寺を取り巻く自然の神秘性、伝説化の隠れ寺について語り合う。

歌手やアーティストをゲストに迎え、自分の歌った忘れ得ぬ一曲について語ってもらい、最後にその曲をスタジオライブで披露するミュージック＆トーク番組。司会は由紀さおり。◆１９８６年のヒット曲「１９８６年のマリリン」について歌い手の本田美奈子にインタビューし、本田が「１９８６年のマリリン」を歌う。