全国各地の商店街をはじめ、温泉街、学生街、神社参道など身近な町並みや通りの素顔を紹介する。◆東京都台東区の鳥越本通りは、おかずを売る店が軒をつらねる「おかず横丁」だ。店の数は３０軒以上、家でご飯と味噌汁を用意すれば３６５日違った食事が楽しめる。ここで売られている漬物や惣菜の多くが自分の店で作った作りたて。手作りの靴屋など職人の多いこの辺りでは昔から欠かせない存在だった。通りのすぐ近くまでオフィスビルが建ち並ぶ今では、持ち帰りの弁当がサラリーマンやＯＬのねらい目。昼前や夕方には買い物袋を下げた主婦やＯＬでにぎわう。戦災も逃れた下町の風情豊かな町並みとそこで暮らす人々との触れ合いを描く。

日本に現在生息する約５５０種の野鳥のうち、大空を飛翔する姿の美しい鳥たち、澄んださえずりを谷間に響かせる鳥たち１００種の、特色豊かな生態を四季折々の美しい日本の原風景の中につづる。◆この回は、千葉県銚子港でセグロカモメの生態を紹介する。

作家・瀬戸内寂聴が、千年の時を越えて読み継がれてきた「源氏物語」について、自身の現代語訳をもとに語るシリーズ。個性豊かで魅力的な女性たちにスポットをあて、その生き方や性格・心理を読み解き、読者を惹きつける物語の魅力を探る。（４月７日～６月２３日、全１２回）◆第６回は、光源氏を拒んだ「空蝉」と、少々風変わりな姫君「末摘花」について。

中国大陸湖南省、林立する峰は三千を超えるという武陵源は、信じ難いことだが１億８０００万年前、深い海の底だった。それが、地殻変動で隆起し、雨風の浸食を受けて、今日の奇観が造形された。カメラはその眺めを丹念に見せてくれるが、それはもう、目をみはり、驚きあきれ、恐れ入るほかはない。さらには滝、湖、水中の洞窟、鍾乳洞のほか、珍しい動植物、断崖の薬草とりまで、盛りだくさんだ。ここに住み、農業を営む少数民族、土家（トカ）族の生活も紹介される。

ピラミッドはエジプトの王の墓というのは常識だが、もう一歩踏み込んでいく。当時の壁画には、トキあるいはトキの顔を持つ神のトトに対して、最高権力者の王や神官がひざまづいているものがある。トトは実は異星人で、ピラミッドは彼らの指導で築いたという説もある。トトは死後の冥界と関わる存在で、ピラミッドは天上へ旅立つための装置、墓というのが真実のようだ。実際、ピラミッドの斜角が太陽の昇る角度で作られているのを、カメラは如実に見せてくれる。旅人は遠山景織子。

鳥取県因幡地方には、想像上の動物である麒麟を頭にした、珍しい麒麟獅子舞が継承されている。初代鳥取藩主が徳川家康への忠誠を表わすため、家康が好んだ麒麟を獅子頭にしたのが始まりといわれる。姫路神社の獅子舞は練習の途中で辞めたいと思うほど厳しい舞い方であるが、若い男の一生に一度の役とあって、中止していたのを復活したものである。◆麒麟獅子舞

さまざまな分野で活躍する第一級の人々が、その人ならではの視点で「いのち」をテーマに語る。◆今回は、登山家の田部井淳子さん。

奈良ゆかりの芸術家や職人をジェフ・バーグランドが訪ねインタビューするドキュメンタリー。◆撥鏤（ばちる）とは、形成した象牙の表面を紅・緑・紺などの色で染め、それに細かな文様を彫ったものである。奈良県に住む人間国宝の吉田文之さんは８２歳、日本でただ一人の撥鏤作家である。吉田さんの父も工芸職人で、岡倉天心とも親交があり、正倉院宝物の復元にも携わった。そんな父の許で修行するが、わずか５、６年で出征。昭和２０年（１９４５）、父が残したわずかな資料と図面だけで撥鏤の復元に挑戦し始める。昭和６０年に人間国宝指定。吉田さんは、天平の浪漫を甦らせ後世に長く伝え続けるのが自分の務めだと語り、撥鏤にかける情熱は一向に衰えを見せない。