国東町櫛来地区の岩倉神社に伝わる「ケベス祭り」は、火を奪い合う、火の祭りである。ケベスという奇怪な面をつけた男が焚火に向かって突進し、火を守るトウバ（当番）と激しく揉み合う。ケベスは祝詞では「蹴火子」と書き、陸の国と海の国が出会って火を取り合う、あるいは南方系と北方系で火を争うなどさまざまな説があるが、確かなことは分かっていない。◆ケベス祭り〔大分県〕

京都しにせの呉服問屋一家と美しい姉妹の物語。祇園祭まぢかの夏の京都を舞台に人間の情熱情念を描くシリーズドラマ。（１１月２０日開始、全６回）◆陽子の自殺を心配した貴子、大介、学は渡月橋に急ぐ。陽子が飛び込もうとしたとき、学が自分が身代わりだと飛び込んでしまう。これをきっかけに２組の男女は元のさやに戻り、陽子は立ち直るきざしをみせるのだった。

「風が無ければ人間はおろか、動物や植物のすべてが存在できない」と語るライアル・ワトソン博士。風と生命体との関係を検証し、博士の言葉を証明していく。日豪国際共同制作ドキュメンタリー。（４回連続）◆第四部（最終回）。風が人に与える心理的影響、もし、地球に風がなかったら生命はどうなるのか、そして風の未来、地球の未来を考える。◆副音声は英語

著名人が自分の思い入れのある場所を尋ね、その人ならではの紹介をする旅番組。この回は詩人で作家のねじめ正一が、サンクトペテルブルクを旅する。◆ねじめ氏が心をひかれる一冊の露日辞典がある。それは鹿児島から船出してロシアに漂着し、１０歳から２１歳までの短い生涯を辞書作りに捧げた「ゴンザ」という若者が残した辞書である。ゴンザの辞書には、「良いこと」は「ヨカ」、「感謝」は「カタジケネコト」と、１万２千ものロシア語が薩摩ことばで記されている。

全国のユニークなミニ博物館の展示物を、わかりやすくおもしろく紹介しながら、博物館を生んだ「風土」「産業」「人物」などを交えて構成する。◆岩手県和賀郡沢内村にある「碧祥寺博物館」は、「マタギの博物館」ともいわれている。碧祥寺の住職が雪国の生活用具を集めはじめたのがきっかけで生まれたもので、収納品は、１万５０００点、その中の２０００点あまりが国の重要有形民俗文化財になっている。中でも珍しいのがマタギが使った道具で、たいへん貴重なものばかり。

太平洋戦争中、焼津港から多くの漁船が軍に徴用された。◆味方艦隊の先兵として、太平洋で消えていった多くの漁船と船員たちの悲劇を伝える。

瀬戸内海と日本海に挟まれた中国地方五県の自然と、そこに生息するさまざまな生き物の生態を伝える。◆今回は大山の春を紹介する。（後編）

脚本家で、直木賞作家の向田邦子が亡くなって１５年。親交のあった４人の女優が向田の代表的なエッセーを朗読し、かつて一緒に仕事をした３人の演出家が競作するシリーズ。ゆかりの地でのロケや、かかわりの深かった人たちへのインタビューも織り交ぜる。◆『岸本加世子が読む「鹿児島感傷旅行」』は、向田が小学生のころに暮らした鹿児島を舞台にして、深町幸男が演出する。