唯一の野生のトキの生息地である中国陜西省洋県を取材し、佐渡の現状と比較しながら人とトキの共存について考える。◆１９９９年、新潟県佐渡で１羽のトキのヒナ「優々」が誕生した。国際保護鳥であるトキ。日本初の人工繁殖の成功に全国が沸いた。かつては日本各地に生息していたトキだが、その羽の美しさから乱獲され、さらに農業の衰退や森林伐採などで自然が失われていくのにあわせて姿を消していった。昔のように再び佐渡の大空にトキが舞う日が来るのか。

時代の流れとともに消えようとしている、ふるさと島根・鳥取の素顔、自然、生活、文化、伝承行事などを、映像遺産として後世に伝えるシリーズ番組。◆主祭神がタコに助けられたという伝説から「蛸さん」と呼ばれる鳥取県溝口町の福岡神社。氏子たちはタコをあがめ、食べることはないという。１０月に行われる神事の締めくくりはその名も「蛸舞式」という。わらで作ったタコを持った氏子代表を胴上げして、タコに助けられて海を渡る祭神を表現したのち、渡し終えて喜んで舞うタコを表す「蛸回し」が行われる。回されるのは願い事のある男性で、かつては県外からも多くの参加があったという。（鳥取県溝口町）

日本列島を囲む海の一つ「オホーツク海」のロシア側沿岸を探る紀行ドキュメンタリー。◆そもそも「オホーツク」という言葉の由来は何か。素朴な疑問から発し、北海道の北側の対岸にあるロシアの漁村・オホーツク村へと分け入る。そこには江戸時代から日本と交流があったことを示す数々の資料が残され、日露の交流は現在も「カズノコ」の買い付けという形で続いていた。番組ではカズノコを始めとする水産物の貿易に関わる日露双方の人々の仕事ぶりや、シベリアの草原を旅する遊牧民の珍しい暮らしを紹介しながら、家族の絆と男たちの友情を描く。

江戸幕府最後の将軍となった徳川慶喜の、苦悩と葛藤の半生を描いた大河ドラマ「徳川慶喜」（１９９８年１月４日～１２月１３日、全４９回）の総集編。（２３日開始、全４回）◆周囲の声に推されて将軍の座に就いた慶喜は、長州征伐を中止して幕政改革に着手する。その折も折、慶喜を信頼していた孝明天皇が崩御。朝廷内での幕府の立場が悪化する中、薩摩や長州が討幕の策を巡らす。やがて薩長の武力討幕の動きを察知した慶喜は、大政奉還を決意する。王政復古の大号令のもと、慶喜の官位返上と徳川の領地献上が決まると、会津などの過激派が鳥羽・伏見の戦いを起こす。ついに朝敵の汚名を着た慶喜は江戸へ下り、旧幕臣に抵抗を禁じる。

湯河原のケアハウスを舞台に、そこで働く歩子と入居者たちの笑いと涙の毎日を描くハートフルコメディ。（１９９８年にＢＳで放送されたもの。全６回）◆純之介はつや子に直接プロポーズすることができず、正江は公園で練習した時の録音テープをつや子に渡した。つや子は純之介の気持ちを受け入れ、二人の結婚式は鶴亀ハウスで行われることになった。式の最中にハウスの主治医・相沢が秋田に転勤になることを知り、歩子は自分の相沢への思いに気付くが、彼にはすでに婚約者がいたのだった。落ち込む歩子のもとに、父・憲雄と義母・真知子がやって来る。

韓国の中部、河回（ハフェ）村の仮面劇は、８００年の歴史を持っている。村人は仮面を被ることにより神となり、時の支配層・両班（ヤンパン）や学者・僧侶を風刺し、笑い飛ばしてきた。この珍しい仮面劇の世界に“一人芝居”の中西和久が旅する。中西は踊りに挑戦するが、なかなかリズムに乗れない。特訓の末、独特の微笑みを浮かべるブネの仮面をつけてもらうと、身体が自然と踊り始める。一人芝居の中西と河回村人の交流を描く。ＪＮＮ九州・沖縄・山口ブロックネットＰＲＥＳＥＮＴＳ。アートネイチャースペシャル。

ふるさと石川は、自然の豊かさを持っている。その自然の個性的な素顔を見つめ直し次の世代に伝え残すべき自然遺産を取り上げた。この自然に関わる人たちとともに、「共生」や「共存」に繋がる道筋を考える。◆手取川の支流のひとつ、尾添川の上流部の雄谷は、ブナの原生林が広がり、動植物の楽園となっている。在来種の無斑イワナ、貴重種トミヨ、豊かな自然とその保護を訴える。

ピアニストの村松健さんが高崎から鎌倉までの鎌倉街道をたどる紀行番組。このシリーズでは上道・中道・下道のうち上道（かみつみち）約１４０ｋｍを歩く。テレビ埼玉開局２０周年記念企画。◆京都の嵐山に似ていることから名付けられた嵐山町。ここは、鎌倉街道上道を語る上で、大変重要な町である。高崎からここまでは、ほぼ南東に向かって進んできたが、嵐山町の中心・菅谷でほぼ南に方向を変えて鎌倉へ進む。都幾川と槻川の合流点を背にするように菅谷館跡がある。畠山重忠が築いた城と伝えられ、都幾川を南の守りとした戦国時代の城郭の構造がよくわかる。