１９８４年登録。◆グラナダはスペインの南部にあり、アフリカ大陸が近い。かつてスペインはイスラム教徒が支配したが、キリスト教徒が奪回。１３世紀半ばにはグラナダ王国を残すだけとなり、それも１５世紀末には陥落した。◆アルハンブラはイスラム教徒の要塞として建てられたが、のちに王宮になる。谷を挟んで隣接するヘネラリーフェ離宮は避暑用である。アルバイシン地区はイスラム様式の建物が残る旧市街である。アンダルシア地方の特色を形成するそれらを詳細に見る。

年始にちなみ、「新春を寿ぐ万葉の世界」を３回にわたって送る。歌の舞台と景観を、犬養孝さん独特の節回しと語りで紹介。１回目の歌は「新しき　年のはじめの初春の　今日降る雪の　いや重け吉事」（大伴家持）など。

建築史家の三宅理一が山梨県忍野村に松田百合子を訪ねる。◆松田さんの陶房で磁器のズッキーニの形成が進む。身のまわりの野草、花、富士山までも作品にし、九谷焼の青、黄、緑、紫、赤、黒と金の七色で明るく彩る。子供のころは、シンデレラより魔法使いのおばあさんに惹かれた。◆茶室には陶製の齧りかけの西瓜の一輪挿しがあり、食卓には紙ナプキンまで金襴手のやきものが並ぶ。毒気のある、音でいえば濁音を表現したい、そして驚きや笑顔が見られればそれが求めるものという。

群馬県六合村の人々は、山の恵みで生活している。山の神である「十二様」を敬い感謝する山村の生活と信仰の記録である。昭和３０年代まで、この地区の人々はコネバチやメンパ（弁当箱）などの木工品造りで生活を支えてきた。「山に入ってしまうと一人きりで頼るものがない。結局、神を信じるほかない」と言う木工職人の関さんの話には説得力がある。ここにはどんなことでも十二様と切り離せない暮らしがある。

日本に現在生息する約５５０種の野鳥のうち、大空を飛翔する姿の美しい鳥たち、澄んださえずりを谷間に響かせる鳥たち１００種の、特色豊かな生態を四季折々の美しい日本の原風景の中につづる。◆この回は、神奈川県照ヶ崎海岸でアオバトの生態を紹介する。

脚本家で、直木賞作家の向田邦子が亡くなって１５年。親交のあった４人の女優が向田の代表的なエッセーを朗読し、かつて一緒に仕事をした３人の演出家が競作するシリーズ。ゆかりの地でのロケや、かかわりの深かった人たちへのインタビューも織り交ぜる。◆大山勝美が演出する『渡辺美佐子が読む「手袋をさがす」』は、向田と渡辺の母校である実践女子大学を主な舞台とする。

作家・畑山博さんが、宮澤賢治の名作「銀河鉄道の夜」がどのような思いで書かれたのかを推理で描き出す。宮澤賢治が最愛の妹の死という悲嘆のどん底で書いたと言われている「銀河鉄道の夜」に、賢治は何を託したかったのか。賢治がこの作品を書く前に訪れたという樺太を、賢治への手紙を携えた畑山さんが旅する。

明治の女流作家・樋口一葉が２４歳の若さでこの世を去ってから、１９９６年で１００年。その節目にさまざまな角度から一葉文学の世界を紹介する。女優・幸田弘子による「たけくらべ」の朗読と、各界の女性が一葉への想いを語るコーナーで構成。◆この回は「テレビ文学館　たけくらべ」の第２回に続いて、「わたしと樋口一葉」で女優の波乃久里子に話を聞く。