偉人、有名人、人知れずに大事を成し遂げた人など、福島にゆかりある人物の足跡をたどり、その人の業績と人柄を描くシリーズ。◆この回は、戦時体制下、拿捕した人々が抑留されていた、福島市のノートルダム修道会福島修道院での人間味あふれる話をつづる。１９４２年（昭和１７）インド洋上でイギリスの客船をドイツ海軍が攻撃。拿捕された民間人１４０人が、ドイツ船に収容され横浜港に入港した。日本の内務省は、福島県福島市の花園町にあるノートルダム修道会福島修道院を彼らの抑留先としたが、公式な発表は一切なされず、終戦の後に抑留されていた外国人が帰途についたこともあきらかにはされなかった。３年３か月にわたる抑留生活はどのようなものだったのか。

”森羅万象の生命の輝き”を美しい映像詩で綴るドキュメンタリー番組。「大いなる赤道」シリーズは、生命の力がみなぎる地球の根源である赤道地域に暮らすものたちと、そこを環境破壊へと導く現代の影を追う。◆第２回は赤道アフリカ編。生命・鼓動・大地をテーマに、アフリカのビートに秘められている生命力を追求する。タンザニアの草原にある、太古の原人の親子が歩いた足跡。それはスキップをしているといわれている。太古から人はリズムを持っていたのだ。宇宙の神と一体化しようとする砂漠地帯のドゴン族の踊りや、命の根源から湧き出てくるリズムで森への感謝を表すジャングル地帯のピグミー族の踊りを紹介する。　

美術の世界でバウハウスという言葉はよく出会うが、内容を知らない人が多いことを、今回はわからせてくれる。それは、１９１９年にドイツのワイマールに建てられ、２６年にデッサウに移った学校の名だ。芸術家養成のための美術学校と、専門技術を教える職業学校というふたつの役割の統合が目指され、実用性と機能性を重視した家具や、風変わりな舞台美術を生んで、近代建築とデザインの源流となった。◆初の日本人生徒、山脇巌・道子夫妻も登場する。

自然の中で子どもたちの創造性を育てる幼稚園長の教育実践を伝える。◆横浜市にあるこの幼稚園は、畑や田んぼを持ち、そこで子どもたちが毎日泥だらけになっていることから、地元では「ドロンコ幼稚園」と呼ばれている。３０年前にこの幼稚園を作ったのは、今も園長を務める木都老（きどころ）誠一さん。木都老園長の教育方針で、子どもたちはヤギ・ニワトリ・ウサギなどの動物の世話をし、泥だらけで畑仕事を手伝っている。もう一つの教育方針は「親も一緒に育てる」こと。園舎の一部屋を開放した母親教室で毎日のように父母会を開き、子育ての相談に乗っている。

イタリア中部、ナポリに近いポンペイは、紀元７９年、ヴェスヴィオ火山の大噴火に埋まった。１８世紀に始まった発掘で、古代ローマの生活が出現した。宗教、政治、経済の中心となったフォロ、アポロ神殿、円形闘技場、商店街、高級住宅、ディオニュソス信仰の秘儀の館などが発掘され、空洞に石膏を流し込んで犠牲者の像が再現された。◆リゾート地だったエル・コラーノも、ポンペイと共に死の町と化した。ノチューラ門の外の共同墓地には、噴火も知らずに眠り続ける人たちがいる。◆ポンペイ、エルコラーノおよびトッレ・アヌンツィアータの遺跡

ネパール王国辺境の地・ムスタンは、雨がめったに降らない乾燥地帯で自然条件が非常に厳しい土地。ここで農業指導や学校建設などのボランティア活動を行っている、新潟県出身の近藤氏（当時７９歳）を追ったヒューマンドキュメントシリーズ。◆１９９６年。ネパールの秘境ムスタンにたった一人で移住してボランティア活動を行っている近藤氏は、「厳しい自然の中で生きる農民にお腹いっぱい白いご飯を食べさせてあげたい」との思いから、米作りへの挑戦を始める。しかし、ヒマラヤの寒さに勝てず、米作りは失敗に終わる。そして１９９８年。米作りが成功したとの知らせを受け急遽現地を訪れると、標高２８００メートルのヒマラヤ山麓に日本の稲穂がゆれていた。現地の村人たちは稲刈りを初体験する。稲にビニールをかけ、日本の冷害地帯の稲作技術である深水管理など、近藤氏は独自の技術を用いてムスタンでの稲作に初めて成功した。挑戦から４年目のことだった。

荒木又右衛門の仇討を素材にした作品、「伊賀越道中双六沼津の段」を鑑賞する。竹本住大夫に語りの勘どころを聞く。東海道の宿場を舞台に展開していく構成の面白さに加え、双六なので‘上がり’もあるという変化に富んだ物語である。人間の愛情がよく描かれた「沼津」は、冒頭の太夫の節の面白さ、平作と十兵衛の語り分けなど見どころが多い。竹本住大夫さんは「どの人にどんな情をこめるか、それぞれの演者で異なる面白さがある」という。◆「伊賀越道中双六」沼津の段。吉田玉男（人間国宝）、吉田作十郎、吉田簑助（人間国宝）、浄瑠璃：竹本住大夫（人間国宝）、三味線：鶴澤燕三、鶴澤燕二郎。◆副音声は英語

狂言「花子」は恐妻家の浮気をコミカルに描いた狂言で、「花子」とは花のように美しい女性のことである。「花子」の趣向の中心となるのは、シテの謠う小歌である。この狂言の台本が出来上がった江戸時代は小歌が大流行していて、流行に敏感な狂言が小歌を取り入れ、それを見せ場とする構想を作り上げたのである。狂言は流派によって演出が変わるので、それぞれの役の性格も若干異なることがある。◆狂言『花子』（和泉流）（大蔵流）／野村万作、茂山千作（人間国宝）、野村万蔵（人間国宝）、茂山千之丞、山本則直、野村又三郎。◆副音声は英語