謡曲をもとにしたラジオのための叙事詩。親が老いると姨捨（おばすて）山に捨て口べらしをして嫁をもらうという風習“姥捨”を題材に、単なる残酷物語ではなく、能狂言の形式をとって喜劇性を盛り込んで描く。作：寺山修司、音楽：杵屋正邦、謡曲：観世栄夫。出演：山本安英、北林谷栄、金内吉男ほか。

新潟大地震翌日の緊急放送の同時録音（１９６４年６月１７日１３時から４０分）。ヘリコプターからの中継や無線中継車などによる多元生放送で、新潟の被害状況をレポートする。◆マグニチュード７．５の大地震によって鉄道・道路は寸断され、石油タンクが爆発・炎上する中で津波が襲った。新潟放送も本社社屋が被害を受け、送信所からの放送、さらには県庁から直接緊急放送を続けた。

新聞連載漫画のドラマ化。１９５７年（昭和３２）から６６年まで、三千回以上も続いた。原作：岡部冬彦、音楽：平井哲三郎。この回の脚本は佐々木恵美子。出演：柳沢真一、太宰久雄ほか。語り：早野寿郎。

津軽地方で昔から幻の鳥とされている「ウトウ」に託して、津軽弁の独特のリズムで小作人と主家の娘の悲恋をうたいあげる詩劇。作：鎌田忠良。出演：長内美那子、小野大五郎、工藤勉。

長崎の浦上平和公園で“戦争の傷痕”を売っている老婆「ババ」と、ひとりの少年「ジョウジ」との交流を描くドラマ。作：宮本研、音楽：横山菁児。出演：北林谷栄、宇野重吉、滝沢修ほか。

農村向けの情報番組。全国の農事放送通信員のネットワークを活かした各地の情報、農民体操、音楽で構成する。

１９３２年のロス五輪・馬術障害飛越で優勝、のち硫黄島で戦死した西大佐の物語。競技に臨む心理や戦争への思いを回想形式で描く。原作：城山三郎「硫黄島に死す」。脚本：蓬来泰三、音楽：南安雄。出演：滝田裕介、土佐林みち子、岩田直二ほか。

１９６３年の三池鉱山の炭じん爆発による、一酸化炭素中毒の後遺症に苦しむ一人の鉱夫の闘病生活を追う。