無間地獄に落ちた男を想い、鼓を打つ女。男はその音にさいなまれるが、男の吹く笛の音を聞きたいと願う女は鼓を打ち続ける。作：木原孝一、音楽：堅田喜三久社中。出演：山岡久乃、滝田裕介、賀原夏子、久米明、語り手：観世栄夫。笛：福原百之助、鼓：堅田喜三久、望月長作。

江戸時代から長崎に伝わる明清楽「九連環」、現代の「長崎月琴節」を紹介しながら、郷土の音楽にまつわる話題を展開する。

目の不自由な人は、手を目の替わりにして触って物を見る。ある子供はそれを「目から手が出る」と表現した。目の不自由な子供たちが現実の物を理解し、把握する過程を彼らの発言を通して描く。語り手は長野県立盲学校教諭の関幸代さん。

バレーボールに打ちこむ女子高校生と、それに反対するおばあさん。同じ京都の女性でも、世代が違うと考え方もまるで違う。２人の心の交流を描く。

狂言の歴史、流派、関東と関西での違い、関西狂言の現状などを、太郎冠者の身の上話の形で紹介、解説する。出演：茂山千五郎、茂山七五三、茂山千之丞ほか。

ホルモン異常のために過食症に陥り、豚のように肥満した団地住まいの妻とその一家がたどる悲喜劇を描く。作：八木柊一郎、音楽：山本直純。出演：小沢昭一、初井言栄ほか。

東北大学の講師として赴任した英国人の目を通して東北の四季の風物を描き、外国人から見た日本人の精神構造を浮きぼりにする。作：ジェームズ・カーカップ、佐々木逸郎、音楽：広瀬量平。出演：芥川比呂志、村上冬樹、長岡輝子ほか。

三重県桑名市に市立病院が建設されることになり、行政と地元医師会が激しく対立した。双方の主張から医療行政の矛盾を考える。