１９６４年正月の放送用に収録した音楽バラエティーショー。◆畠山みどりが恩師の家に年始の挨拶にうかがい、話の輪を広げる。出演：市川昭介、花柳啓之。

謡曲をもとにしたラジオのための叙事詩。親が老いると姨捨（おばすて）山に捨て口べらしをして嫁をもらうという風習“姥捨”を題材に、単なる残酷物語ではなく、能狂言の形式をとって喜劇性を盛り込んで描く。作：寺山修司、音楽：杵屋正邦、謡曲：観世栄夫。出演：山本安英、北林谷栄、金内吉男ほか。

１９３２年のロス五輪・馬術障害飛越で優勝、のち硫黄島で戦死した西大佐の物語。競技に臨む心理や戦争への思いを回想形式で描く。原作：城山三郎「硫黄島に死す」。脚本：蓬来泰三、音楽：南安雄。出演：滝田裕介、土佐林みち子、岩田直二ほか。

脳性マヒの障害を持つ男女が周囲の反対を押しきって結婚。自分たちが果たせなかった夢を託す子供をもちたいと願う。

１９６４年７月１６日、富山県氷見市胡桃地区の８７世帯４００人は、地滑りによって先祖代々受け継いできた土地や財産を一瞬にして失った。被災者の故郷への想い、生活に対する不安を伝える。

戦場で愛馬を失ったショックで記憶をなくした男が、故郷の牧場に帰り、愛馬の幻を追う中で見た出来事をファンタジックに描く。原作：庄野英二、脚本：水尾比呂志、音楽：山本直純。出演：名古屋章、岸田今日子、市原悦子ほか。第１１回オンダス賞ラジオテレビ番組国際コンクール・ミュージカル部門最優秀賞。

長崎の浦上平和公園で“戦争の傷痕”を売っている老婆「ババ」と、ひとりの少年「ジョウジ」との交流を描くドラマ。作：宮本研、音楽：横山菁児。出演：北林谷栄、宇野重吉、滝沢修ほか。

新潟大地震翌日の緊急放送の同時録音（１９６４年６月１７日１３時から４０分）。ヘリコプターからの中継や無線中継車などによる多元生放送で、新潟の被害状況をレポートする。◆マグニチュード７．５の大地震によって鉄道・道路は寸断され、石油タンクが爆発・炎上する中で津波が襲った。新潟放送も本社社屋が被害を受け、送信所からの放送、さらには県庁から直接緊急放送を続けた。