宮崎県の最南端、都井岬は野生馬とソテツの自生地で知られる。地元に伝わる大蛇退治の故事にならって９月中旬に行われる「都井の火祭り」を紹介する。

山口県萩市の白魚漁を紹介する。漁は、長さ５ｍ、幅４ｍの網の四隅を十文字に組んだ竹に結んで川底に沈め時を見計らって引き上げるという長閑なもので、春の訪れを告げる風物詩である。

香川県高松市に古くから伝わる張り子人形・ほうこうさんを長年作り続けている宮内ふささん（９３歳）が、そのいわれと人形作りについて語る。

富山県東砺波郡井波町は、井波彫刻といわれる欄間作りで知られているが、最近では新しい感覚を持った木彫作家も輩出している。伝統の中に新しい風が吹き始めた木彫りの町の姿を紹介する。

宮城県北部に古くから伝わる南部神楽を、全校でクラブ活動として行っている高校がある。全校生徒４２人が南部神楽に取り組む様子を伝える。

終戦直後、中国東北部・旧満州の陸軍病院で作曲家の志鶴知親さんが中心となり、多くの歌がつくられた。この病院で敗戦後の厳しい抑留生活を強いられた人たちは、その歌をうたって生きる力を維持したという。しかし歌の楽譜は帰国の途中で失われ、志鶴さんもすべての曲は記憶していない。３０数年を経て、病院にいた一人の男性が歌の再現に取り組む。よみがえる歌を通じて、戦争の意味を考える。

輪中は村落の周囲を堤防で囲んだ水防共同体である。作家・岸宏子さんが岐阜県南部の輪中地帯を訪ね、水防のあり方を考える。

宮城県伊具郡丸森町大内は伊達藩時代からの養蚕どころ。今も県内の繭の約３割を生産する。昔、丸森の女たちは屑繭で自家用の織物を作ったが、今やその技術を伝える人も少なくなった。