昭和２９年に魚の行商をする女性たちを取材したディレクターが、２０年後に偶然その中の一人と再会した。その驚きと喜びに触発され新たに番組化。

桂小文枝（五代目桂文枝）による落語「貧乏花見」。◆仕事にあぶれた長屋の住人たちが花見に出かける。お酒でなくお茶けで盛り上がった後になれ合いの喧嘩を始め、騒ぎに巻き込まれるのを恐れて逃げ出した人々の料理を取って来て本物の酒盛りを始める。

蒸気機関車の引退を時代の転換期の象徴的な出来事としてとらえ、ＳＬの音を主役に新しく訪れる時代への予感を描く。ステレオドラマ。作：宮本研、音楽：広瀬量平。出演：森塚敏、左時枝、朝比奈尚行ほか。

桂福団治による落語「寿命」。◆水売りを家業にしている男が知人の病気を機会に仕事をやめ、寿命探しを始める。手始めに近所を探し回るが見つからない。その後信州の山奥で見かけたといううわさを耳にして旅に出る。

桂小文枝（五代目桂文枝）による落語「蛸芝居」。◆主人から奉公人まで残らず芝居好きという船場の大店に、これまた芝居好きの魚屋が魚を売りに来る。皆の芝居気取りのやり取りを聞いた蛸が食われてたまるかと、これも芝居気取りで逃げ出す。

桂米朝（三代目）のインタビューと落語「宿屋仇」。◆同宿した河岸の若い者が飲んで騒いだ末、情事の行きがかりから人を殺したと得意げに話している。それを聞いた侍、懲らしめてやろうと敵相手だと名乗る。でまかせを話していた男は驚くがもう手遅れ。

明治維新以降の日本の近代化は、本当に庶民の幸福をもたらしたのか。明治・大正・昭和にわたる女床屋の泣き笑い人生を講談調の語りで描く。作：能勢紘也。出演：白石加代子。細三味線：今藤和歌治郎、太三味線：鶴沢清治、打楽器：藤舎呂悦。

桂春蝶による解説と落語「がまの油」。◆血止めのがまの油を売る男、商売が一段落して一杯やった。もう一儲けと、ろれつのまわらない口上とともに刀を取り出したが手元が狂い腕を切りすぎてしまう。がまの油をぬるが血が止まらずに大騒ぎ。