大分県本匠村の聖嶽（ひじりだき）洞穴遺跡調査の代表であった大学教授が自殺した。その原因は教授が調査した聖嶽洞穴が「ねつ造遺跡である」と報じた週刊誌の記事に抗議するというものだった。４０年前の聖嶽洞穴調査を再現、関係者へのインタビューで教授の足跡をたどりながら、報道のあり方を考える。

毎年春に熊本県天草郡大矢野町でひらかれる「天草パールラインマラソン」は、耳鼻咽喉科の医師・加地正隆氏の「帰ってこいよ！」の呼びかけでスタートする。タイムを競うのではなく、「おそいあなたが主役です」という健康マラソン大会なのである。３０回の節目を迎えたパールマラソンの模様、市民ランナーたちの声を交え、日本の健康マラソン提唱者・加地氏の人生と夢を伝える。

名古屋駅前の再開発の余波を受けて、「盲導犬サーブ像」は歩道橋の階段下に隠れてしまった。盲導犬・サーブ号は暴走車から主人を守って事故にあい、左足を失った雌のシェパード犬。名古屋駅前のブロンズ像は、その勇気ある行動に対して集まった寄付金で建てられ、多くの人々に親しまれてきた。隠れてしまったサーブ像の移設問題を通じて、視覚障害者の社会生活の現状や問題点を探り、「私達にできることは何か」を考える。

平日夕方の情報生ワイド番組。“特急電車のようなニュース情報番組ではなく、納得できるまで各駅停車で”が制作コンセプト。その時動いているニュースをベースに日替わりテーマを設定し、それに沿ったゲストを招いて“いまリスナーが知りたいこと”をじっくりと扱う「スパイス特集」コーナーが番組の核。パーソナリティはリピート山中と魚住由紀。◆この日のスパイス特集のテーマは『亡命相次ぐ北朝鮮難民問題』。瀋陽の日本領事館に駆けこんだ難民家族が韓国に到着したニュースを受けて、北朝鮮（朝鮮民主主義人民共和国）難民問題について長期に取材しているジャーナリスト石丸次郎氏をゲストに迎え、事件が起きた背景などについて詳しく話を聞く。◆「スパイス広場」では特集テーマへのリスナーからの質問を紹介。他に小野陶子アナウンサーによる中継や「教えてドクター相談室」「人権レーダー」「ラジオイミダス」のコーナーなど。

文化放送が開局した当日の１９５２（昭和２７）年３月３１日から放送され大好評を博した、谷崎潤一郎の現代語訳による「源氏物語」。当時の貴重な録音から「桐壺」「若紫」「明石」の一部を紹介しながら、朗読：山本安英、作曲演奏：宮城道雄という当代の第一人者同士の番組制作にかける情熱とその芸を、当時を知る人たちの証言で検証する。文化放送開局５０周年スペシャル企画。

２００１年５月、国立山形大学工学部で入学試験の合否判定ミスがあったことが発覚した。過去５年間にわたって間違った判定を続け、４２８人の受験生を誤って不合格にしていたのである。番組では、大学と国がどのような償い方を示すのかという補償問題に焦点をあて、被害を受けた受験生の声を通して責任を追及していく。

ドラマ仕立ての語りや朗読を挿入しながら、対談形式で俳聖・松尾芭蕉の謎を探る番組。出演は作家の岸宏子、ゲストは三重県知事の北川正恭、特別出演・天野鎮雄、山田昌、司会は松原敬生。◆芭蕉は三重県上野市出身。生い立ちや俳諧との出会いなど前半生をたどりながら、２３才から空白の６年の謎にまず注目。芭蕉忍者説、錬金術、処世術、女性関係などへ話はふくらむ。そして漂白の詩人、永遠の旅人としての最後へとたどり、謎に満ちた芭蕉の生き方、その魅力を総括する。

あるマンガを取り上げ、そのストーリーや作者・作風について、漫画家・島本和彦が熱っぽく紹介する番組。（２００１年１０月６日放送開始）。◆この回は本宮ひろしのデビュー作「男一匹ガキ大将」を取り上げる一回目。“ケンカ漫画”なのに最初の１巻で殴り合いに飽きてしまい、新しいことを求めて展開するところは作家の生の気持ちの反映だという。