高校生がニワトリを卵の頃から育てて、最後は生徒自らがさばいて食べるという「生命の授業」。福岡県の高校教諭・高尾忠男先生が「命の尊さを学んでほしい」と企画したその授業をとりあげる。◆ニワトリの成長とともに生徒たちの心の葛藤はふくらんでいき、「命を学ぶためにニワトリを殺すのは矛盾している」と訴える。そんな生徒たちの反発を高尾先生は真正面から受け止める。そして、最後の授業で「命の大切さ」を語りかける。

長野県佐久市に住むシンガーソングライター土屋竜一さん。進行性筋ジストロフィーと闘いながら音楽活動を行っている。３年前に気管切開の手術を受け、唄うことを断念、人工呼吸器が必要となった。◆番組では、竜一さんと妻美和さんとの出会い、結婚、愛娘の誕生などの思い出話から、現在の生活についてが語られる。夫妻を支える人々へのインタビューと竜一さんの曲を交えて構成する。

敗戦で大日本帝国は崩壊し人々の生活も一変した。戦争体験を振り返り平和への思いを語るシリーズ。「ラジオ深夜便」内での放送。◆作家の野坂昭如さんは１４歳のとき、空襲で養父母を失う。１歳４か月だった妹は間もなく餓死。野坂さんは戦争体験をつづった『火垂るの墓』などを著し、平和を訴えてきた。聞き手は宮崎哲弥氏。

戦後の日本文学において、無視できない影響力を持つまでになったＳＦ。アメリカＳＦの受容から現在まで、その歴史を振り返る。また、ＳＦの意味するものが科学小説（サイエンス・フィクション）から思索小説（スペキュラティブ・フィクション）へと変化してきた論争を通して、日本ＳＦの特質を考える。講師は慶応義塾大学の巽孝之教授。（全３回）◆第１回は、英米ＳＦの歴史を確認した上で、１９５０年代にどのようにしてＳＦが日本に受容されたかを見ると共に、１９９０年代までの流れを世代別に代表的な作家名を挙げて概観する。

１９３３（昭和８）年７月、富士裾野で歩兵第一連隊と第四十九連隊による遭遇戦の演習が行われた。中国大陸での戦闘を予想しての耐熱・渇水訓練で、兵士たちは水を飲むことを禁止されていたというこの訓練は、熱射病で８人の死亡者を出す大惨事となった。しかし地元・御殿場では暗黙のかん口令がしかれ、ほとんど語り継がれてこなかったのである。関係者の証言から悲劇の全貌や時代背景を探るとともに、平和について考える。第４１回前島賞奨励賞受賞。

平日午後４時からの生番組「ＦｏｒＰＭ」内コーナーの特別企画。番組では平和への願いを託して森山良子『さとうきび畑』をオンエアー、リスナーからの平和へのメッセージを紹介してきた。この日は、本土復帰３０周年の節目の年、沖縄慰霊の日を前にして、ひとりの戦争経験者のリアルな証言とその思いをつたえる。

これまでミトコンドリアは、エネルギーの代謝に関係していることのみが強調されてきたが、もっと多面的な役割を持つことがわかってきた。最近の研究成果をふまえ、病気と健康、老化などとの関連をわかりやすく解説する。講師は日本医科大学の太田成男教授。（全２回）◆第２回は、ミトコンドリアが細胞の生死を決定していることに着目し、ミトコンドリアが原因の病気、アポトーシスと関連の深い癌とエイズ、ミトコンドリアとアルコール代謝や老化との関係について考える。

少子化が進んでいるにもかかわらず、小児科救急の数は急激に減少しており、一病院あたりの患者数は増え続けている。現場の医師たち、小児を抱える親、行政担当者にインタビューして、小児科医療の問題点を多面的に捉え、小児科救急が減少している本当の理由を探り、これからの小児科救急がどうあるべきかを考える。出演は自らも子育て中のタレント・堀ちえみ。