京都市中京区で雅楽器制作修理の国文化財選定保存技術保持者として活躍する山田全一さんが、大事に保存している雅楽器がある。鎌倉時代の信貴山の僧・頼尊作の「笙」である。◆番組では、名工と呼ばれた頼尊という人物と頼尊作の笙が今に残る歴史的な意義について紹介し、現代の笙と鎌倉時代の笙の音色との微妙な違いを比較する。そして頼尊が笙を作り上げたであろう信貴山の本堂で、山田さん親子による「献笙（けんしょう）＝笙の音色を献上する」を行い、頼尊が笙に託した想い、今の時代へのメッセージを８００年の時代を超えて伝える。

精神医療サバイバー・保健福祉コンシューマーの広田和子さんがパーソナリティをつとめるレギュラー番組（２００２年７月１４日放送開始）。広田さんは医療過誤の後遺障害があり、当事者としてよりよい精神科医療を訴える活動をしている。◆この回は、全国精神障害者家族会連合会の運営する授産施設「ハートピアきつれがわ」を現地取材する。関係者や近隣住民に施設についてインタビューするとともに、そこで働く人たちや職業訓練卒業生に話を聞く。◆「ハートピアきつれがわ」は地元の人々に愛されている温泉施設で、日常的に多くの人々が集まる。地元に溶け込みながら精神障害者が社会へ復帰できる施設の中と外を、広田さんの目線で紹介する。

平岩正樹医師は積極的な抗がん剤治療で知られている。また早くから１００％「がん」告知を始めたことで有名だ。それまではいかに「がん」であるかを隠すかが医者の仕事だったそうだ。そのためにまともな抗がん剤治療は出来ず、抗がん剤のニーズ自体がなかった。しかしがん告知が普及するに従って、行き場のない「がん難民」だとわかって声を上げる患者が増えはじめた。手術だけでなく、十分な抗がん剤治療を受けたいという声が広がりはじめたばかりだ。◆平岩医師は、医療情報をわかりやすい形で患者に伝え、よりよい医療を受けるためのセカンドオピニオンの役割を果たす「がん相談室」を設けた。月島サマリア病院の協力を得て１９９５年から週一度行われている。一週間に５組しか受け入れることが出来ないが、予約の電話は何百本と鳴り続ける。さらに多くの患者用にインターネットでも相談できる「がんのＷＥＢ相談室」も始めた。「はぐれ医師」「現代のブラックジャック」と呼ばれる平岩医師が、「がん相談室」から矛盾と欺瞞を告発する。「変えなくては　変わらなくては　がん治療」のシリーズ第２作。

「第五福竜丸」の前身「第七事代丸」は１９４７年に和歌山県の南端・古座町で建造された。船大工の一人は「縁起のよい船だった」と言い、後に被爆して東京・夢の島に放置されていた船を見た時には「涙が出た」と振り返る。古座町の加藤国司町長は「広島や長崎と違って小さな町・古座だからこそ平和への取り組みを続けなくてはいけない」と話す。◆第五福竜丸が太平洋でアメリカの水爆実験の「死の灰」を浴びて５０年。番組では第五福竜丸の関係者へのインタビューなどを通じて、被爆船建造の地から平和への願いを訴える。

時事性・話題性に富んだテーマを取り上げ、それに応じたゲストをスタジオに招いて送る平日午後の生番組。パーソナリティは桂こごろうと益子なお美。（２００３年３月３１日～２００４年７月２日放送）。◆この日は特集「長寿企業シリーズ」。兵庫県姫路市にある「鉄の明珍本舗」８５０年の歴史を紹介する。明珍家は、源氏と平家が台頭しつつある時代、近衛天皇が大和の明珍宗次に鎧や馬具を造らせたことから始まり、代々甲冑師（かっちゅうし）として続いてきた。創業以来８５０年、日本最古のはがね製造業・明珍本舗の第５２代当主である明珍宗理さんに企業永続の法則を聞く。

上野眞樹さんは、２年間在籍した広島交響楽団のコンサートマスターの任期を終えて、２００４年春に退団した。いまは広島県内を駆け回り、企業の会議室や音楽喫茶の片隅、老人施設のロビーなど、あらゆる場所をコンサート会場へと早変わりさせている。◆上野さんの願いは平和の楽器・バイオリンで聞く人の心を愛で満たすこと。ドイツのオーケストラのコンサートマスター時代に、師と仰ぐ名のバイオリニスト、ユーディ・メニューインと出会ったことがきっかけとなった。「音楽を通して平和な世界を築いていかなければならない。音楽家は『平和の戦士』なのです」という彼の言葉に感銘したという。一方で、知り合った紛争当事国・地域出身の仲間たちが、それぞれの国で憎しみの渦に巻き込まれていくのも目にしてきた。◆こうした経験から、上野さんはチャリティーコンサートなど平和に向けてのさまざまな活動に取り組んでいる。番組では、上野さんの地道な取り組みを美しいバイオリンの響きを交えて伝える。

音楽ＣＤランキング、ウィークリーのトップ２０を発表する番組。トップ１０と初登場曲は全てフルコーラスでオンエアー。ＭＣは石田伸浩と吉見真紀子。（１９８２年１月２２日放送開始）。◆この日の企画コーナーでは、リスナーお薦め曲として１９「あの紙ヒコーキくもり空わって」を、またフューチャーヒッツとしてｅｉｃｏとａ．ｍｉａの新曲を紹介する。「君にＢＵＭＰ」でニューエントリーのケツメイシもコメントを寄せる。

文化放送と雑誌「広告批評」が共同開催している「ラジオＣＭコピー大会」の２０周年記念番組。大会は一般公募で毎回２万通もの作品応募があり、数多くの秀作・話題作を輩出してきた。◆番組では大会審査委員長・天野祐吉氏による「ラジオＣＭコピー大会概論」を挿みながら、「歴代グランプリ紹介」、審査員が作る「コピー大会のコピー」、「緊急追跡・賞金の行方を追え！」、声優座談会「プレイバック２０年！私が演じたあの人この人」などで大会の歴史を降り返り、ラジオＣＭの価値を再評価する。司会は吉田照美と小俣雅子。