三重県に住む男性の妻は出産後に病院のミスで心肺停止になり、２年後に亡くなった。この病院では過去３年間に３件の出産トラブルがあり、その時点で２件の訴訟が起こされていたが、男性はその事実を知らなかった。◆医療ミスを繰り返す“リピーター医師”の可能性がある…２００３年、男性はこの医師と、医師を放置したとして国を相手取り、提訴。その後「リピーター医師をなくす会」を立ち上げた。医療裁判に多く関わった弁護士は「リピーター医師が生まれるのは、ミスが周囲に分からない、罰せられない、反省や再教育の機会がないから」と訴える。◆提訴から３年、国の様々な取組が始ったばかりの中、「誰もが自分の問題として考えられる問題」として、男性は信念を持って活動を続けている。

戦時中の昭和１８年頃に制作されたＳＰレコード１２枚組セット「大東亜戦史」が長野県で見つかった。それは戦意高揚を目的に国家・軍部が作り上げたものであった。その貴重な音源を紹介しながら大東亜戦争の歴史を辿り、平和を願うインタビューなどを交えて、情報統制の怖さを訴える。◆アノンシスト賞「ラジオ読み・ナレーション部門」優秀賞（飯塚敏文アナウンサー）。

青森県民にとって念願の青森県立美術館が２００６年７月に開館する。最大の目玉は、マルク・シャガールによるバレエ「アレコ」の背景画３点である。これは全４幕中の３幕分で、開館記念に残りの１点もフィラデルフィア美術館から借り受け、世界初の全幕展示を行う。シャガールはユダヤ人で、アメリカ亡命時代にこの「アレコ」の背景画を手がけた。また、ユダヤ教の中でも神へのコンタクトの手段として音楽を重視したハシディズム派の信者で、子供の頃からクレズマー音楽（東欧ユダヤ人の民族音楽）と親しみ、画家としても音楽を主題に多くの作品を手がけた。シャガールと切っても切れない音楽を紹介しながら、彼の人物像の一端を明らかにしていく。解説は青森県立美術館学芸員の池田亨氏、シャガール研究家でクレズマー音楽奏者の樋上千寿氏。

長年番組を通してサポートしてきた鈴鹿８時間耐久ロードレースのスペシャルチーム「Ｆ．Ｃ．Ｃ．ＴＳＲ　ＺＩＰ・ＦＭ　ＲＡＣＩＮＧ　ＴＥＡＭ」が、２００６年、念願の優勝を達成した。その模様と、１９９０年の参戦以来情熱を傾けてきたＴＳＲの軌跡を追う。◆バイクメーカーであるヤマハ、ホンダ、スズキなどの豊富な資金力を持ついわゆる「ワークス」勢と、バイクショップなどを主とした「プライベーター」との熾烈な戦いは、８耐の魅力のひとつ。ワークス勢優位と言われる中、見事に初優勝を飾ったプライベーターの代表格ＴＳＲを率いる監督と、その熱意に共感するレーサーやチームスタッフ、ＺＩＰ・ＦＭのナビゲーターらのインタビューを通して、ファンを魅了し続ける８耐の魅力とは何かを探る。

沖縄の民謡を紹介して４５周年を迎えた長寿番組。一週間に渡って沖縄各地を回り、公開生放送と録音を行った。◆最終日のこの日は、那覇市のＲＢＣホールから３時間にわたる生放送。ゲストのトークとともに、「かぎやで風」「女三人花じゃかい」「まふぇーらつぃ節～とーすぃ」「トーガニあやぐ」などの曲を楽しむ。パーソナリティは４０年余りこの番組を担当している上原直彦と、末吉りえ。ゲストは宮良康正、国吉源次、津波恒徳、山里ユキ、金城恵子、饒辺勝子、山本藍、崎間麗進、八木政男、名嘉睦稔、宮里千里、高安六郎

ダメ犬ジョンが、生まれながらの弱気の虫と闘いながら、自分で道を切り開こうとする姿をコミカルに描く。◆ジョンは小さくて痩せっぽちの野良犬。名付け親もわからない。２度も人間に捨てられ、強い相手や困難には尻尾を巻いて逃げてばかりの負け犬生活。そんなジョンが、ペットショップのウィンドー越しに出会ったかわいい小犬ジュリアンに恋をした。そして毎日のようにペットショップに通い、ウィンドー越しの会話を楽しむが、ジョンの前には多難な運命が待ち受けていた。作：高山広。出演：高山広、藤原貢、高橋長子、向莉穂。

カンボジア・アンコールワットの近くにある「アキラの地雷博物館」。博物館を始めたのは、日本人の名前に似ていることから「アキラ」と呼ばれているカンボジア青年アキ・ラーさん。展示の地雷は彼がこの１０年間で一人で掘り出し、処理したものだ。◆長い内戦下、彼が５歳の頃に両親はポルポト軍に殺害された。その後、ポルポト軍、ベトナム軍、カンボジア政府軍の少年兵として戦闘に参加させられ、数え切れないほどの地雷を埋めた。２０歳で国連の地雷処理活動に参加。生き方は自分で選べることを知り、地雷処理を続ける決意をした。英語、日本語を覚え、観光ガイドのかたわら１９９９年に博物館を開き、被害にあった２０人の子どもたちを養育している。◆彼は地雷処理のＮＧＯ組織、ライセンスが欲しいと言う。現在、ライセンスのない個人による地雷処理は認められていない。しかし、彼は農民の畑の地雷を処理し続けている。「アキラの地雷博物館」での暮らしは、生きるために戦うしかなかった元少年兵が自ら選んだ生き方なのだ。

万太郎とショージは、中学ではちょっとした有名コンビだ。ショージの筆箱に欲しい物のリクエストをすると、瞬く間に二人が万引きで調達してくるのだ。このコンビ誕生には訳があった。いじめで万引きをさせられていた万太郎を、ショージが救ったのだ。いじめから逃れるにはこのコンビを作るしかない。ところがある日、「おばあちゃんの処分」という信じられないリクエストが入れられたことから、二人は自分たちのしてきたことと向き合うことになる。◆現代の迷える少年達の成長物語。作：樋口美友喜、出演：森田直幸、長江竜馬、新屋英子、林英世、ほか