山梨県立科学館が制作したプラネタリウム番組「戦場に輝くベガ　～約束の星を見上げて～」をもとに創作されたラジオドラマ。◆東京に暮らす絹田琴子（１７歳）は祖父・勇から古い日記帳を託される。書いたのは勇の姉・久子。久子は１９４５年７月６日、疎開先の甲府で空襲に遭い１７歳で亡くなっていた。七夕前夜、墓参りに訪れた甲府で琴子が出会ったのは、戦争に見舞われた恋人たちと、二人をつないだ星の物語。青年は爆撃機の位置を星によって知り命をつなぎ、少女は青年の無事を祈り星の高度を計算した。旧日本海軍の爆撃機が天体を道標にしていた史実に基づき、“人を殺すための道具”ではなく“希望を託せる輝き”として星を見つめられる「今」のかけがえなさを改めて考える。

江戸末期、薩英戦争でイギリスと闘い、欧米列強の実力を目の当たりにした薩摩は、その後、薩藩英国留学生派遣や薩摩琉球国としてのパリ万博参加など、西洋の技術を貪欲に吸収しながら、明治維新へと歩を進めることになる。その明治維新から２０１８年で１５０年を迎える。明治維新１５０年に向けて行政、市民が意識を高めてゆく中、西郷、大久保ら維新の立役者を輩出した鹿児島の歴史を楽しく学んでもらおうと、鹿児島市維新ふるさと館で新春寄席が開催された。その公開収録の模様の一部を伝える。前半は落語家の桂竹丸さんの歴史ネタ落語「西郷隆盛」、後半は桂竹丸さんと、維新ふるさと館顧問の福田賢治さんらが西郷隆盛を中心に語り合う歴史トークショーで構成する歴史エンターテインメント。

音楽評論家の片山杜秀が、古今東西のクラシックの名曲を独創的な視点で論じる音楽番組。（２０１３年１月放送開始）毎月第４週目はＮＨＫアーカイブスの歴史的音源から、片山がリスナーに届けたい作品を紹介する。◆今回は、オネゲル作曲の「オラトリオ“火刑台上のジャンヌ・ダルク”」日本初演のライブ録音を送る。この作品は、１９３８年スイスでの初演から、今もなお２０世紀のオラトリオの代表的な名作である。１９５９年日本初演の様子ほか、ジャンヌ・ダルク役を務めた草笛光子がゲストとして登場し、当時を振り返る。

秋田のアマチュアミュージシャン情報から古き良き音楽のルーツまで、様々な音楽情報を届ける番組。番組前半はプロ、アマ様々な音楽人を迎えるゲストコーナー、後半は架空の店「温故知新堂」でＭＣが５０代の洋楽マニアの「マスター」から、古き良き洋楽の裏話などを教わるという設定のコーナーで構成する。（２０１２年４月放送開始）◆今回は「温故知新堂」のスペシャル。１９７０年代、レッド・ツェッペリンなどロック第一世代とクイーンなど第二世代の大物バンドの狭間で、ヒット曲が続かず忘れられたバンドがたくさんあった。そんな「愛すべきＢ級ロックバンド」をテーマに、マスターのうんちく話に耳を傾ける。

日本海に面する山形県西部、庄内地方の情報を伝える番組。パーソナリティは山形市生まれで山形育ちのドンキー佐藤と、庄内生まれの佐藤泰子。鶴岡のスタジオから佐藤泰子が、山形のスタジオのドンキー佐藤に、庄内の豊かな文化やお得な情報、また庄内地域で頑張っている人やユニークな出来事などを、関係者と電話を結びながら紹介していく。（２００２年４月放送開始）◆オープニングは、庄内三大祭りの一つで、鶴岡市でこの日開催される鶴岡天神祭（別名化けものまつり）の話題でスタート。そのほか、山形県内唯一の離島、飛島で島の人々が運営する期間限定のカフェ「しまかへ」、鶴岡市で地域社会の防犯に協力するタクシー会社の取組みなどを紹介する。

毎年、秋田県五城目町で民謡の全国大会「秋田追分全国大会」が行われる。五城目町は秋田追分の創始者、鳥井森鈴（しんれい）氏の故郷だ。毎年県内外から、プロ・アマを問わず民謡の愛好家が集まり、自慢ののどを競う。２０１３年に行われた第２４回大会の模様を伝える。解説は森鈴氏の孫で秋田追分保持者の鳥井輝雄さん。まずは、秋田追分とはどんな唄かを説明。大会で唄われる「春の花見は」「別れて今さら」「花は良けれど」の３つの歌詞を紹介する。続いて、大会に出場者の「それぞれの秋田追分」。内弟子修行中の歌い手、子供民謡教室に通う姉妹、大会優勝者らのプロフィール、稽古の様子、インタビューなどを交えながら、大会での歌声を伝える。

初夏のこの時期、人や生き物、自然が躍動し、心地よい音は私たちの心を穏やかにしてくれる。１週間にわたって「好きな音・心地よい音」をテーマにメッセージを募集したところ、多くの反響があった。日々の生活の中で、私たちはたくさんの心地よい音に囲まれているのだ。今回は、この３時間の番組を聞いた方に「音をもっと好きになってもらおう」と、ラジオを通して音の魅力を伝える。ゲストに音遊びの達人や手作り三味線演奏家が登場し、音の魅力や音の楽しみ方などを伝えてもらう。さらに、様々な音の研究に取り組んでいる福井大学の森幹男さんに解説してもらう。森さんは「音を聴くのではなく、音を感じてほしい」とアドバイス。「森の中で出会った素敵な音」「守りたいふるさと福井の音」「音遊びってこんなに面白い」「音と音のコラボレーション」ほかの構成で、様々な心地よい音を届ける。（６０分の編集版を公開）

東日本大震災からほぼ２年。被災者が抱える様々な問題は、被災地以外の人々にも決して他人事ではない。公開収録の座談会でその苦悩に耳を傾け、ともすれば風化しがちな防災意識を高める。文化放送とラジオ福島による共同制作。◆座談会は南相馬市の野馬追い通り銘醸一番蔵で開かれ、南相馬市民が参加した。南相馬は、今回の出演者の一人でもある鎌田実さんが度々訪れている地である。参加者からは、子育ての悩み、就労問題、自営業者の苦悩、行政の対応、各種手続きの矛盾など、この２年間に体験された被災者でなければわかりえないことを忌憚なく語ってもらう。また、鎌田実、村上信夫、山地美紗子の３名はそれぞれ事前取材した、大堀相馬焼の集団移転、障がい者就業支援グループの取り組み、原発事故の影響で住民避難が続く飯舘村の現状などを報告する。