就職氷河期と呼ばれて久しい昨今、大企業志向の強い学生と人材を求める中堅・中小企業の間にはミスマッチと呼ばれる現象も生じている。そんな中、富山大学を卒業した西納敦史さんはこの春、社会人野球の強豪チームである三菱重工名古屋硬式野球部に就職した。西納さんは教師を目指して大学に進学した。エースピッチャーとして富山大学硬式野球部を北陸大学野球１部リーグに昇格させた原動力ではあったが、地方の国立大学野球部出身の西納さんが、どのようにして一般企業の大企業とも言うべき社会人野球の強豪チームに入ることが出来たのだろうか。西納さんの体験談と社会人野球関係者のインタビューを通して、現在の就職戦線の一面を描く。

音楽評論家の片山杜秀が、古今東西のクラシックの名曲を独創的な視点で論じる音楽番組。（２０１３年１月放送開始）毎月第４週目はＮＨＫアーカイブスの歴史的音源から、片山がリスナーに届けたい作品を紹介する。◆今回は作曲家・林光を特集する。林は戦時中から神童作曲家として称され、１０代から数多くの音楽作品を残した。俳優座の芝居の音楽や交響曲、ソナタ、合唱、オペラなど創作は多岐にわたり、その中でもテレビ・ラジオ・映画など、芝居の音楽に情熱を傾けた。曲目は、「歌劇『裸の王様』」、「不死鳥」、「国盗り物語」、「花神」。

愛媛出身で在住のギャグ漫画家、和田ラヂヲがパーソナリティを務めるお笑い番組。各コーナーに送られてきた投稿を、和田ラヂヲが淡々と紹介していく。Ｐｏｄｃａｓｔでも配信しており。全国各地のハガキ職人から投稿がある。今週募集していたコーナーは、一言で笑いを取れ！「一言で笑わせろ」、役に立つかもしれない「暮らしのヒント」、深刻な相談お断りの「軽い相談」。和田ラヂヲと九官鳥が、シュールな笑いにゆるいコメントを返していく。

松阪市中部台運動公園に蒸気機関車のＣ５８５１号機、通称「くろすけくん」が保存されている。このＳＬの再生に取り組むグループ、くーべるの活動を伝える。◆くろすけが保存されることになったのは、一人の小学生が松阪市長に出した手紙がきっかけだった。少年はその後松阪を離れたが、くろすけが現役当時とは全く異なる塗装をされているのを知り、元に戻す活動を始めた。東京在住の会社員、杉山さんだ。活動は広がり、グループ「くーべる」となった。車体を塗り直し、部品を探し、ないものは作る。メンバーの思い、機関車の整備作業の様子、圧縮空気で鳴らせるようになった汽笛の音などを紹介する。くーべるの活動の終着駅は、ＳＬを動かすことだ。

東日本大震災からほぼ２年。被災者が抱える様々な問題は、被災地以外の人々にも決して他人事ではない。公開収録の座談会でその苦悩に耳を傾け、ともすれば風化しがちな防災意識を高める。文化放送とラジオ福島による共同制作。◆座談会は南相馬市の野馬追い通り銘醸一番蔵で開かれ、南相馬市民が参加した。南相馬は、今回の出演者の一人でもある鎌田実さんが度々訪れている地である。参加者からは、子育ての悩み、就労問題、自営業者の苦悩、行政の対応、各種手続きの矛盾など、この２年間に体験された被災者でなければわかりえないことを忌憚なく語ってもらう。また、鎌田実、村上信夫、山地美紗子の３名はそれぞれ事前取材した、大堀相馬焼の集団移転、障がい者就業支援グループの取り組み、原発事故の影響で住民避難が続く飯舘村の現状などを報告する。

毎年、秋田県五城目町で民謡の全国大会「秋田追分全国大会」が行われる。五城目町は秋田追分の創始者、鳥井森鈴（しんれい）氏の故郷だ。毎年県内外から、プロ・アマを問わず民謡の愛好家が集まり、自慢ののどを競う。２０１３年に行われた第２４回大会の模様を伝える。解説は森鈴氏の孫で秋田追分保持者の鳥井輝雄さん。まずは、秋田追分とはどんな唄かを説明。大会で唄われる「春の花見は」「別れて今さら」「花は良けれど」の３つの歌詞を紹介する。続いて、大会に出場者の「それぞれの秋田追分」。内弟子修行中の歌い手、子供民謡教室に通う姉妹、大会優勝者らのプロフィール、稽古の様子、インタビューなどを交えながら、大会での歌声を伝える。

平日午前の生ワイド番組。（２０１３年４月放送開始）今回のテーマは「やまなしを歩こう」。山梨の女性は日本でいちばん歩かないことが、厚生労働省の国民健康・栄養調査で明らかになったからだ。歩くのは健康に良いとわかっていても、公共交通機関が整っていない地域が多い山梨では、車移動が当たり前。運動生理学が専門の医学博士、小山勝弘さんをゲストに招き、歩くことが楽しくなる活動を紹介する。リスナーからは、歩いているかどうかのメッセージ、継続して歩くための工夫など、生放送ならではの双方向で展開し、さらに世界文化遺産登録目前の富士山エリアのウォーキングコースを紹介。歩き方のコツや、富士芝桜まつりの会場からの中継など、毎日を元気に健康で過ごすための情報だけでなく、歩いてこそ発見できる地域の魅力をリスナーと共に考える。

松本蟻ヶ崎高校演劇部は昨年度、「私の一番の希望たち」を上演した。１９８６年に発生した旧ソ連（現ウクライナ）のチェルノブイリ原発事故をモチーフに、事故によって苦難の人生を歩むことになった発電所所員や住民らの姿をリアルに描いた作品として高く評価された。そして今年、「チェルノブイリ・メモリアルデー・２０１３」にも出演することになった。３年生が卒業し、新たなメンバーでの公演。部員それぞれが初心に帰って、改めて作品の持つメッセージに向き合い、その重さに戸惑う。公演会場には多くの市民や、松本市に避難してきた東日本大震災の被災者が観客として訪れた。大きな舞台に臨むプレッシャーを感じながら、“壁”に立ち向かう部員達。日本国内では福島第一原発事故による放射能被害が伝えられ続ける中、この作品をどんな思いで演じ、それを見た観客達がどんなメッセージを感じ取ったのだろうか。