２０１６年１２月３０日、ノートルダム清心女子大学理事長の渡辺和子さんが、すい臓がんのため８９歳で亡くなった。ベストセラー『置かれた場所で咲きなさい』の著者としても知られる渡辺さんは、９歳の時に２．２６事件に巻き込まれ、目の前で父親が殺害されるという壮絶な経験をした。その後、修道生活に入り、人格教育に全霊を注ぎ、亡くなる直前まで大学の教壇に立ち続けた。山陽放送の局内を探したところ、２９年前に渡辺さんがラジオ番組に出演した際のインタビューが見つかった。大学生向けの番組で２．２６事件から「赦し」と「和解」に至るまでの葛藤についても静かに語っていた。渡辺さんの生涯を振り返るとともに、今の時代にこそ響く渡辺さんのメッセージに、再び耳を傾ける。

中国・四国の８局が持ち回りでそれぞれのエリアの様々な情報を発信する「中四国ライブネット」。今回は西日本放送の制作。◆２０１７年４月にＪＲ四国が新たな観光列車の運行を開始する。土讃線の多度津駅と大歩危駅の間を走り、四国観光の新たなファクターとして期待を集める「四国まんなか千年ものがたり」である。この列車には鉄道マン達の様々な思いが込められている。斬新な車両デザイン。そして車内で供される地元食材を生かした食事と、伝統工芸の器で楽しむお酒。車両をデザインした社員や、酒器を手掛けた人間国宝の漆芸家、山下義人さんらにお話を聞く。また、ＪＲ多度津工場で出来上がってくる車両の作業風景や、試運転で体験した沿線の魅力をレポートする。番組の運転手役は鉄道大好きの岸たけしアナウンサー、車掌役はＪＲ四国の久保正さん、そしてアテンダント役はこの列車のテーマ曲を担当した木内晶子さんで進行する。

三陸は幾度も大津波で多くの命を奪われ、体験者たちはその度に石碑を建て、後世に教訓を訴えてきた。しかし、東日本大震災で悲劇はまたも繰り返された。「釜石あの日あの時甚句つたえ隊」は、唄い手の藤原マチ子さんと口上・合いの手担当の北村弘子さんの２人組。震災の翌年からその教訓や遺族の悲しみを相撲甚句にして、全国各地で唄い伝えてきた。「釜石の奇跡」と呼ばれた小中学生の津波避難の鉄則を唄った「東中　鵜の小編」、二人の最大の理解者である岩崎昭子さんの体験を唄った「宝来館　女将編」など、作った９つの甚句はすべて、２０１１年３月１１日の実話に基づいている。また、生き残った人だけではなく、大切な人を失った悲しみを唄ったものもある。「兄き編」で唄われるのは、藤原さんの兄・八幡新吉さんのこと。藤原さんもまた、震災遺族だった。悲劇の大きさゆえに封印してきた甚句もあったが、震災から６年、２人はこれを披露しようと決意する。あの日それぞれが失ったもののことを思いながら、未来に向けて二人は甚句を伝え続ける。全ては、二度と悲劇を繰り返さないために。

タイトルの「ロック・オン」は、がっちりと捕まえるＬｏｃｋ　Ｏｎと、カッコイイ！のＲｏｃｋ　Ｏｎの２つの意味を持つ。「ロックとクラシックのちょっといい関係」をテーマに、敷居が高いと思われがちなクラシックの魅力を伝える。◆第１部「ビートルズ・オン・クラシック」では「ペニー・レイン」の中に聞こえるクラシック音楽と制作エビソードを解説し、楽曲を聴き比べる。第２部「旬のアーティストたち」では、韓国に生まれ日本でギターを学んだクラシックギタリストのパク・キュヒらを紹介する。そして第３部「ロック・ミュージシャンとクラシックの関係」では、ロックとクラシックの音楽家たちが影響しあっていることに着目。プログレの曲をクラシック音楽家が演奏した曲や、日本のロックバンド「くるり」の岸田繁が発表した「交響曲第１番」などを取り上げる。

故河島英五氏の長女でテレビなどでも活躍するタレント、河島あみるが初めてメインパーソナリティを務める、土曜午後のワイド番組。母親としての目線、そして三十代女性として彼女のそのままの目線で伝える。アシスタントは魚や釣りに詳しいフリーアナウンサーの川田一輝。（２０１６年４月放送開始）◆この日は前日からの大雨で中止と思われていた「橿原から飛鳥を歩くラジオ大阪ハッピーウォーク」が開催された驚きからスタート。あみるの娘の不思議な発言も絡め、「不思議だな」のテーマでメッセージを募集する。「気にトピッ！」「お出かけ情報」「川田一輝のお魚コーナー」などレギュラーコーナーのほか、ゲストコーナーには、名だたるホテルが求める野菜を作る一方、飾らない人柄の、やなもり農園の梁森壮太さんを迎える。２時台には今、大ブームのドリル「うんこ漢字ドリル」の話題も伝える。

中国・四国の８局が持ち回りでそれぞれのエリアの様々な情報を発信する「中四国ライブネット」。今回は山陽放送の制作。◆１万６０００人の市民ランナーが岡山市街地を駆け抜ける「おかやまマラソン」。全国的なランニングブームも一時期の盛り上がりから落ち着き始め、成熟期を迎えたとも言われる中、この大会には毎年全国から３万人近いランナーがエントリーし、フルマラソンコースの沿道には、１７万人の市民が途切れることなく並びランナーを応援する大会としても有名になりつつある。人気の秘密はどこにあるのか。３回目となる「おかやまマラソン２０１７」を３週間後に控えたこの日、参加するランナーや、裏方として大会を支えるポランテイア、沿道応援を買つて出た市民などをゲストにスポツトを当て、生放送で伝える。それぞれのストーリーを抱えて限界に挑戦するランナーひとりひとりの輝きが、人々や地域を輝せる、そんな市民マラソンの魅力に迫る。

ＺＩＰ－ＦＭミュージックナビゲーターの磯谷祐介が仙台を訪ね、東日本大震災で被災したアーティスト、ＫＵＤＡＮＺを通して、災害時にエンターテイメントやメディアはどうあるべきかを考える。◆ＫＵＤＡＮＺのササキゲンは、仙台市内で被災した。被災した時の状況、環境の変化、感情の変化などを中心に、ＫＵＤＡＮＺの曲を交えながらインタビューしていく。自分に何ができるのか、音楽は必要か不必要か。彼は震災直後の心境から日増しに変化する心境、言葉で言い表せない心情を語る。また、当時のＫＵＤＡＮＺをよく知るライブハウスの店長、ＦＭラジオ局の方にもインタビューし、同じくエンターテインメントに携わり、被災した立場からの意見を聞いた。災害時にどうするべきか、どうするべきだったか、正解はない。しかし彼らの言葉から、一つの答えとしての音楽やエンターテイメントのあり方が見えてくる。◆ＺＩＰ－ＦＭ　ＳＡＴＵＲＤＡＹ　ＮＩＧＨＴ　ＳＰＥＣＩＡＬ

「私の一生は、ちょっとした日本の近現代史でもある」と振り返る日野原重明さんは１０５歳。生活習慣病という言葉を生み出し、ホスピス医療や予防医学等、日本の医療分野・制度を先導、開拓してきた。戦争、よど号ハイジャック、地下鉄サリン事件など歴史的事件も目撃してきた。彼の人生の大きな転換点は１９３３年（昭和８年）、当時、不治の病とされていた結核に罹患した医学生時代にあった。先の見えない不安の中で、この闘病生活をどう乗り越えてきたのだろうか。そこには献身的な母の看病、詩や小説などの創作活動、ショパンの「ノクターン」「ポロネーズ」などのピアノ演奏、そして、密かに思いを寄せていた女性の存在があった。緩和医療医の川越厚さんを案内役に、日野原さんの自宅でのインタビューと、日野原さんの自叙伝『僕は頑固な子どもだった』によって、医師・日野原重明さん１０５年のいのちの原点を浮き彫りにしていく。