奈緒（内山理名）は夫から裏切られ、息子・寛輔（川岸涼介）と共に故郷である京都・丹後に帰ってきた。職もない奈緒は、昔取得した看護師免許を頼りに、そこで出会った青年医師・三上（忍成修吾）とともに過疎地の医療と向き合うこととなる。「死」を人生最後のゴールと捉え、逝く人にとっても、残される人にとっても、満足できる終わり方を迎えさせてあげたい。そうした思いはあっても、過疎地では自宅での「終活」を支える往診は困難だ。だが、入院させようにも経済的に負担できない高齢者も多い。その困難を乗り越え、老人たちの死を看取る中で、奈緒は３０年前に亡くなった母の秘密を知ることとなる。後編。

ＦＭ－ＮＡＣＫ５開局３０周年を記念して企画された特別番組の中で放送された、小林克也と爆笑問題のスペシャル対談。音楽の話、埼玉県の話、デビュー当時の話など、小林克也が爆笑問題に鋭い質問を浴びせる一方、小林自身とＮＡＣＫ５とのかかわりについても語る。

午前・午後を「ぶちぬいて」６時間２０分放送している生ワイド番組。２人のパーソナリティーが毎週設定したテーマで対決し、メール・ＦＡＸによるリスナー投票で勝敗を決める。対決スタイルのトーク、リクエストもサイコロ対決（サイコロころりん）で決める。メッセージの総数によっては、リスナープレゼントがあるのかないのか、ハラハラドキドキ、思わずひいきのアナウンサーを応援し、参加したくなる生番組。◆７年目に突入し、番組に寄せられるメッセージも飛躍的に増えてきた。１回の放送で目標としている３００通を、８週連続で記録した。１０週連続の３００通越えも夢ではない。そんなタイミングで対決テーマに選んだのは、リスナーから提案の「欲しいのは、兄・姉か弟・妹か」。果たして９週連続の３００通超えを達成することができるのか。

東日本大震災にともなう福島第一原子力発電所の事故は、福島県内の地域医療にも大きな影を落とした。番組では、被災後に医師や市民らが自らの地域のために設立した２つの医療機関を取材し、被ばくの恐怖と戦いながら現場で奮闘する医師や職員、不安さえ口に出せないでいる患者の言葉から、放射能事故が地域医療の現場にもたらした問題の深刻さと、地域医療経営への支援や幅広い健康調査の必要性について考える。

岩手県陸前高田市に住む鳥羽葉さん（１８歳）はこの春、進学のため地元を離れる。葉さんは２０１１年の東日本大震災による津波で、父を亡くした。当時小学５年生だった彼女は翌年、震災を体験しての思いを、「私は成長して、安心して卒業するのを見届けてもらいたい。みんなにも父にも…。」と書いた。震災から７年が経ち、高校生の葉さんは、改めて父へのメッセージを込めた作文を書いた。タイトルは「人の脆さと強さ」。震災を通じて「死」というものに触れ、「人は脆くもあり強くもある」と。地元を離れる前の日、葉さんは幼馴染の友人と母校の竹駒小学校を訪れた。懐かしい写真や記憶の数々、思いがけない恩師との再会もあった。「お父さんに成長した姿を見せてもらいたい」。この春、高校を卒業して一歩を踏み出す葉さんの姿を追った。

昭和２０年（１９４５）５月、延岡出身２１歳の黒木國雄は、特攻隊長として知覧基地から沖縄の海へ出撃した。父・黒木肇は、運命のいたずらによってそれを見送ることになった。延岡に戻った肇は、息子の最後の雄姿を家族や町の人々に誇らしく語るのだった。しかし戦況は一向に好転せず、敗戦の様相が日々色濃くなっていく。そして戦火はついに延岡に及ぶ。６月２９日未明、延岡市街地は焼夷弾攻撃による激しい空襲を受けた。いわゆる「延岡大空襲」である。即死者１３０人、被災戸数３７６５戸、被災者１５，２３２人という大惨事。焼け野原と化した延岡で、一家を待ち構える運命とは…。◆平成３０年度文化庁芸術祭参加作品。延岡大空襲から７３年となる２０１８年６月２９日に初回放送された。

ジャズピアニスト後藤浩二がパーソナリティを務める、大人がゆったりと楽しめるジャズ番組のスペシャル。◆今回は後藤浩二が高校時代にジャズを知るきっかけとなった、ビル・エバンスを取り上げる。稀代のジャズピアニスト、ビル・エバンスの名曲「ワルツ・フォー・デビー」は日本での販売が１００万枚を突破し、現在もなお売れ続けている。彼は１９８０年９月に５１歳で亡くなるが、そのわずか１週間前の貴重な音源が、本人の知らないところでジャズクラブのオーナーによって録音されていた。エバンスの様々な名曲が紹介される中、番組の隋所にリスナー馬六さんから寄せられたお便りが挟み込まれる。３６歳のサラリーマン、馬六さんは、家族と大喧嘩し、家に一人取り残され、どうしようもない寂しさの中で偶然「ジャズ魂」を聴き、熱心なリスナーになった。馬六さんがジャズの中に感じたものとは何なのだろうか。番組終盤では後藤さんが自作「ｈｏｐｅ　」をビル・エバンスのために演奏する。◆第７３回文化庁芸術祭参加。初回放送２０１８年５月２８日。

２０１８年春、沖縄県北部に実際に使用していた「私宅監置」の小屋が現存することが公表された。自宅敷地内の小屋などに精神障がい者を閉じ込める私宅監置は、１９００年の精神病者監護法で国の許可のもとに行われた。戦後、本土では禁止されるが、沖縄では本土より２２年も長く続いた。精神医療の遅れ、米軍統治、貧困など、沖縄独特の背景が招いた悲劇だった。沖縄での精神障がいの発症は多かったのか、原因は何なのか。そこには戦争の影響が否定できない。おだやかな県民性さえも関係する。名護市の保健所職員、波照間島の当時の国民学校生らは、私宅監置の状況を生々しく証言する。高齢化で私宅監置の闇を知る人が少なくなる中、今年４月、沖縄県精神保健福祉会連合会が私宅監置の展示会を開催し、最終日のシンポジウムでは、精神障がい者とその家族が壮絶な体験を語った。そして、その一人は最後にある決意を口にする。闇を光に変えるために。二度と繰り返さないために。これから何が出来るのか。今も隔離収容性が高い日本の精神医療の源流であった私宅監置。私宅監置の本当の扉は、どこにあるのか。