原爆によって孤児となり、戦災孤児収容所に引き取られた後、父母の霊を慰めるため僧となった少年。高校を卒業後、生活のために法衣をぬぎ、職を転々として、広島市でタクシーの運転手となった。ふとした縁で被爆者の女性と知り合い結婚し、一子をもうける。二度目の妊娠がわかった時、妻は貧血症と生活のため中絶を考えたが、一人ぼっちの寂しさを訴える夫の願いによって赤ちゃんを生む決心をした。被爆した夫婦の、けなげでひたむきな人生ドキュメント。

山崎豊子原作「のれん」「花のれん」を中心に、その他の山崎作品をまとめて、１本の脚本として書き下ろしたもの。明治、大正、昭和の不自由な社会秩序のなかで、自分を確立しようとして生きぬいてきた大阪人の生活の歴史を描くドラマ。（１９６６年４月４日〜１９６７年３月２７日放送）

夢と冒険の物語をおくる連続人形劇。動く島「ひょうたん島」に、５人のこどもとさまざまにユニークな大人たちが住みつくことになった。彼らは「ひょうたん島」とともに海上を流されながら、行きついた国々で想像もつかない事件に巻き込まれていく。作：井上ひさし、山元護久。（１９６４年４月６日～１９６９年４月４日放送、全１２２４回）◆「火事その１・２」は第５４７回と第５４８回、各１５分。（アンコロピン王国シリーズ）

１９６６年（昭４１）の北海道は良い年とはいえなかった。どか雪で年が始まり、８月には集中豪雨に見舞われた。そして寒い夏は冷害となり、稲作畑あわせて６００億円の被害をもたらした。そんな中、１９７２年冬季オリンピックの札幌開催決定、２１年ぶりの国後墓参実現が、わずかに人々の心を慰めた。番組はニュースフィルムで綴ったこの１年の映像記録であり、「組曲展覧会の絵」はこの年の北海道のイメージを的確に表している。

日ソ航空協定によって東京―モスクワ直行便が運行されることになり、開放されたシベリアの空をはじめ素顔のソビエトをリポートする。（１９６６年７月９日〜１９６６年８月６日、全５回）◆ソビエト連邦と日本は海を隔てた隣国であるが、ヨーロッパからみれば遠い東の国である。この回は「遠い東の街」ハバロフスクを取材する。

１本の記念樹によってかたく結ばれた養護施設の先生と子供たちの愛に満ちた交流を描くドラマ。施設を卒業して社会に出た教え子たちは、１５年ぶりに再会した恩師に様々な問題を投げかける。（１９６６年４月５日～１９６７年２月１４日放送、全４６回）◆横浜の養護施設・あかつき子供園の園児たちは、結婚して施設を去ることになった保母・池貝園子（馬淵晴子）に小さな桜の苗木を贈り、新婚夫婦宅の庭先に皆で植えた。桜は毎年美しい花を咲かせ、夫婦や園を巣立った子供たちにとって、何物にも代え難い“記念樹”となった。時は流れて、かつての教え子・山下久雄（有川博）は、社員旅行の列車の窓から花咲くその桜の記念樹を見た。無性に園子の顔を見たくなった久雄は、帰路に途中下車して園子の家を訪ねるが、思いがけない園子の境遇の変化を知る。

いつも底抜けに明るい性格と豊かなユーモアが波乱多い生涯を支え、自分だけでなくその周囲の者にも笑いと力を与える“おはなはん”浅尾はな（樫山文枝）。ひとりの女性の人生を楽しく感動的に描く。原作：林謙一。ＮＨＫ連続テレビ小説第６作。（１９６６年４月４日〜１９６７年４月１日放送、全３１０回）◆第八回。おはなはんのまだ見ぬ花婿・速水謙太郎（高橋幸治）が訪ねてくる。が、話は思わぬ展開となる。

１９６５年～６６年当時の日本各地の習俗、行事、生活、技術などを記録したドキュメンタリー。◆三崎港の歴史とともに生き、三崎を日本屈指の大遠洋漁業基地に育て上げてきた人々、さらには夜を徹しての厳しい労働に耐えて沿岸漁業に従事する人々の姿などを通して、海に生きる人々の群像を描く。