宮城県のある専業米農家の１年を追い、米作りにかける思いと大規模経営からの転換を描くドキュメンタリー。◆仙台平野の北部、宮城県の専業農家の名生家（みょうけ）は、３００年にわたって米を作ってきた。借金で機械を導入して規模を拡大してきたが、米価は下落し経営は楽ではない。１１代目はこの年の春、水田の半分を手放す決心をした。借金を整理し、少ない土地でも「真（真心を）こめて」作るという、失いかけていた米作りの喜びを取り戻すためだ。家族総出の農作業。土に生きる心は、親から子へと伝えられていく。

１９１８年（大正７）に富山湾の漁師町で発祥した「越中の女一揆」米騒動は全国に波及し、当時の内閣をも崩壊させる大事件だった。米騒動から８０年の１９９８年８月、日本母親大会が富山県で開かれ、地元女性たちが米騒動の朗読劇を上演した。生きるために立ち上がった当時のおかかたちが訴えたかったのは何だったのだろうか。過去の写真や米騒動に参加した女性の証言で、歴史的背景を探る。

京都の街並み、人々の暮らしをさまざまな角度から描き、その魅力を紹介する。◆この回は「色とりどり京の春」。

ＮＨＫ連続テレビ小説第６０作「すずらん」（１９９９年４月５日～１０月２日放送）の総集編。北海道の駅に置き去りにされた孤児・萌の生涯を、大正から平成までの時代と鉄道の移り変わりに重ねて描く。作：清水有生。（全４回）◆総集編・第一章「少女編」。大正１２年（１９２３）冬、北海道の明日萌（あしもい）駅に赤ん坊が置き去りにされた。駅長の常盤次郎（橋爪功）はその子を萌と名付け、我が子として育てる。明日萌は炭鉱町で活気に溢れていた。萌（柊瑠美）は駅前旅館の松吉夫妻らに見守られて成長するが、姉の縁談をきっかけに自分の生い立ちを知る。そして父と姉の幸せを願って家を出るが、孤児院幸福学園の厳しい生活に耐え切れず脱走する。

戦争に直接加担した世代、自分の親が戦争に関わりを持った世代、戦争とは全く無縁の世代。それぞれの世代が、その世代なりの思いをこめて続ける草の根レベルの“日韓交流”を通じて、新しい時代の日韓関係を考える。◆岡山市の市立高校教諭全円子（チョン・ウォンジャ）さんは、在日韓国人２世。幼い頃から日本名を名乗ってきたが自分のルーツを隠さず生きようと、本名を名乗ることを決意した。全さんはある新聞記事をきっかけに９４歳の僧侶大隅さんと出会う。大隅さんは、戦時中、反戦思想を唱えて逮捕され、さらに日本が植民地政策の１つとして現在のソウルに設けた思想教育施設「大和塾」で朝鮮半島の有力政治家や文化人にお経を教えるなど指導的な立場に立たされた経験を持つ。この大隅さんが戦時中日本に強制連行され死亡した韓国・朝鮮人の遺骨返還と慰霊に取り組んでいることを知った全さんは大隅さんのもとを訪ね、大隅さんの活動への協力と「大和塾」の実態調査に動き出した。互いの姿の中に戦争の暗い影を見た２人は「悲劇を二度と繰り返してはいけない」と誓い、その思いは高校生たちにも輪を広げる。

瀬戸内海と日本海に挟まれた中国地方五県の自然と、そこに生息するさまざまな生き物の生態を伝える。◆今回はビオトープの昆虫たちを紹介する１回目。

ラーメン店主のうどん王。一風変わった経歴を持つ前チャンピオンが今年も「うどん王選手権」に出場した。大会の結果はいかに。◆１９９９年のゴールデンウィーク、讃岐うどんの知識と味覚を競う「うどん王選手権」が讃岐の街を盛り上げた。１００人以上のうどん通が参加したこの大会で注目されたのが、前回チャンピオンの森敏彰さんだった。大柄で坊主頭の彼、実はラーメン屋のおやじという変り種。うどんに負けないラーメンを作ろうと讃岐うどんの研究を続けるうちにこの世界に取り付かれてしまった。寝る時間を削ってラーメンの仕込を早め、空き時間を利用して、多いときは１日１２軒ものうどん屋めぐりをするなど、大会２連覇を目指した特訓も始まった。

京都の街並み、人々の暮らしをさまざまな角度から描き、その魅力を紹介する。◆この回は「安らぎを醸し出す石のように」。