千葉と茨城の県境の村で、８４歳の老軍鶏師が“おまえの軍鶏は強いが汚い”と言われて奮起し、姿が美しくしかも強いという軍鶏を育てあげようと執念を燃やす。第１３回ベルリン国際テレビフェスティバル最優秀芸術作品賞を受賞。

大老・井伊直弼（尾上松緑）の生涯を、数人の女性をからませて描いた歴史ドラマ。フィルムロケ、ＶＴＲロケなどを盛り込み、豪華なキャストによる大型時代劇として話題を呼んだ。ＮＨＫ大河ドラマ第１作。原作：舟橋聖一。（１９６３年４月７日〜１２月２９日放送）◆第一回「青柳の糸」。

米国コリジェィト・レベル協会の協力を得て、１９６２年夏から９か月半にわたって、南アジア及び南太平洋地域にヨット取材した記録。使用したヨットは全長４０メートル、８７トン、最大速力１３ノットのスクーナーであるが、なにしろ１９２７年製の年代物。文字通りスリルとユーモアにとんだ水上漫歩である。◆この回はボルネオ島のラジャン川を、シブの街から上流のカピットを目指して遡る。

２１世紀の未来を舞台に、１０万馬力のロボット少年・アトムが活躍するＳＦヒーローアニメ。ふだんは小学校に通うアトムだが、ひとたび事件が起これば敢然と悪に立ち向かう。“マンガの神様”手塚治虫の手による、国産初の３０分テレビアニメシリーズ。モノクロ作品。（１９６３年１月１日～１９６６年１２月３１日放送、全１９３回）◆人工衛星Ｒ－４５の空港長・月岡博士は、宇宙ギャング団による事件の頻発に困り果て、お茶の水博士に助けを請う。そこでアトムが派遣されるが、月岡博士の息子で宇宙パトロール隊の隊長・月岡月男に協力を断られる。アトムは独自に犯人を突き止め、追跡する。一方、月男は父の不審な行動から、自分がロボットであることを知ってショックを受ける。

１９５９年（昭和３４）日本最大の臨海石油科学コンビナートが四日市に華々しく出現し、工業国日本の象徴のようにいわれた。だが周辺住民たちは大気汚染というつかみどころのない公害に襲われ苦悩する。多額の出費を迫られながら逃避という消極的な手段しかとれなかった住民、そして公害対策の遅れを描く。

戦後の開拓地でいまなおランプの灯で生活しているところが長野県下に６ヶ所ある。そのうちの西筑摩郡開田村の開拓地には８年ぶりに電灯がついた。現地で生活を営む人々の姿を追う。◆ランプをともし、ストーブの釜で米を炊く炊事風景。出来上がった料理を電灯の光のもとで食す家族の明るい表情などを伝える。

各地の大雪、黒部川第四発電所完成、吉展ちゃん誘拐事件、草加次郎事件、小さな暴力追放運動、「小さな親切」運動、松川事件最高裁判決、吉田石松老無罪確定、東京国際スポーツ大会、藤田航空事故（八丈島）、衆議院解散・総選挙、国鉄事故（鶴見の二重衝突、山陽、高崎線）、三井三池炭鉱事故、テレビ日米宇宙中継、ケネディ大統領暗殺など１９６３年のニュースハイライト。

職を求めて上京した一人の青年の東京での生活を中心に、自由を求め外に出ていった人々のその後を織りまぜ、現代社会、人間関係、人間の自由とは何かを描く◆。上野駅では、連休の行楽客で混雑する中を一組が山に向かった。羽田空港からは一人の女がヨーロッパに旅立った。刑務所の門に立つ一人のスリが刑を終え出所する。家庭裁判所では一組の夫婦が離婚する。ある会社の老サラリーマンが今日で定年退職する。そして、この日一人の青年が職を求め上京した。