ベトナム中部のホイアンは、１７世紀の御朱印船貿易の頃、多くの日本人が暮らした、日本とゆかりのある港町である。◆大河トゥボン川の河口に位置し、古くから貿易港として栄えた。香木など南方の物産を求めて、朱印船の主たる寄港地の一つであった。京都の町屋を思わせる奥行きの深い伝統家屋が数多く建ち並ぶ。◆幕府の鎖国令で日本人町は寂れたが、町はずれに日本橋とよばれる木造の橋が残り、遙か北東の方角を向いた日本人の墓石とともに、僅かに往時を偲ばせている。◆古都ホイアン

アメリカでは、ＩＴやロボット技術の急速な進歩が、障害を持つ人々の暮らしを大きく変えようとしている。ハイテクの最前線を追いながら、障害に対する考え方を大きく転換させたアメリカ社会の動きを見つめる。◆人工知能を搭載しロボット化された車いすの開発。ほとんど筋肉を動かせないＡＬＳ（筋萎縮性側索硬化症）患者も、視線だけでスイッチを入れられる装置を用いてコミュニケーションを取れるようになった。障害者向けの機器やソフト開発を企業に義務づける「リハビリ法」や「ＡＤＡ法」を整備し、障害者の社会参画を促そうとするアメリカ。その背後には、彼らが職業に就き、収入を得ることによって投資を上回る税収が得られるという考え方がある。

白神山地のブナ林の１年を追い、ブナ林が支える生態系の力強さと不思議さを描くドキュメンタリー。◆白神山地は青森県と秋田県にまたがる、世界最大規模のブナの原生林である。この地域の気候風土によって形成され、８０００年もの歴史を持つ。ここでは“命の循環”が繰り返されてきた。厳寒に耐えたブナは、葉と幹で梅雨の雨を根本に集め、夏にはその水分を吸い上げて葉から蒸発させる。その水蒸気は森の上で雲となり、再び森を潤す。フジミドリシジミ、モリアオガエルなど森の生物たちは、このブナの木と水の循環を巧みに利用して、生態系を築いている。

遺伝子の解明が進み、遺伝性の病のメカニズムがわかるにつれ、自分の死期や子供の出産、結婚など、自分の遺伝子の宿命と向き合わなくてはならない人たちがいる。ＦＡＰという遺伝性の難病におかされた患者たちが悲劇の運命に立ち向かう姿を描くなかで、生とは何か、死とは何かを考える。

ピアニストの村松健さんが高崎から鎌倉までの鎌倉街道をたどる紀行番組。このシリーズでは上道・中道・下道のうち上道（かみつみち）約１４０ｋｍを歩く。テレビ埼玉開局２０周年記念企画。◆最終章はこれまでの２５回を振り返り、高崎から鎌倉までの旅をまとめる総集編。旅人・村松健さんのさまざまな発見と出会いが、走馬灯のように流れていく。

鎌倉の隠れた魅力を地元局の視点で紹介する。◆この回は、佐助周辺を訪ねる。

徳川家の家紋・三つ葉葵を将軍三代の心になぞらえ、人間の生き方を問いかける。ＮＨＫ大河ドラマ第３９作の総集編。全４回。作：ジェームス三木。◆第２回「征夷大将軍」。慶長８年、徳川家康（津川雅彦）は武門の首座である征夷大将軍の座を得て、江戸に幕府を開いた。将軍職を世襲として、豊臣秀頼（尾上菊之助）を臣下に置こうと画策する。二条城での家康との対面を迫られた秀頼は、およそ一万の軍勢に守られて二条城へ赴く。家康は秀頼に杯を与え、主従の逆転を天下に示すのだった。

大分県の「六郷満山（ろくごうまんざん）」の「峰入り行」を記録したドキュメンタリー。◆大分県国東半島には「六郷満山」と呼ばれる仏教文化が栄えた。この六郷満山ではおよそ１０年に一度、「峰入り行」が行われる。峰入り行とは、六郷満山寺院の住職になるために一度は経験しなければならない修行で、国東半島に点在する寺院や霊場を巡りながらおよそ１５０キロの険しい道のりを歩く荒行である。この峰入り行に挑む人々を追う。