聴力を失って「人工内耳」の手術を受けたものの、以前との違いに神経を尖らせていた女性が、鳥の声をきっかけに新たな音の世界に耳を傾け始めるまでを描く。◆突然の中途失聴で、手話もできずに落ち込んでいた今さんは、弘前大学で８人目となる人工内耳の手術を受けて聴こえをとりもどした。しかし家族以外との会話はいつも緊張し、聴こえにくい自宅の電話を取り外してしまった。そんなある日、彼女は庭に巣を作った鳥の声に気づく。以前は気にもかけなかったものが、人工内耳のおかげで聴こえてきたのだ。

群馬県内に残る伝統的な手法での“ものづくり”の技を伝え残そうと、１９９３年にスタートした番組。技術はもちろんのこと、作品に反映する“作り手の人柄”も描く。◆昭和１３年茨城県に生まれた篠崎節さんは、昭和３２年から高崎市の草木染研究所で山崎青樹氏とともに染色に従事。平成４年に安中市に工房を開き、草木染の制作を続けている。萌黄色、藍色、茜色など、身近な自然から色を得てきた日本人の目に映る微妙な色彩、多くの色素から作り出される植物の染料は、ひとつとして同じものはなく、繊細な色使いも草木染の大きな魅力になっている。

１００年ほど前、アラスカ先住民であるエスキモーの人々を引き連れて、山脈を越え、新天地を切り開いた日本人、フランク安田。今はもう少なくなった、彼を知る人々の証言をもとに、彼がたどったルートを明らかにし、その生涯を追う。◆現在の宮城県石巻市で裕福な医師の家に生まれたが、家が零落し、１６歳で外国航路の見習い船員となった。やがてアメリカ大陸最北端・バローに留まり、捕鯨キャプテンに見込まれてその娘と結婚、アラスカに溶け込んでいく。しかし、やがて鯨の漁獲が激減し、疫病の蔓延、さらに外から持ち込まれた飲酒の習慣などで、バローの町は荒廃していった。

広域・凶悪化する現代犯罪に対処するために、警視庁管内に設立された新組織「広域特別捜査隊」を舞台に、主人公・高見兵吾、西崎駿一ら刑事達の人間模様を描くシリーズドラマの最終章。兵吾と生き別れた父との葛藤を追いつつ、もと妻・玲子とのエピソードもいよいよ完結する。（最終章／２００４年４月１４日～６月３０日放送、全１２回）◆最終回。兵吾（柴田恭兵）は護送車を襲い、父・大吉（中村嘉葎雄）を連れて逃走した。知っていることを全て話せと迫る兵吾に、大吉は守るべき約束があると言って打ち明けようとしない。一方、広域隊のメンバーは兵吾の行方を追う。

日本三名山のひとつ白山の大自然の魅力を、「かつ先生」こと尾張勝也さんが地元の子どもたちと一緒に理科の視点から伝えるシリーズ。（２００４年４月１７日開始）◆この回は紅葉シーズンを迎えた白山スーパー林道。全長３３．３キロ、石川県から岐阜県まで、白山の北側を縦断する白山スーパー林道が一年でもっとも美しい季節を迎えた。例年に比べ気温がなかなか下がらず、紅葉の進み具合は１～２週間遅れたが、それでも赤や黄色に色づいた樹木と青空のコントラストは見事だ。このスーパー林道、側の蛇谷渓谷には滝がたくさんあることでも知られている。落差８６ｍの「ふくべの大滝」や日本の滝１００選の「姥ヶ滝」は有名だが、ほかにも「しりたか滝」「かもしか滝」「岩底（かまそこ）の滝」など、特徴的な滝が点在している。◆そんな滝の美しさに見とれていると、スーパー林道の所長さんから「ふくべの大滝」の上にも滝があるという驚きの話が。かつ先生が上空から確かめると、そこには「ふくべの大滝」と同じ、あるいはそれ以上の落差の滝が細い谷筋に隠れていた。木々に遮られ、周りに高台がないことから、地元の人にもあまり知られていなかった幻の滝。一部では「交わりの滝」と呼ばれているそうだが、サラサラと斜面を流れ落ちる滑滝は「ふくべの大滝」とは対照的な神秘さを感じさせる。

言葉遊びを通して、日本語の豊かな世界を楽しむゲーム。男女４人ずつのチーム対抗で、機智とユーモアを競う。◆しりとりをしながら９個のマスに入った言葉を使っていきビンゴを完成させる「しりとりビンゴ」、“インターネット”“サングラス”などすっかり定着したカタカナ言葉を、チームのうち３人が漢字４文字の創作四字熟語で表現、残り１人がもとの言葉を当てる「文殊の知恵」など。

県が計画する海岸埋め立て事業を巡り、反対する地元住民と県との対立が続く大分県佐伯市の大入島。着工にいたるまでの経過を辿りながら、住民の反対運動と事業の必要性について考える。◆工事の名称は「佐伯港廃棄物処理施設整備事業」。佐伯氏女島地区に整備中の推進１４メートルの岸壁建設で出る土砂を、対岸の大入島石間地区に埋め立てるのが目的である。県は地元住民に説明せず平成５年から計画を進めてきたが、平成９年暮れに発覚して以来住民による反対運動が続いている。平成１５年１１月の着工時には住民と県が衝突した。（その後も衝突は繰り返され、工事は中断されたままになっている）

戦後石川県のビッグプロジェクトのひとつ、能登島大橋。その着工当時を中心に、能登島の変遷をたどる。◆昭和３０年代の終わりごろに架橋建設が具体化し、昭和５４年に完成した。橋ができたことで変化する能登島民の生活、また島民の足だった能登商船への救済措置などを紹介。橋の完成後はインフラ整備が進み、観光客誘致にも効果が見られた。