水温１０度、水深１０メートルの厳冬の三陸の海で行われるアワビの素潜り漁。シーズンの水揚量に応じて相撲の番付がつけられる。「横綱」を目指して繰り広げられる熱い戦いを追う。ＦＮＳドキュメンタリー大賞ノミネート作品。◆岩手県種市町の宿戸地区で、これまで２０年以上にわたって浜一番の水揚げを誇っている横綱、その息子は今年こそ父を追い抜こうと腕を磨く。三陸の厳しい海を背景に、海とともに生きる漁師たちの誇りを描く。

ＮＨＫ連続テレビ小説第７１作「わかば」（２００４年９月２７日～２００５年３月２６日放送）の総集編。阪神・淡路大震災で父を失ったヒロイン・高原若葉が、造園家として悪戦苦闘しながらも、震災で傷ついた家族の心の「再生」を目指す姿を、若葉の母の故郷・宮崎と、復興していく神戸の街を舞台に描く。テーマは「街と家族の再生」。作：尾西兼一。（全４回）◆総集編・第３回。正月で帰省した若葉（原田夏希）に、弟の光（崎本大海）はパティシエになるために神戸へ行きたいと告げる。１月１７日が過ぎ、かつて自宅があった空き地を訪れる若葉。しかし、いまだ神戸に足を踏み入れることができない母・詩子（田中裕子）の心の傷は癒えていなかった。ある日、嵐のなか出かけていった雅也（姜暢雄）が戻らず、万が一のことを思ってひどく取り乱す若葉は、自分の中にもまだ傷があることを知る。そして結婚を申し込まれ、承諾するのだった。

鎌倉時代から続く能登半島の旧家の生活を通して、集落の自然を生かした四季の暮らしと、現代に失われつつある人と人との結びつきをみつめたドキュメンタリー。◆能登半島には、日本海からの強風を防ぐため「間垣」という高さ４ｍの竹の垣根に覆われた集落がある。間垣の中の集落には、絆を大切にした鎌倉時代からの特有の暮らしが今も続いている。◆石川県輪島市上大沢。この集落は日本海に面し、切り立った断崖にあるため、一年中シベリアから日本海を渡って激しい風が駆け抜けていく。この里の暮らしを数百年間守り続けてきたのが、能登半島独特の巨大な竹の生け垣「間垣」である。４ｍほどの細長い竹を垂直に立て、１万本近くつなぎあわせて作る間垣は、家一軒ごとではなく、集落全体をぐるりと円形に取り囲み、まさに「竹の砦」。上大沢には２０家族７０人ほどが、この総延長５００ｍの「竹の砦」の輪の中で、風習や知恵を活かしながらお互いの生活を支え合って生きている。周辺の集落から離れた、間垣の中だけの生活が、人々の結びつきを強固にしている。その強い絆が、過疎化を防ぎ、多くの跡取りが戻ってくる集落を生み出している。

青森県南部の鍛冶職人、工藤さんの作業場には、人柄に惹かれた人たちが集まってくる。いつからか「てしゃば」（停車場＝バス停・駅）と呼ばれるようになったこの場所は、すっかりお年寄りの集会場の様相を呈した。高齢者ならではの話題や悩みが飛び交う「てしゃば」の人間模様を見つめる。

伊勢湾周辺を題材に、自然環境に積極的に関わっている人たちをドキュメントする５回シリーズ。番組ナビゲーターは渡辺徹。（２００４年７月１９日開始）◆最終回は、２００５年２月に開幕した愛・地球博で、手づくりのパビリオンを出展するジョン・ギャスライトさんに密着する。生きた木を使ったパビリオンの出展作業は、困難に出会いつつも仲間達との共同作業で進んでいく。また、これまでの４回の番組を振り返る。

男手ひとつで育てられた、容姿も仕事も男のタイプも三者三様、全く違う三人姉妹の恋愛模様をコミカルに描くドラマ。（２００５年５月１６日～６月１６日放送、全２０回）◆妻・時枝（野際陽子）が家を出てから２６年、三人娘を育ててきた松岡幸平（橋爪功）。長女・かもめ（浅野ゆう子）は男女間のトラブルを処理する慰謝料専門の弁護士。恋愛を頭で考えるタイプで婚期を逃し続けている。次女のすずめ（光浦靖子）は人気占い師。恋愛占いが当たると評判だが自分の恋はからきしダメで縁遠い。三女のつばめ（牧瀬里穂）は旬を過ぎたトレンディ女優。惚れっぽいが好きになるのはダメ男ばかりでやはり独身。そんなある日、幸平が連れてきた独身のハンサムな建築家・広瀬ヘンリー（田辺誠一）をめぐって三人姉妹の恋のさや当てが始まる。

「郵便兵」として招集されビルマで戦死した祖父が戦地から送っていた１００通もの絵手紙。祖父の足跡を辿ってビルマを旅した孫娘が見たものを紹介し、ビルマ戦線の現実と、孫娘によって語り継がれる「祖父の戦争」を伝える。◆いきいきと働く人々、こちらを見つめる少女のまなざし。一枚一枚に優しい思いが込められた祖父の絵手紙に、幼いころから惹かれていた石塚まみさん。彼女が旅したビルマには、そのころと同じ風景に優しい人々がいまも暮らしていた。しかし、人々の心には戦争の傷跡が深く残っていた。

日本最古の歌集「万葉集」に収められた歌は約４５００首。５世紀ごろから８世紀にかけて詠まれたもので、当時の人々の姿を伝えてくれる。番組では万葉学者の中西進氏が案内役となり、万葉の歌を奈良県立万葉文化館に所蔵されている万葉日本画とともに紹介しながら、万葉びとの心を訪ね、美しい風景に彩られた大和路を巡る。◆シリーズ２の総集編として「明日香風」「豊浦の萩」「磐余の池の鴨」「いちし咲く葛城」「阿太の秋風」「象山の鳥」「佐保山の波」「三笠山の月」「長屋原の惜別」「三輪山の雲」「衾道の秋」「大和三山」を紹介する。