聖路加国際病院の名誉院長である日野原重明さんと、作家で天台寺の住職も務める瀬戸内寂聴さん。長いあいだ人の生と死を見つめてきた二人による、２００３年の年頭に送るトーク番組。

仏事をこなしながら社会貢献に挑戦する“活動する住職”を描くドキュメンタリー。第１７回民教協スペシャル。◆長野県松本市の神宮寺。「何宗ですか？」ときかれて「皆の宗・臨機応変派ですよ」と半ば本音のジョークで答える高橋卓志住職。お寺は活気に満ちている。常に人が集い、禅宗の伝統を受け継ぎながら、高齢者のためのデイサービスや、お葬式の見本市など、様々な取り組みを行っている。死者と向き合う巡礼の中で、セレモニー中心の仏教に疑問を持ったのがきっかけだ。「寺は生きている人のためにある」という高橋住職の信念と、いのちへの真摯な思いを、明るくユーモアに包んで描く。

新潟県山間部の集落で暮らす一人の農民詩人と彼の家族の２４年間の記録を通して、時代の波に翻弄された彼の「敗北感」とは何かを探るドキュメンタリー。◆岡部さんは、村でいちばん山奥の田んぼで米を作り、炭を焼き、出稼ぎもしながら、妻とともに３人の子どもを育ててきた。そして、社会への叫びを詩に表現してきた。豪雪地の農業は管理が難しく、収量も多くない。若者たちは村を離れ、過疎と高齢化が進むが、家を離れる子ども達にもそれぞれの思いと葛藤があった。かつて７人で暮らした家で、岡部さん夫妻２人だけの暮らしが始まろうとしている。

世界遺産に登録された屋久島。世界最高齢の木、縄文杉は樹齢６３００年とも言われる。今でこそ島の９割が森に覆われているが、１４００万年前に海底が隆起して海面に島が現れたときには、表面は岩だらけでひとにぎりの土もなかった。土と森を生み出した生き物たちの営みを追う。

野生動物の生態や人間との関わりを描いた椋鳩十の動物文学を、詩情あふれる絵にあわせて読み聞かせる番組。◆天降川（あもりがわ）のがらっぱ（カッパ）たちは、遠い昔からこの川の主だった。人間たちに日照り続きでも田畑が枯れないように用水路の作り方を教え、仲良く暮らしていた。（全７回）

北海道の豊かな自然、生きてきた人々の歴史や文化、生活、産業など、次の世代へ引き継ぎたい有形・無形の財産の中から、道民全体の宝物として選ばれた「北海道遺産」を、ハイビジョンで撮影された美しい映像と共に紹介する。◆札幌、旭川、函館に次いでラーメンファンの熱い視線を集めているのが釧路ラーメン。釧路ラーメンの持ち味は細い麺と飽きのこないあっさり味のスープ。細麺なのはゆで時間すら待てないせっかちな漁師気質から来たともいう。

ジャムのミナレットは２００２年、アフガニスタンで初めて世界遺産に登録された。１９４４年に初めて存在が報告されたが、正式に発表されたのは１９５７年。アフガニスタンの広大な大地と厳しく複雑な自然環境に阻まれ、１３年間も再発見できなかったのである。ミナレットは、西の都市ヘラートから東へ２５０キロ、アフガニスタンのほぼ中央のゴール州ジャム村にある。渓谷の谷間に聳える一本の巨塔で、剥き出しの自然とは対照的な人工の建造物だ。見る者にその落差と造形美で驚きと感動を与える。このミナレットは１１６３年から１２０３年の間、この地域を支配したゴール朝の王ギヤースッディーンの統治時代に建てられたと言われているが、建造の理由は今も解明されていない。ジャムのミナレットは、中世イスラム建築の最高峰であると共に、「破壊」から「保存」の時代を迎えた現代アフガニスタンのシンボルでもある。◆ジャムのミナレットと遺跡

リストラで突然会社を首になった元ＯＬが、なんの因果か人気漫画家と旅館にカンヅメになる羽目に陥った。前向きなのが取り得な彼女が人生を学び、成長していく姿を描く。“ｌｉｖｉｎｇ　ｔｏｄａｙ　ｆｏｒ　ｔｏｍｏｒｒｏｗ”（２００３年４月１３日～６月２２日放送、全１１回）◆最終話。漫画の連載を続ける意欲を取り戻した礼次郎（阿部寛）は、執筆に取り掛かる。一方、経営難の旅館「柚原」に買収話が持ち上がった。その相手となるリゾート開発会社から嫌がらせを受け、従業員たちにも不安が広がる。買収を拒む女将の美沙子（野際陽子）は、むかし祐美（竹内結子）の両親から来た礼状を見せて、いまのやり方を変えるなら看板を下ろすと祐美に語る。