松原克己は、３０歳半ばながら郊外に家を持ち、妻とふたりの子供とともになに不自由ない暮らしをしている。しかし、郷里の和歌山にいる母と妻は折り合いが悪く別居。職場では、上司と部下の板バサミ、自宅での強盗事件、会社の厚生施設にまつわる上司の収賄などから精神の不安に陥る。そしてついに妻を強盗と間違えて木刀で殴るという悲劇を生む。自分自身に異常を感じた克己は、精神科医の矢吹に相談する。

３００から４００頭の野生のニホンジカが生息している日光で、秋と冬のシカの生態を記録。秋、交尾期のオスが泥沼に自分の体を横たえて臭いを体に塗りつける「臭いづけ行動」を鮮明なビデオに記録。また鹿笛で雄ジカを呼びよせる名人・竹沢信明さんによる「鹿よせ」も紹介。

世界中の人々の暮らしぶりや自然を紹介する、海外取材ドキュメンタリーシリーズ。全米写真家協会プロフェッショナル最高賞を受賞し、国際的にも評価された。（１９６６年１０月９日～１９９０年９月１６日、全１０００回）◆かつては食人種であり、秀でた芸術家としても名高いイリアン・ジャヤのアスマット族の生活を、４部作で紹介する。大湿地帯に住む彼らの交通はカヌー。行政の必要から村が作られたが、人々は依然密林の生活を好み、週末に定着村に戻り学齢期の子供たちと団欒する。サゴ椰子から澱粉を精製し、ツカツクリの卵を集め、木の幹にいる幼虫を食べ、猪やクスクスを狩り、夜には死んだ肉親の頭蓋骨を枕にして眠る。日曜日には教会へ行く。

愛媛県大洲市は、美しい肱川の流れを抱き、水郷として親しまれている。大洲に鵜飼いが誕生したのは１９５７年（昭３２）。以来、この道一筋の鵜匠の手で守られている。７７歳の老体にもかかわらず、今年も春から鵜のトレーニングを開始した。もうそろそろこの仕事から手を引いて欲しいという奥さん。しかし、まだ彼のめがねにかなう後継者はいない。

川崎市多摩区生田。東日本各地の民家を集めた野外博物館である「日本民家園」を紹介する。◆農家、漁村の民家など古い民家はどれもみな独特の美しさと温かさを持っている。家族のだんらんや冬の夜の手仕事や村の人々との交流など、さまざまな暮らしぶりが積み重なって、いつのまにかほのぼのとした雰囲気を持つようになったのに違いない。民家の外観、内部のいろいろな工夫を通して、住んでいた人々のぬくもりを伝える。

文学作品のゆかりの地を訪ね、風景やそこに暮らす人、その作品に影響を与えた人にふれることで、文学作品のもつ「もうひとつの世界」を探る、文学紀行番組の新シリーズ。第２集まで制作・放送された。（第１集／１９８１年１０月４日～１９８２年３月２８日放送、全２６回）◆第２１回は、志賀直哉の「城の崎にて」（１９１７年）を取り上げる。山手線にはねられた志賀直哉は、傷の養生のために兵庫県の城崎温泉を訪れた。「城の崎にて」も同じ設定で描かれている。志賀が逗留した旅館の主人の話や、評論家・作家の松永伍一氏の解説で、作品の背景や志賀の人物像を明らかにしていく。また、「死」をテーマとしているこの作品を読み解くとともに、志賀直哉の死生観も分析していく。

１８３７年、自分の農場を持つという夢をかなえるため、イギリスから未開の南オーストラリアへやってきたポップル一家。７歳の三女ルーシーにとって、珍しい生き物のたくさんいるオーストラリアは、毎日が楽しいことばかり。だが、一家の期待に反して土地はなかなか手に入らなかった。慣れない仕事に就いて生活を支える日々が続くある日、生活資金を得るためにルーシーのかわいがっていた羊が競売にかけられてしまう。悲しみのあまり街をさまようルーシーは、プリンストン夫妻の乗る馬車にひかれて記憶を失うが、ディンゴとのつながりが縁になり、一家はついに長年の夢だった土地を手に入れることができたのだった。原作：フィリス・ピディングトン「南の虹」。世界名作劇場。（１９８２年１月１０日〜１２月２６日放送、全５０回）

「生命潮流」を著して世界的に注目されたライアル・ワトソン博士の生命論に沿って、科学的なデータを基に“生命とは何か”を映像的に実証した科学番組。（１９８２年１１月２６日終了、全４回）生命の誕生から現在に至るまでの進化を４部に分け、ワトソン博士が解説していく。第３回「生命は内乱によって進化した」。