父親は父親なりにわが子の育児問題に取り組んでいる。パパの滑稽な奮闘ぶりを描く、昼帯の連続ドラマ。（１９６２年１０月１５日〜１９６３年５月２４日放送）◆知恵がつきはじめたこどもはどんなことにも疑問を持ち、“どうして”を連発する。当たり前のことと割り切っている大人にはなかなか答えられないことばかり。パパは大弱り。◆安井昌二・小田切みき夫妻と、彼らの実の娘たちが演ずるホームドラマ。やんちゃなチャコちゃん（晴美）の無邪気な姿が人気を集めた。安井家のエピソードをそのまま番組に取り入れるなど、俳優一家のほほえましい実生活を描いた。人気者になったチャコちゃんは、後に「チャコちゃんシリーズ」の主役となる。モノクロ作品。

日本の文様を素材にしたドキュメンタリー。日本人独特の感覚を描き出すために、室町から江戸までの着物地１７０点、それに古くから家々に伝わる紋章１０００点余りを選び、前衛的な映像手法で構成していく。いわば現代の目で、過去の日本人が生みだしたすぐれた文様を新しい絵巻物にしたもの。解説は全くなく、絵と音楽ですべてを描写している。

東京から南へ３７０キロ、黒潮のただなかに浮かぶ青ヶ島の厳しい自然とそこに澄む人々の生活を追う。◆土地がやせているので作物は麦と芋、月に一度来る船を頼りの生活を送っているが、島の周りは崖に囲まれ、港が整備されていないため冬の季節風が吹き始めるとその船も着かなくなる。１２月５日から年があけて正月までの暮らしを追う。

角膜ヘルペスで苦悩する三人の男性を取材対象に、角膜移植の問題をテーマにしている。角膜移植手術さえ出来れば失明せず、再び光のある人生を取戻すことの出来る人が、当時全国に１万５千人もいたといわれる。しかし、現実には、遺族の感情等もあり角膜提供者はなかなか現われない。中日新聞の呼び掛けに提供者が現われ、運よく失明を免れた一人も、残された二人に対する哀惜感からは解放されない。

「パパはなんでも知っている」「うちのママは世界一」など、アメリカのテレビ映画を下敷きにしたホームドラマ。パパ（千秋実）とママ（乙羽信子）をはじめ、長女トンコ（山岸映子）、長男・和夫（中野しげる）、次女チャコ（坂倉春江）といった夏川家の５人家族を中心に、明るくほのぼのとした日常生活を描く。（１９５９年７月１２日〜１９６３年４月２８日放送）◆第１５１回。チャコは友だちと野球をしていて、窓ガラスを割ってしまったのに謝らない。トンコは夕ご飯を食べないから、その分のお小遣いが欲しいと言い出す。和夫は焼き鳥にして食べようと、小鳥を冷蔵庫に入れていた。パパとママは、そんな子どもたちのドライさをなげく。

「それは私です」と名乗る３人の出場者の中から“本物”の私を捜し当てるクイズ番組。解答者がいろいろな質問をしたり、態度を見たりして、ある特別な経歴をもった１人の人物を当てる。本物が怪し気に見えたり、ニセモノが本物らしく見えたりして、解答者も視聴者も迷わされる。司会は野村泰治アナウンサー。（１９６０年３月２０日〜１９６８年３月３０日放送）◆この回は「検事」「国鉄の車内販売」「はしごの曲乗り」である女性の本物を見つける。解答者は山本嘉次郎、臼井吉見、池部良、曽野綾子の各氏。

幕末の激動の中で必死に生きて、大きな役割を果たしながらも、時の流れに逆らったばかりに、歴史に確かな足跡を残せなかった新選組の悲劇を描いたドキュメント時代劇。それまで単なるチャンバラとしてしか描かれなかった新撰組を内部からの視点で眺め、隊員一人ひとりを浮き彫りにした。原作：子母沢寛。（１９６１年１０月１７日〜１９６２年１２月２５日、全６３回）◆第５５回「鳥羽・伏見の戦い―前編―」

一人の青年が、ある事件をきっかけに、若者の希望を阻んでいるのは社会だけではなく、自分自身でもあることに目覚める姿を描いたドラマ。努は２０人ほどの工員の組長だが、工員の一人が起した事故をもみ消そうとし、組長を解任される。家では浪人中の弟とけんかになり、恋人のり子のアパートに飛び込んだ。のり子に強引に迫る努だったが、彼女はヤケで同棲されるのは嫌だと断った。