エジプト、バルカン、イタリア、イベリアなど地中海沿岸の各地を訪ね、近代文明の源流となっている西欧古典、古代文明の跡をたどる。発掘・解明された史蹟、遺物、美術などを記録するなかで、西欧文明の伝統と特質を描く。（１９６１年１０月１３日〜１９６１年１２月２５日放送、全１２回）◆「第１集　南蛮のふるさと　ポルトガル」。ピレネー山脈を越え、ユーラシア大陸が尽きて太平洋に没するところに位置するポルトガル。１５４１年、日本人が初めて接したヨーロッパ人はポルトガル人だった。このときから鎖国令が出るまで１００年近くも長崎とつながっていたヨーロッパ屈指の美しい街、リスボンを訪れる。かつて７つの海を渡った海洋国家も今は近代化への道を模索している。

一つのテーマを取り上げ、数回シリーズでその対策や問題点を探る教養番組。◆１９６０年代に多発していた小児マヒをテーマに、様々な角度からポリオの問題を取り上げ、その予防と対策を探る。千葉大学医学部の渡辺誠介氏を進行役に、東京大学教授、伝染病研究所の松本稔氏、厚生省公衆衛生局長の尾村偉久氏の３人によるスタジオ対談を展開。１９６１年には全国で１７６９人の小児マヒ患者が発生しており、医師や行政の各専門家がその広がりを食い止めようと現状や今後の対策を語り合う。

ヒューマニズムをうたった「光を掲げた人々」の庶民版で、フィクションもあり、実話に取材したものもある。司会は大羽仙外。（１９５７年４月１５日〜１９６１年３月３０日放送）◆かつては俳優として、また監督として優れた仕事をした田川大介（竜崎一郎）だが、いまは尾羽打ち枯らした身。保険の集金をしている妻・たつ子（宝生あやこ）が寝込んだので代わりに回ることになり、旧友の石黒直吉（巖金四郎）の家に来た。石黒も保険金を払えなくなったからと大徳寺先生（中村芝鶴）の家に行くようにすすめる。大徳寺はケチくらぶの総裁をつとめる有名などケチ。とうてい望みはあるまいと思いながらも田川は出掛けていく。

地方から上京した三郎は、先輩の奥村を頼って工場の臨時工となった。同じ臨時工の浅枝らの共通の望みは本工登用試験合格だった。試験の結果、合格したのは奥村だけだったが、それは彼が仲間の私事を内通したからだった。次の試験で三郎は、奥村と同じことを強要されるが断る。浅枝は現実に迎合することが生きる道だと考えるようになっていた。各々の考え方の中から、生きる現実を考える。

各界の著名な夫婦をとりあげ、夫婦の歩みや日常生活を紹介する。◆吉田正は『異国の丘』でデビュー以来、数々のヒット曲を世に送り出してきた作曲家。設計技師として働いていたが、徴兵検査で入隊となる。４年間の軍隊生活の中で、自己流で作曲法をおぼえた。１９４８年（昭和２３）８月にシベリアから引き揚げるが、日立の実家は一家全滅。ビクター専属の作曲家として歩み始めた頃、友人を通じて紹介された喜代子さんと結婚した。ゲストのフランク・永井、松尾和子、橋幸夫が歌を交えて夫妻の横顔を紹介する。

各界の著名な夫婦をとりあげ、夫婦の歩みや日常生活を紹介する。◆丸木位里・俊子夫妻は、『原爆の図』で有名な画家。夫妻は原爆投下後３日目の広島に赴いた時、目にした惨状を一つの作品にしようと思い立った。苦しい状況の中で１９５０年（昭和２５）に完成させた第１部『幽霊』で大衆から激励を受け、１９５６年（昭和３１）、『原爆の図』全１０部を完成させた。作品は国内数百ヶ所と海外各地を巡回。多大な反響を巻き起こし、人々に平和への願いと決意を強めさせた。また、美術評論家の徳大寺公英と、画家で『原爆の図』のモデルでもある三輪寛子が夫妻の作品と人柄を語る。

より明るい社会を築くため日夜健闘する警察官たちの果敢な物語。スピード・サイエンス・シークレットの３Ｓで犯罪捜査に挑む初動班グループ・特別機動捜査隊の活躍を描く。国産初の１時間連続テレビ映画で、長寿番組となった刑事ドラマ。（１９６１年１０月１１日〜１９７７年３月３０日放送、全８０１回）◆第１回。東京・渋谷の住宅街で強盗発砲事件が発生する。直ちに立石主任（波島進）たち機動捜査隊が出動し、犯人の人相、凶器、遺留品、逃走車両などに関して初動捜査を行った。しかし犯人の特定に至る前に、同一犯による第２の強盗事件が起こってしまう。

普段はあまり注目をあびない「善行者や同情に値する人」という“この人”を招いて話を聞く対談番組。出場者には全国の視聴者や番組スポンサーから善意の贈りものが届く。（１９５６年１２月３日〜１９６２年９月１６日放送）◆第２１９回。福島県「ミシンに生きる“山の男”」と滋賀県「一人ぐらしの正ちゃん」を紹介する。司会：早川元二、ゲスト：河内桃子。