年の瀬の国民的行事、１９６３年（昭和３８）第１４回ＮＨＫ紅白歌合戦。会場は東京・有楽町の宝塚劇場。聖火ランナー仕立ての渥美清が白バイの先導で到着し、舞台で聖火を点灯するという演出で幕が開く。ＮＨＫ芸能局におかれた実施委員会では、多元中継で全国の一般審査員による採点風景を紹介するなど、趣向をこらす。翌年に東京オリンピックを控え、最後は紅白両軍で「東京五輪音頭」を歌う。司会は紅組が江利チエミ、白組が宮田輝アナウンサー。

愛知県一宮市は織物の町として全国に名高い。「子機（こばた）」とはいわゆる下請けの役割を果す零細な工場のことである。物語は地方から集団就職でやって来た女子工員たちの日々を描く。そこには「織姫」という優雅な呼び名とはうらはらの悪条件にもめげず懸命に青春を生きる姿があった。

１１月はじめ長野市上松で幼児がオート三輪にはねられて死亡した。交通量が激増する中、子どもをいかに守るかを検証する。◆警官による事故現場検証風景や事故死した子の母親へのインタビュー、交通事故体験を語る子、交通事故に関する新聞記事と集団通学する子ども達の姿や、皆で道路を横断する練習をする子ども達の姿などを紹介する。

人間国宝に指定された埴科郡坂城町の宮入昭平氏による日本刀製作の全過程を紹介する。◆二人の弟子とともに、炭切り、刀の原料の鉄を打つ姿、宮入氏へのインタビュー等をおくる。

２１世紀の未来を舞台に、１０万馬力のロボット少年・アトムが活躍するＳＦヒーローアニメ。ふだんは小学校に通うアトムだが、ひとたび事件が起これば敢然と悪に立ち向かう。“マンガの神様”手塚治虫の手による、国産初の３０分テレビアニメシリーズ。モノクロ作品。（１９６３年１月１日～１９６６年１２月３１日放送、全１９３回）◆河童がいると言われるミドロ沼の周囲で、殺人や盗難が連発した。お茶の水博士は、前世紀から沼に住む怪物の仕業と考える。水を汲み出すと姿を見せたのは、言葉を話す巨大なトカゲたち。しかも彼らは、人間の操る毒の唾液を持っていた。

写真屋の清兵衛（松本幸四郎）に見込まれて写真のモデルをするうちに、芸者えつ（山本富士子）は清兵衛と恋仲になった。清兵衛の妻のぶ（山岡久乃）は二人を許さず、離縁。えつと清兵衛は晴れて夫婦となり、子も授かったが、生活は苦しい。ある日、仕事場でマグネシウムが爆発し、重傷を負った清兵衛の手は動かなくなってしまう。原作：長谷川伸。◆（※この保存番組には、タイトルやクレジットが表示されません。ご了承ください。）

北海道の東部雌阿寒岳のふもと阿寒村付近で村民が野生のタンチョウヅルに餌付けをしている。村里に餌を求めてくるタンチョウヅルの群れ、春から秋にかけて原野の湿原での抱卵、ヒナの誕生、そして巣立ちまでを観察した。世界でただ１か所確認されているタンチョウヅルの営巣地として知られる釧路湿原での記録。

東京下町の鉄工所で働いている木暮正夫氏の原作をドラマ化した現代っ子もの。◆主人公タケシは小学校６年生、ちょっと乱暴だが、素直で明るい少年である。父はタクシー運転手、母はせっけん工場で働いている。父が交通事故で入院すると、弟と一緒にラーメン屋でアルバイトを始めたり、同級生の女の子の家が工場建設で立ち退きを迫られると、彼女のために奔走したり、行動力にも富んでいる。