東海道を日本橋から京都まで、虚無僧姿で尺八の行脚修行の旅をする男二人の道中記。原案：福田蘭堂。（１９６３年１２月１６日〜１９６４年３月９日放送、全１３回）◆第１回。尺八家元の御曹司・池田天風（仲村隆）とお目付け役の弟子・黒井珍竹（三角八郎）。二人は家元である大師匠の命により、虚無僧姿でお金を持たずに東海道を京都へ向かう。スピード社会に背を向けて“そろりそろりと”歩きでの修行旅である。だが、建築家として大成するという夢を持つ天風は、尺八修行にまったく乗り気でない。旅は前途多難、警察に不審者扱いされてしまい、二人は早々に引き返してくる。モノクロ作品。

１９６３年（昭和３８）のスポーツ界の話題を振り返る、年末のスポーツハイライト。◆世界スピードスケート選手権、世界卓球選手権で日本女子完全優勝、世界アマ・レスリング選手権で渡辺２連勝、初の全国高校体育大会、海老原世界フライ級選手権獲得、大鵬史上初の６連覇、東京国際スポーツ大会など。

年の瀬の国民的行事、１９６３年（昭和３８）第１４回ＮＨＫ紅白歌合戦。会場は東京・有楽町の宝塚劇場。聖火ランナー仕立ての渥美清が白バイの先導で到着し、舞台で聖火を点灯するという演出で幕が開く。ＮＨＫ芸能局におかれた実施委員会では、多元中継で全国の一般審査員による採点風景を紹介するなど、趣向をこらす。翌年に東京オリンピックを控え、最後は紅白両軍で「東京五輪音頭」を歌う。司会は紅組が江利チエミ、白組が宮田輝アナウンサー。

２１世紀の未来を舞台に、１０万馬力のロボット少年・アトムが活躍するＳＦヒーローアニメ。ふだんは小学校に通うアトムだが、ひとたび事件が起これば敢然と悪に立ち向かう。“マンガの神様”手塚治虫の手による、国産初の３０分テレビアニメシリーズ。モノクロ作品。（１９６３年１月１日～１９６６年１２月３１日放送、全１９３回）◆交通事故で息子を失った天馬博士は、そっくりなロボットを作り上げて息子の代わりにするが、成長しないことに腹を立てて売ってしまう。アトムと名づけられたロボットは、見世物としてロボットと戦わされる。

北海道の東部雌阿寒岳のふもと阿寒村付近で村民が野生のタンチョウヅルに餌付けをしている。村里に餌を求めてくるタンチョウヅルの群れ、春から秋にかけて原野の湿原での抱卵、ヒナの誕生、そして巣立ちまでを観察した。世界でただ１か所確認されているタンチョウヅルの営巣地として知られる釧路湿原での記録。

狼に育てられた少年の冒険を描く、夢とスリルに満ちたアニメーション。東映動画制作のテレビシリーズ第１作。（１９６３年１１月２５日〜１９６５年８月１６日放送）◆ケンは幼い頃から狼に育てられ、狼と人間両方の能力を持つ不思議な少年。双子の子狼ポッポ、チッチたちと共に獲物を追ったりいたずらをしたり、またジャングルの平和を乱す悪い動物や欲深な猟師をこらしめたりと、自由奔放な野生の生活を続けている。

人間国宝に指定された埴科郡坂城町の宮入昭平氏による日本刀製作の全過程を紹介する。◆二人の弟子とともに、炭切り、刀の原料の鉄を打つ姿、宮入氏へのインタビュー等をおくる。

北海道羊蹄山麓のある農村の家族をシュールなタッチで描くドラマ。作：安部公房。◆純粋なる故に、虫１匹殺せない１人の少女が、都会から帰ってくる。農家にとって、そんな少女は正気を疑う存在である。ある日、村にはイナゴの大群が発生、畑を襲う。弱者を切りすててゆく強者の論理を、正気と狂気の間に探る。