息子の結婚をめぐって、父と子の世代感覚の違い、新旧モラルの対立を描く。

下伊那地方に残る今田・黒田・早稲田の人形芝居のうち、今田人形の現状をとりあげる。◆悠々と流れる天竜川の側にある小さな集落。この地には伝統ある今田人形芝居が現在も引継がれている。人形芝居が上演される神社には芝居用の建物があり、古くからの人形の首が丁寧に保存されている。その上演風景と、舞台で人形を操る人々の姿、遠方から足を運び観劇する人々の姿などを紹介する。

１８年半、７９４本にわたって続いた長寿紀行番組。地域に根ざして生きる人々を描いた紀行ドキュメンタリーのスタイルを確立した。（１９６３年１０月７日～１９８２年３月１０日放送）◆原爆の被害から立ち直った広島。名産のカキが沖出しされ、市民球場では野球に熱中し、宮島では管弦祭が執り行われる。しかし、８月６日が近づくと祈りを捧げる人々の姿があちこちで見られる。

ニューヨークの黒人街ハーレムのどまんなかに住む黒人のハリス一家、キャサリンの出産をクライマックスに、公立病院の看護人の夫、その妹、夫の父親らの家族が織りなす一家の生活を、５２日間密着取材した異色の海外取材ドキュメンタリー。当時、ハーレム遊説に訪れたロバート・ケネディの姿やアフリカに復帰しようという黒人運動「ブラック・ナショナリスト」の集会など、時代相を伝える珍しい場面が織りこまれている。

強盗殺人事件の犯人として有罪判決を受けた吉田石松氏は、逮捕後から服役中、仮釈放された後まで一貫して無実を訴え続けて再審、無罪判決を勝ち取った。判決前後の吉田氏を追い、まったくの個人が人権を守る闘いの姿を追う。◆昭和初期、名古屋市内の強盗殺人犯人事件容疑者として逮捕された吉田さんは本人否認のまま有罪判決を受けた。彼は懲役刑を受けたが、仮釈放後２５年間無実を訴え続け、再審請求をくり返した。その訴えをとりあげたジャーナリスト、弁護士の努力で、１９６３年（昭和３８）１月、異例の再審が名古屋高等裁判所で開かれ、同年２月２８日完全無罪が言い渡された。◆冤罪事件として名高く「昭和の岩窟王事件」「吉田岩窟王事件」などと呼ばれる。吉田さんは１９６３年１２月に息を引き取った。

戦後に区切りをつけたという東京オリンピックの開会式のあった土曜日から月曜日までの間に起きた、ある精神病理学者とその妻と、今なお戦争の影を負った人々の事件を描く。◆精神科医の室井は、オリンピック開幕の日に患者の福富にしつこくつきまとわれて閉口していた。福富は特攻隊の生き残りで、いつもその話をするのだった。いっぽう妻・信子の知り合い藤崎は、特攻隊に出撃した幻想に悩まされていると室井に訴えた。おまけに信子は、２０年前に室井に会ったとありえない事を言い出す。皆の無意識の底に、戦争の影が眠っている。

ザ・ピーナッツ、ハナ肇とクレージーキャッツをレギュラーに、毎回歌謡界のスターを迎えて繰り広げるバラエティー。ジャズと歌謡曲のミックスをねらった音楽番組だが、コントも織り混ぜて、一家そろって気楽に楽しめる内容でおくる。（１９６１年６月４日〜１９７２年１０月１日放送）◆この回はコーラスソングの特集。

島でやくざものの男が殺された。なぜ男は殺されたのか。その謎を追って、あるドキュメンタリー取材班が、この事件を調査する。やがて島民たちの意外な側面が見えはじめる。猜疑心の強い島民たちは取材に協力しようとはしない。事件の真実は、ますます謎につつまれていく。作：安部公房。