町並みや人々の暮らしに江戸幕府直属の地、天領としての名残が今も息づく、飛騨高山の風情と商家の暮らしを紹介する。◆高山市の旧家、二木家は古い造り酒屋で、旦那衆の一軒であり、今もなお伝統的なしきたりが残る暮らしを営んでいる。旦那衆の多くは小作人から集めた米の処理に困り、酒屋を営んでいたが、二木家もそのひとつであった。二木家の家族と職人たちの年末年始の行事を追いながら、冬の高山を描く。

１９６５年～６６年当時の日本各地の習俗、行事、生活、技術などを記録したドキュメンタリー。◆阿蘇山の南麓、蘇陽峡は人里離れた谷あい。ここの暮らしはまず物を運ぶことに始まる。メゴと呼ばれる竹籠は、この必要性から生まれた。また矢部浜町では、百年以上も前に谷間に石橋を築き、水を引いて田畑を潤してきた。このように谷を越え、谷を渡って生活を作り上げていった阿蘇南麓の人々の暮らしを探る。

１９６４年（昭和３９）、長野県山岳連盟の勤労青年が、ヒマラヤにおける当時の未登最高峰ギャチュン・カンに挑み、隊員の遭難死をのりこえて２回にわたり登頂に成功した全記録。

すれ違う男女の純愛を描いた古典的ラブロマンスをテレビ映画化し、高視聴率となった昼帯のメロドラマ。原作：川口松太郎（１９６５年７月５日〜１９６５年８月２０日放送、全３５回）◆津村病院の看護婦・高石かつ枝（長内美那子）は、亡夫との間に娘をもうけたが、病院の規則のためその子を姉に預け、独身として勤めなければならなかった。ある日、同僚に子供のことが知れてしまう。やがて、院長の令息・津村浩三（吉田輝雄）が留学先のアメリカから帰国する。

１９６５年（昭和４０）６月、福岡県の山野炭坑で起こったガス爆発で２３７人が死亡する事故が起こった。その死者の約半数は“組夫”と呼ばれる下請けの坑夫たちだった。彼らの立場、労働条件などを遺族の悲しみを通して追う。◆山野炭坑は１９６３年１０月に三井鉱山が閉山した後の第二会社として再発足、三井時代より生産量を上げて黒字経営を達成した。その黒字は２割の賃下げや請負給の新人採用、組夫の雇用によるものだった。山野工業の本工２０２８人中５５０人を占める組夫はボーナスも退職金もない臨時工で、いくつもの鉱山を渡り歩いて肩入れ金という現金収入を得、それを借金返済に当てているという。本工であったが体をこわして入院中にクビになり、組夫になる例もある。

密林の中にある秘密基地で武器を製造している様子、アメリカ軍パイロットを捕えるところなど、ベトコン（南ベトナムの共産ゲリラ）の活動を生々しく紹介する。◆共産圏内の異色な取材活動で知られるオーストラリア人記者、Ｗ・バーチェットがベトナム人カメラマン３人の協力を得て行動を共にする。南ベトナムのジャングルの奥深くにある民族開放戦線の映画班本部がまず紹介される。電気をはじめ満足な設備もない条件で現像されたフィルムには、画質は悪いが戦うベトコンの姿が克明に捉えられている。

１８年半、７９４本にわたって続いた長寿紀行番組。地域に根ざして生きる人々を描いた紀行ドキュメンタリーのスタイルを確立した。（１９６３年１０月７日～１９８２年３月１０日）◆長野県の諏訪湖を囲む諏訪平野の冬の風物詩を紹介する。

平安朝時代のみやびやかな宮廷を舞台に、天皇の第二子で臣籍に下った光源氏を中心とした当時の貴族生活を描く「源氏物語」は、全編５４帖からなっている。テレビドラマ化に当たっては、光源氏が無き母桐壺の更衣に似ているという藤壺の宮に想いをかける１７歳から、源氏が亡くなるまでを描く。◆放送日は第１回のもの。公開テープには、第３回「夕顔・上」と第４回「夕顔・下」を収録。