天平以来１２００年余りにわたって続けられてきた東大寺二月堂の「お水取り」を、これまで公開されていなかった行事を含めて紹介。その全貌を明らかにする。◆大和路に春を呼ぶといわれる火と水の祭典として有名な行事だが、１１人の僧侶が２週間堂にこもって数々の知られざる行法に取り組むことはあまり知られていない。別火と呼ばれる準備期間から満行までおよそ１カ月のあいだ僧たちの生活を追う。

『ぐるっと海道３万キロ』が訪れた日本の海の姿を４つのテーマに再構成し、新撮影を豊富に盛り込んで、日本列島を立体的にとらえた夢とロマンあふれる夏の夜の贈りもの。◆第二弾は、海からの贈りものを紹介する。日本列島は黒潮や対馬暖流など海流に囲まれており、海流はさまざまな思わぬ贈りものを運んでくる。南方からはヤシの実、アオイ貝、北からの流木や流氷などがたどりつき、はるかな異国の息づかいを伝えてくれる。

人気ドラマ「時間ですよ」（１９７０年２月〜１９７３年９月放送）の新装版。銭湯を舞台に人々が交錯するホームコメディードラマ。（１９８７年６月２３日〜８月１１日放送、全８回）◆東京・湯島の銭湯「梅の湯」の女主人・ウメ（森光子）は出もどり娘の弥生（篠ひろ子）と交替で番台に上がっている。３０年来梅の湯を取りしきっていた徳助（植木等）に死なれて、ウメは銭湯をたたみ、後をマンションに建て直すつもりでいた。着工の段取りも決まったその晩、ウメの枕もとに徳助の幽霊が現れる。

立身出世物語の王道「太閤記」を、一味違うストーリーと設定、大胆な新解釈で趣向を凝らして描く。第二部は明智討伐まで。◆桶狭間で今川氏を破った信長の次の目標は美濃だった。藤吉郎はたった一夜で墨俣城を築き、美濃攻略に貢献する。その後も戦ごとに手柄を立て、ついに一国一城の主・羽柴秀吉となる。一方、信長は一乗谷の朝倉氏を滅ぼし勢力をさらに拡大していくが、明智光秀の手にかかって落命する。備前高松で本能寺の変を知った秀吉は、急遽京へ取って返す。

日本経済新聞紙上で１９５７年（昭和３２）３月に始まった「私の履歴書」のテレビ版。一時代を築いた人物が出演、自らについて語る。（１９８７年４月８日〜１９８８年９月２８日、全７８回。出演者の肩書・年齢は放送当時のもの）◆第１７回は伊藤忠商事相談役・越後正一さん（８６歳）。

テレビ局アナウンス部、出版ビデオ界に続く“ギョーカイドラマ”第３弾。ラジオ局・ニッポン放送を舞台に、何をやっても裏目に出るダメ営業マンの青春を描く。（１９８７年９月２１日終了、全８回）◆第１回。ニッポン放送営業２課に勤務して４年の徳川龍之介（田原俊彦）だが、まじめに努力してもいっこうに営業成績が上がらずにいつも上司に怒鳴られている。そんな龍之介の唯一の楽しみは、プロデューサーの田島響子（池上季実子）との会話。彼女が深夜番組のパーソナリティをしていた時から憧れの女性だったのだ。仕事の失敗で滅入っている時にデートに誘われ、龍之介は有頂天になる。

２１世紀になって戦争の何たるかを次代に伝えるのは今の若者たち。その彼らに戦争の刻印はどのように伝えられ、意識されているのか。テーマは「戦争をどう伝えるか」。体験隊３０人がそれぞれの発想で戦争を知るための何らかの体験をし、戦争の伝え方を語りあう。

米価要求の総本山・全中と、米どころ東北、新潟の農村を舞台に、揺れる巨大組織農協をドキュメント。米価引き下げが日本農業に与える意味を問い、日本の米の歴史的大転換を描く。◆１９８７年６月、全国の農業組織の最高意志決定機関・全国農協中央会は、実質的に「米価引き下げ」の苦渋に満ちた決議を採決した。毎年続く減反、高まる市場解放要求など、米をとりまく状況が厳しい折の選択であった。前年全中の米価要求案に激しい抵抗を示した新潟県、政府米の比率が高く引き下げの影響をまともに受ける青森県などの事情もあり、例年になく全国の意思をまとめるのは難しい。結局この年生産者米価は、３１年ぶりに引き下げられた。