従軍看護婦の生々しい戦争体験を聞いたスタジオ対談番組。聞き手は三国一朗。◆日中戦争から太平洋戦争にかけて出征した従軍看護婦は、日赤出身者だけで約３万３千人。戦死者は日赤がまとめた「遺芳録」に日赤看護婦の殉職者１０８０人とあるだけで、それ以外ははっきりしないという。番組では、日赤病院甲種救護看護婦養成所を経て、１９４４年５月にフィリピン方面に派遣された女性から凄惨な戦場の証言を聞く。彼女は、食糧と医薬品の欠乏から傷病兵を見殺しにした悲惨な体験を語り、最後に「恥を知れ」という戦陣訓がなかったら惨事はもう少しは避けられただろうと結ぶ。

社会のなかで生きる日本人を描いたヒューマンドキュメンタリーシリーズ。（１９６４年１１月１日～１９７１年４月３日放送）◆新造船建造の作業工程の中で重要な節目が進水である。固定船台の上で建造された船体を滑走船台に移しかえて、海面に突入、浮上させる進水は数十秒間のことであるが、大型船の場合、その準備は１か月前に始まる。三菱重工業長崎造船所で建造されている全長２３７ｍ、自重１６５００トンのタンカーの進水準備を、１２０人の作業員の長として指揮する船台大工・内田末造氏の仕事ぶりと日常を描く。

鉄道にあこがれ、一国鉄職員として奉職した室伏雄一郎（横内正）と妻・有里（日色ともゑ）を中心に、２人をとりまく群像をおりまぜながら、平凡に生きることの幸せを綴る。北海道、東京、大阪、京都、三重が物語の舞台となり、大正４年・主人公１０歳から昭和３７年・５５歳までの半生を、その変動期の中に描く。作：平岩弓枝。ＮＨＫ連続テレビ小説第７作。（１９６７年４月３日〜１９６８年３月３０日放送）◆公開しているのは第二十八回。

江戸天保年間、神田天神下に住む岡っ引き・文五（杉良太郎）を中心とした捕り物劇。文五に５人の手下が協力し、チームワークで事件を解決する。松本清張の原作を時代劇に翻案。（１９６７年４月７日～１９６８年１０月１１日放送）◆第十二話。役人を切って逃げた仙三の行方を捜査していた文五は、仙三の初恋の相手が武州に住んでいると聞き込み、丑吉と矢七を伴って張込みを続ける。脚本：倉本聰、演出：和田勉。

徳島の夏の風物詩、阿波踊り。８月１５日から１８日の４日間、徳島は阿波踊りの渦に巻き込まれる。その渦にさまざまな立場からかかわる人々の姿をとらえる。◆遠くに鉦や太鼓の音を聞きながら、増便されたバスを運転し続ける運転手。最終日の１８日にようやく非番になり、１年待ち続けた踊りへの情熱を爆発させる。就職先の大阪から祭りのために帰郷する青年。県外に出た多くの人たちが、この日のために帰ってくるという。

宇宙人の侵略に備え、地球防衛軍が結成されて世界各地に基地が建設された。日本では３００人の隊員と精鋭チーム「ウルトラ警備隊」が監視の目を光らせている。Ｍ７８星雲から来たウルトラセブンはモロボシダンの名をかりて、ウルトラ警備隊と共に地球を守るため、宇宙からの侵略者と戦う。（１９６７年１０月１日〜１９６８年９月８日放送、全４９回）◆第１回「姿なき挑戦者」。宇宙人の仕業とみられる人間消失事件が相次ぎ、ウルトラ警備隊が出動した。捜査を開始した隊員たちの前に、モロボシ・ダン（森次浩司）と名乗る青年が現れる。姿の見えない敵・クール星人と闘うため、ダンはウルトラセブンに変身する。

童話「三匹の子ぶた」の後日談という設定の着ぐるみ劇。おねえさんがカバンから取り出した子ぶたの人形たちが、ネジを巻いてボタンを押すと自由自在に動き始める。（１９６０年９月５日〜１９６７年３月２８日放送）◆公開しているのは１９８５年５月１１日に「ＮＨＫライブラリー選集」として放送されたもの。２００回記念、最終回とその前の回で黒柳徹子の解説付き。（番組本編はモノクロ）

１９５７年開始の「日本の素顔」と１９６２年開始の「現代の記録」を統合して始まったドキュメンタリー番組。社会で起こっている出来事、状況を取材し、問題提起する。（１９６４年４月１２日～１９７１年４月２日放送）◆近代的な雇用関係が確立した現代において、昔ながらの「のれん分け」制度を組み入れた経営を進めて成功している総合食料品販売会社がある。この店ひとすじに青春時代を送り、独立という夢をようやく実現した若者たちと、経営者の姿を描く。