１９６８年（昭和４３）４月２５日、東名高速道路の一部が開通。高速道路時代の幕を開けた。この開通第１日、連続衝突事故が発生し、幕開けに暗い影を落とした。果たして高速道路は将来、社会生活にとってどういう意味をもつのか。また、車と速度のメカニズムが日本の事情に合っているのか。人間のスピード感覚など徹底的な現場実験を多方面にわたってくりかえし、高速走行がはらむ危険性を指摘し、その研究対策の必要性を訴える。

徳川の世、外部からうかがい知ることのできなかった江戸城の「大奥」を描く。関西テレビ放送開局１０周年記念番組。（１９６８年４月６日〜１９６９年３月２９日放送）◆第一回「家光の見染めた娘」。三代将軍家光（中山仁）の時代、大奥は春日局（三益愛子）が総取締まりの任にあたっていた。彼女の権力は絶大であったが、お万の方（桜町弘子）の出現で、大奥の力の均衡は大きく揺れ動く。あせった春日局はある日、元武家の娘お楽（橘ますみ）を大奥に召し出し、将軍の相手をさせようと策を練る。

近代日本の形成に大きな足跡を残した人物や事件が現代にどのような影響を与えたかを、発掘した貴重なフィルムや関係者の話から、今日の時点で検証するシリーズ。（全１３回）◆日露戦争の勝利のかげには、陸の乃木・海の東郷という将軍の力があった。２人の活躍は戦前の小学校の教科書にも載り、国家的英雄として国民から敬愛された。だが、太平洋戦争の敗戦は軍国主義的思想と共に、２人の英雄像も葬り去った。そして明治１００年を迎えた今、一時は全く遠い存在となっていた２将軍を新しい視点で見直し、その人物像をさぐる。

渡世人・清水次郎長を慕って、次々と子分志願者が出現。そうして出来上がった次郎長一家・二十八人衆が、喧嘩と恋と人情の嵐を巻きおこす痛快娯楽時代劇。原作：村上元三。（１９６８年４月７日〜９月２９日放送）◆第１回「勢揃い二十八人衆」。次郎長親分（中野誠也）と大政（御木本伸介）は初めて出会った十数年前の頃のことを思い返す。次郎長はイカサマ賭博で負けていた男・桶屋の鬼吉（大辻伺郎）を助け、それが縁で一の子分とした。続いて喧嘩口上の使者であった敵の助っ人・関東綱五郎（入川保則）が二番目の子分となる。集まった二十八人衆の様々な人物像を紹介し、名を上げていく次郎長一家の雄姿を描く。モノクロ作品。

第二次世界大戦の終戦直前・直後、苦悩にみちた日本の激動期を当時の関係者に聞くシリーズ。（１９６８年５月５日～１９６８年６月９日放送）◆この回は、岡田啓介首相の秘書官として二・二六事件に遭遇した迫水久常氏（１９０２年～１９７７年）の証言。終戦時には内閣書記官長として再び首相官邸にあり、また終戦を決める最後の御前会議にも立ち会った。迫水氏が首相官邸の数年を通じて日本の政治の移り変わりを語る。聞き手は草柳大蔵さん。

東京にある関西割烹「奈仁波」を裸一貫で築きあげた父をたすけ、婚期を逸しながらも店を盛りたてていく長女の蓮子（京マチ子）は、一見、男まさりでありながら、内面は古風な優しさと愛らしさを秘めたお嬢さんである。それぞれ個性のちがう４人の妹たちとともに、一族がまきおこすさまざまな事件を、コメディータッチで描く。（１９６８年２月２４日終了、全８回）

近代日本の形成に大きな足跡を残した人物や事件が現代にどのような影響を与えたかを、発掘した貴重なフィルムや関係者の話から、今日の時点で検証するシリーズ。（全１３回）◆「五族協和」「王道楽土」をうたいあげて、現在の中国東北部に建国された満州国。日露戦争以来、北方の脅威におびえていた日本陸軍が強力な防衛陣地を構築して日本の生命線とするために、関東軍の演出によって誕生したこの国は、日本の敗戦とともにその短い歴史を閉じた。満州事変から満州国建国、そして消滅までをふりかえり、満州国建国当時の実業部大臣、外交部大臣だった張燕郷（チョウ・エンケイ）さんに話をきく。

明治１００年にあたり、近代日本の足取りを証言者と記録映像によって振り返り、検証するスタジオドキュメント。（全３９回）◆太平洋戦争を、豊富な物量を誇るアメリカと、大和魂という精神主義で戦った日本とを比較しながら、戦争を台所事情という面から回顧する。当時をフィルムで振り返りながら、開戦以来の日米両国の国力の比較、陸軍と海軍の兵器をめぐる対立、統制経済下の国民の食糧事情などを浮きぼりにし、出席者に語ってもらう。