渡欧挨拶を兼ねて、海老原喜之助画伯は、福岡県八女市郊外の坂本画伯を久々に訪ねる。ふたりはともに九州が生んだ近代絵画界の巨匠である。８５歳の坂本画伯は眼も耳も不自由で、海老原との会話は容易にかみ合わない。海老原は坂本絵画の神髄を熱っぽく語り、肉眼のたしかさを語る坂本老と固い握手を交わし、再会を約して別れた。が、坂本は昭和４４年、海老原は翌４５年フランスで客死する。

立方体を傾けていくと、一定の傾度をこえた時、それは倒れてしまう。このことから、いろいろな形の模型をつくって重心について考える。（音声は英語のみ）

天使のいたずらで女の体に男の心が入ってしまったお姫様、サファイヤ。男しか世継ぎになれない王国で男の子として育てられるが、大臣たちはサファイヤが本当は女の子であることを暴いて国をのっとろうとする。サファイヤはリボンの騎士に変装して企みに立ち向かう。（１９６７年４月２日～１９６８年４月７日、全５２回）◆サファイヤは、父王から託された金・銀・銅の三つの玉を鐘に取り付けた。ひとりでに鳴り始めた鐘はシルバーランド中に力強い音色を響かせ、それを聞いた人々の心には次第に勇気が芽生えてくる。サファイヤはチンクやフランツ、そして国民とともに、最後の決着をつけようと敵中へ乗り込んでいった。

第二次世界大戦の終戦直前・直後、苦悩にみちた日本の激動期を当時の関係者に聞くシリーズ。（１９６８年５月５日〜１９６８年６月９日放送）◆この回は終戦直後、内閣総理大臣に任命された東久邇稔彦氏の秘話。連合国による日本占領の方針が全く予想もつかなかった頃の社会混乱や、マッカーサー元帥到着、食糧難など激動の戦後を語る。聞き手は大宅壮一さん。

近代日本の形成に大きな足跡を残した人物や事件が現代にどのような影響を与えたかを、発掘した貴重なフィルムや関係者の話から、今日の時点で検証するシリーズ。（全１３回）◆７人の戦犯に絞首刑が言い渡された東京裁判から２０年。この戦争裁判の是非が論じられ始め、様々な資料も刊行されるようになった。東京裁判は不当であるというインドのパル判事の「判決書」に代表されるように、戦勝国が敗戦国を裁く戦争裁判は、法律的にも不当であるという考えも出てきている。東京裁判を中心に、それがどのような形で、何が裁かれたかを振り返り、「戦争裁判」について考える。

明治１００年にあたり、近代日本の足取りを証言者と記録映像によって振り返り、検証するスタジオドキュメント。（全３９回）◆１００年前にパリで開かれた万国博から７０年の大阪万博まで、日本と関係の深い博覧会を紹介する。日本が初めて万博に参加したのは１８６８年。徳川幕府を代表して徳川昭武や渋沢栄一、江戸柳橋の芸者、芸人などがパリに渡り、茶店を開いて来館者をもてなし、浮世絵、和紙、キセルなどを展示して当時の日本文化を世界に紹介した。渋沢栄一の子息秀雄さんや「チョンマゲ大使海を行く」の著者高橋邦太郎さんらが舞台裏の苦心談、エピソードなどを語る。

黄色い公害、つまり列車トイレの垂れ流しによる害が問題になっている。沿線住民の声や専門家による飛散汚染実験のデータなどをおりまぜながら、この黄色い公害の実情をルポする。

高度成長のなかで、国中をおおっている開発の波。多くの人の幸せを求めたはずの開発が、風土や伝統をうちこわしていく。小京都と呼ばれ、古い伝統と文化をもつ飛騨高山を舞台に、失われていく風土や伝統を守ろうとするひとりの市民がくりひろげる人間模様を、社会風刺的に描き出したドラマ。